レッスン後、筋肉痛にならない方法

バレエを習っている小学生から「筋肉痛にならない方法はありますか?」と質問をもらいました。 レッスンの後、筋肉痛にならない方法は… レッスンで頑張らない事です!   は? って思った方、すみません。 残念ながら今現在はそれくらいしか言えません。 何故かって? 筋肉痛(delayed onset muscle soreness 通称DOMS)はまだ原因とか分かっていないから。 (一般的に言われている事はありますが、セオリーだけで実証はされていないとか)。   ストレッチでは筋肉痛は楽にならない、っていうのは分かっているんだけど、それ以外は結構よく分かっておりません。 ストレッチと筋肉痛の繋がりは記事の一番下にいくつか論文を付けてありますので、興味があったらどうぞ。   インスタライブでも簡単に答えたけれど、ブログ記事では文献や参考書と照らしながらオタク度が高めでお送りいたします。 sorry in advance... 筋肉痛とは何なの? オーストラリアバレエ団で研修していた時にほとんどすべての治療家デスクの上に置いてあった本で、(フィジオ、マッサージ、スポーツドクターetc! シェアじゃなく1冊ずつ笑) もちろん若かりし佐藤愛も形だけ真似して買った(めちゃくちゃ高い)本、「clinical sports medicine」によると DOM develops 24-48hours…

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コロナ休みからスタジオに戻ってくるときに

  みんなが楽しみにしているレッスン再開。 バレエの先生方も換気や消毒などを徹底してレッスン再開の準備をしているようですし、 友達に会える、体を動かせるという今までは「当たり前」だったことのありがたみが増えていることでしょう! (すぐ忘れるだろうけどね…笑)   でも、ダンサーの怪我、という目線からは大きな注意が必要です。 今日のブログではそのエリアをお話していきましょう。 ちょっと難しいし、長くなってしまうけど、バレエ教師やバレエママさんへのガイドラインになりますように。 (読むのが面倒な人は途中の「どんな風にレッスンに戻るべき?」から読んでも可) 子供の体力はすこぶる落ちている いくら少人数を徹底しても、(感染防止には役に立つかもしれないけど)生徒の体力には関係ございません。 今までオンラインでレッスン毎日していたもん!といっても体力「維持」をしていたのではありません。(体力が落ちるのをスローに食い止めていたくらいです)   3月では98%を超える小中学校がお休みになり、この記事を準備している今ではまだ、ほとんどの学校は再開されていません(5月16日)。 2か月レッスンに行かなかった、だけではなく 通学、学校内の移動という運動がなかった 授業中、座っているという姿勢維持もしていなかった ということを忘れないでください。   たとえ、お家でエクササイズしてても終わったらソファーにドカっと座りますね。 おうちで勉強していたとしても、学校のように周りに人がないから、デローンとしていても問題ないわけよ。 休憩時間は床に寝っ転がれるし。 学校でも姿勢は悪いかもしれないけど、周りの目っていうのと、休憩時間に床にはいないだろうからね。   そういった、普通の生活の体力が落ちていて 朝起きてこない、夜遅くまでダラダラしている(生活習慣の乱れ) 姿勢維持もできない(基礎体力、筋力の著しい低下)   という子たちが、…

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舞台後のアイシングについて DLSポッドキャスト epi296

  2020年1月に行われた佐藤愛著「プリエ使えてますか?」イベントのQ&Aセッションより、 舞台後のアイシングについてどう思うか?という質問に答えた部分を抜粋しました。 最新のオーストラリアバレエ団のメディカルチームの様子もお話しています。   聞きたい人はこちらから   スクリプト みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか? DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムの ブログ音声バージョンプラスポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。   今週も引き続き、プリエ本先行予約イベントからのQ&A音声をお送りしようと思います。 イベントに参加した人達はご存知のように、私のトークとふみさんのミニワークショップ、そしてQ&Aとこの無料イベントは3時間以上にわたるビッグなものだったんですよ。 たくさん勉強することがあったので、Q&Aの細部まで覚えている人もいないかなとか、 Q&Aの部分はスライドがなかったので「こんな話を聞いたんだけど、肝心なところを忘れちゃった… なんていう人もいるかなと思って、ポッドキャストでもお送りしております。   今日はイベントに来てくださっていた海外で踊るプロダンサーからの質問で、舞台の後のアイシングに対してどう思うか?という話をピックアップしました。 ケガのアイシングではなく、セルフケアのアイシングって事ね。 ではイベント音声です。   この前、11月かな、オーストラリアンバレエ団の近くでカンファレンスがあって そのイベントの一環として新しくできたオーストラリアンバレエ団の医療チームの施設を見学できるっていうのがあったんです。   6畳間くらいかな、の真ん中にどーんとジャグジーが置いてあってそこで自分が好きなように冷やせると言うシステムがありました。 そこのトップでやってる人が説明していた内容を、私はそのままお伝えしますので私の責任ではありませんということはお話ししておきましょう。 そして私の知識ではありませんというのを先にディスクレイマーとしてお話ししておきます。   今、怪我の後に冷やすか冷やさないか問題が結構大きくて、…

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ケガが治っても弱く感じる時にはどうしたらいい? DLSポッドキャスト epi294

  2020年1月に行われたプリエ本先行予約特別イベントのQ&Aセッションより、 長期のケガ回復まであと少し!なダンサーのリハビリプログラムと、バレエノートを書くメリットをお話しました。 体の声を聞くってどういう事か分からないダンサーは特に聞いてみてください。   聞きたい人はこちらから   スクリプト みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか? DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラス ポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。   今月はプリエ本先行予約イベントