バレエシラバスって何?

以前バレエママさんから、 「どのシラバスを勉強させるのが一番いいでしょう?」 と質問をいただきました。   DLSで何度か登場した言葉、「シラバス」、複数形だと「シラバイ」らしいです・・・なんか変。   答える前にまずは簡単にバレエのシラバスについてお話しましょう。 シラバスって何? シラバス、とは教育法、授業計画、などという意味で、バレエ界ではメソッド、なんかと言われることもあります。   ワガノワ、RAD、チェケッティなどは有名どころだけれどシラバスって誰でも作れます笑   学校によって授業計画が違うのと一緒で、国際的なルールはありません。 K-バレエスクールでは熊川さんが作ったシラバスを教えている、とウエブサイトには書いてあります。 だからシラバスを勉強したから、といって国際的に認められるわけではありません。   シラバスには試験がついてくることが殆どです。 ただ、先ほど書いたみたいに授業計画が国際的に一致しているわけではないので、ワガノワのレベル2、RADのレベル2、そしてACBのレベル2はまったくもって違います。 また、Distinctionと呼ばれる、トップマークもシラバス、そして試験管によって違います。   もちろん、試験するときに「何を見ているのか?」というのはそれぞれ決まっていますし、 どれだけ厳しい点をつけるのか、何が基準なのか?というのもある程度決まっています。   が。   芸術をマークする、のですからね。 全て一致、というわけにはいかないのが現状です。   ちなみにACBの場合5-10%しかDistinctionがもらえないのに対し、RADでは80%がトップマークだそうです。 (バレエ学校経営者でRADとACB両方試験を行っている先生からの情報)…

Continue Readingバレエシラバスって何?

バレエのジャンプを3つのカテゴリーで考えてみよう!

みなさんこんにちは。 今日もDLSに遊びに来てくださってどうもありがとうございます。   先日のピルエットの分析の後、 読者の方から「ジャンプの分析もお願いします!」 とリクエストを頂きました。 なのでジャンプをテーマにお話していきましょう!   クラシックバレエには様々な種類のジャンプがありますから、 ジャンプの分析!とひと括りにできない・・・という壁があります。   なのでまずは初心に戻って、どんなジャンプがあったっけ? と言うことから見ていきましょう。   バレエのステップでジャンプ、というと思いつくのは何でしょう?   シャンジェマン? グラン・パドシャ? ジュッテ・アントルラッセ? カブリオール? たくさん出てきますよね。   レッスンの中では プチ・アレグロ ミディアム・アレグロ そしてグラン・アレグロ と分かれています。   でもこの言葉たちは「ステップ分析」にはあまり役に立ちません。  …

Continue Readingバレエのジャンプを3つのカテゴリーで考えてみよう!

眠りの3幕はどうなんだ?バリエーション分析

  という質問をフェイスブックから頂きました! いぇーい、初フェイスブックリクエスト!! という事で、今日は早速リクエストにお答えして。   眠りの3幕を分析していきましょう。   何を言っているのだか全く意味が分からんぞ? という方のために。   ボディコンディショニングはテクニック上達にとても大事です ボディコンディショニングについて知っておきたいこと という記事で勉強し、   だけどいったい何からやったらいいのかな? というときのために ボディコンディショニングプランの作り方 ベースづくり とベースとなる3つの質問を考えてみました。   3つの質問に答えた後での「ゴール」の分析。 バリエーションを踊ることをゴールとして、眠りの1幕を例にとって研究してみました。 (この記事)   んでもって、文頭の質問に戻るってわけ。 3幕はどーなの?   もし1幕と3幕、どっちがいいかなーと思っている人がいたら。 私は3幕を選びます。   なぜなら、私はスタミナがないからっ!…

Continue Reading眠りの3幕はどうなんだ?バリエーション分析

保存版 片足プリエを強化するレッスン&エクササイズ

*このブログは2014年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   今日は「片足プリエを強化するにはどうしたらいいですか?」という質問にお答えしていきましょう。 ”強化”がテーマなのでエクササイズというかレッスンで出来ることをメインに説明していきますね。   プリエの大切さはバレエをやっている人ならば知ってると思うのね(特に指導者)。 とても大事だから1冊の本にしてあります(「プリエ使えてますか?」)。   プリエももちろん大事だけれど、片足プリエだって大事です。 ここは私の勝手なこだわりなんだけど、 プリエ=両足で行う動き オン・フォンジュ=片足プリエ バットマン・フォンジュ=バーのアンシェヌマンの1つ、軸足プリエ、動足クドゥピエから足を前、横、後ろの方向に出すこと だと私は指導されてきたのでここから先は片足プリエの事をオン・フォンジュと呼んでいきますね。   そんな事気にしなくてもいいじゃんって思うけど、留学時代にレッスンで使われている言葉と、日本のスタジオで使われていた言葉が違くて困るという体験をしているので。 ザンレール セゴン とかは日本特有の言い方(和製英語?でも英語じゃないよねこれ)で、海外では使われません。 (イタツキとかも日本だけだけど、これはステップの名前ではないので割愛)   シソンヌっていうのがシソンヌ・フェルメ「だけ」だと思っていると センターでシソンヌ・シンプルと言われた時にあー、バッチュを入れないからシンプルなのねなんて思っちゃって恥をかきます。 (ラッキーな事にこの間違いは私ではなかったけど、バレエ学校のスタッフの一人にどうして日本人はシソンヌ・シンプルが出来ないの?と聞かれて、あの子たち知らないんじゃないのってハッとした)   特に私が動画で見たことがある海外のバレエ学校&カンパニーでは、特にセンターで先生が動きを見せる事はほぼなく、 先生が口頭で振付を説明し、方向やポーデブラのタイミングだけをマーキングでちらっと見せた後に音楽が始まるケースが殆どなので、 留学を考えていたら正しい(もしくは一般的に使われる)バレエステップの名前を知っておくのは大切だと思います。 どうして片足プリエを強化する必要があるのか? 白状しますね。…

Continue Reading保存版 片足プリエを強化するレッスン&エクササイズ

ピルエットを分析してみました

    題名、そのまま、今日はピルエットを分析します。   分析した後はご自分の好きなようにレッスンで使うなり、 トリビアみたいに自慢したり、自主練でこっそり試してみたりしてください。     ピルエット。 この言葉を小さい子達にすると喜びます! やっとお姉さんたちみたいにレッスンできるのね!くるくる回って楽しいなっ!   この言葉を中高生にするとふーんとなります。 またか。子供じゃないし、はしゃいでも恥ずかしいだけ! その癖してピルエット3回転できないとずーんと凹みます。 3回転できないっっ!バレエは向いていないのねっっ! …ドラマチックなお年頃。   この言葉を大人バレエトレーニーさん(DLSでは大人でバレエレッスンを受けている方々をトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます)にするとびくびくするのが見えます。 嬉しいけれど、怖い! 回転って怖い! 転ぶのも、恥かくのも怖い! なのでどっちの脚をルティレに上げるのか分からなくなってパニック!   そんなピルエットを分析してみましょう。   回転族は読まなくてOK! ピルエットを含めた回転系のテクニックでは、なんだかどうしてだか分からないけれどよく回れる子、というのが存在します。   アライメントも変だし、腕のタイミングも変だけど、…

Continue Readingピルエットを分析してみました

ボディコンディショニングプランの作り方:バリエーション編

  今日は前回の続きで、ボディコンディショニングプランの作り方を実際に見ていきましょう。 ダンサーの卵ちゃんからの質問です。   ボディコンディショニングってなんだっけ? って思った方はこの記事と一緒に読んでみてください。     彼女の質問は、   眠りの1幕のソロを発表会でやることになったんだけれど、 トリプルのピルエットが上手くいくときといかない時がある・・・   という事でした。 なので今日はこの1幕のソロを分析してみましょう。     まず最初にソロの紹介。     まぁ素敵! 私も彼女みたいになりたいから、毎日100回バリエーションを繰り返します!!   なーんて事したら意味ないですよ。   意味ないどころか、悪い癖がどんどん身につくし、 同じ方向ばっかり練習するから体のバランスは悪くなる。   トウシューズは早くつぶれちゃってお金はかかるし、 何よりもそのうち、バリエーションの音楽を聴くだけで嫌気がします・・・…

Continue Readingボディコンディショニングプランの作り方:バリエーション編

ボディコンディショニングプランの作り方 ベース作り

    ボディコンディショニングって、とっても大事なんですよーという話は、 既にこの記事でしてあります。   大事なのはわかったけれど、何からやればいいのやらさっぱりです。 周りにバレエを知っているトレーナーさんがいません。 一人だけど何をしたらいいの?   なんて思っている人いませんか?   ほかには 腹筋も背筋も毎日やっているけれど、それでも効果が出ない。 だとか インターネットで調べたエクササイズ、プロのダンサーがやってます、って言ってたけど私にあってるのかな? だとかって声もありますよね。   そんな声にお応えするために、今日から何回かに分けて 私流のエクササイズプランの作り方の説明をしていこうと思います。   (音声で聞きたい人は一番下へ。ポッドキャスト・YouTubeで再生できます。)   プランをつくる前に、まずは目標を決める 目標がないと成長が見えません。 目的地が決まっていなかったら最新のカーナビを持っていても意味がない。   目標(バリエーション、発表会など)を分析し、 それに合わせて何の練習をしていけばいいか考える力はとっても重要です。   難しいパを知ることで、ボディコンディショニングでその弱点を強化できるし、…

Continue Readingボディコンディショニングプランの作り方 ベース作り

体幹とバレエテクニックについて考えてみた記事

*この記事は2014年に書かれたものを、より分かりやすくなるよう2020年にリライトしました。   ダンスが踊れるようになるための絶対に必要なこれだけは必ずという体幹のエクササイズって何でしょう?   という質問を読者の方から頂きました。   とてもいい質問ですし、きっと皆さんが知りたい事だろうと思ったのですが、体幹のエクササイズというのは結局立ち方のエクササイズとなり、1冊100ページ以上書いております。 具体的なエクササイズを知りたい人は佐藤愛の笑「バレエの立ち方出来てますか?」をどうぞ。   今日は体幹の強さとバレエのコネクションについて考えていきましょうか。 体幹って何なのか? 体幹を鍛えたい、という言葉を聞くのは大体大人バレエトレーニーさん(大人でバレエレッスンを受けている方々をDLSではトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます)たち、 そして先生方の口からが多いです。   体幹を鍛えなくっちゃ!という子供を見たことはありません。 どうしてでしょうね? (これ、リトリカルクエッションですよ、体幹が大事だというのは先生や世間から言われる事だから)   また、「体幹を鍛えるべきだ」と言っている人に、体幹ってなんですか?と聞いたら腹筋です。と返ってくることもあります。 確かに体幹の一部に腹筋があるのですが、それだけではないんですよね。 体幹が強いってどういうこと? 体幹というのは、体の幹、つまり胴体の部分を指します。 解剖学の勉強をしていれば、体幹骨格がある部分だと理解も出来るでしょうね。   体幹の筋肉というのは、胴体についているすべての筋肉、という事なので 胴体の強さ、という事になります。   もちろんこの体幹、という言葉の中にコアマッスルたちも、腹筋も含まれていますから、 どうして大事なのかは簡単に予想が出来るよね。  …

Continue Reading体幹とバレエテクニックについて考えてみた記事

「股関節からのターンアウト」の落とし穴

前回の記事では   股関節の外旋、つまりターンアウトは脚の付け根から生まれるけれど、 点と点原理で考えればわかるように、動きは骨盤と脚の付け根の後ろ側、つまりおしりの下の部分で生まれる、   という話をしました。 (何を話したか?の説明だけでもなんだか複雑ですね・・・) その部分に存在する隠れ6人衆の外旋六筋のご紹介をちらっとしました。   今日はその 「股関節からターンアウトする」という注意がうまく伝わらないとどうなるか?という事を見ていきましょう。 そしてどうしてそれが危険なのか。   ターンアウトを上達させるために行われる「ストレッチ」の代表はうつ伏せカエルのポーズではないでしょうか? そして2番ポジションスプリッツ、または開脚、と呼ばれるもの。 私のところにも様々な質問がやってきます。 カエルのポーズは完璧に出来るのにターンアウトが出来ません。何がいけないのでしょうか? 開脚すると180度開くのにターンアウトが出来ません。バレエに向いていない体なのでしょうか?   このような質問に答える前に考えてみましょう 1)どうしてこのストレッチがターンアウトに影響するのでしょうか? 2)どうしてストレッチがターンアウトを「強化」してくれるのでしょうか?   カエルのストレッチ、そして開脚をするときに「のびてるー」と感じる筋肉はどこでしょう? 内転筋ではないでしょうか? 太ももの内側の筋肉。   この子たちの仕事は何でしたっけ? 大腿骨を内転させる事。 つまり脚をそろえる事、脚を体のセンターに持ってくること。…

Continue Reading「股関節からのターンアウト」の落とし穴

「股関節からのターンアウト」を考える

    ええ、まだおしりについてお話ししています。 でも大事なの!! 特に今日の主役外旋六筋はダンス人生を変える強力な筋肉たちです。   、 名前が指しているようにこの筋肉グループの仕事は股関節の外旋です。 分かったかな? つまり脚のターンアウト。   でもこの子、第一のお仕事は骨盤を安定してくれることなんです。 (一般の人達はターンアウトで歩く必要はないからね)   ターンアウトしてくれて、骨盤も安定してくれるなんて、ダンサーにとって夢のような筋肉でしょう? でも、外旋六筋なんて聞いたことない?     私も長い間こんな名前、全くもって聞いたことはありませんでした。 「股関節からターンアウトするのですよ」 と言われると頭の中でこんな図が出来ませんか。 、 、 、 、 股関節から脚を動かす=股関節は体の前にある=足の付け根(前側)からターンアウトすればいいのね。 、 、 、 、…

Continue Reading「股関節からのターンアウト」を考える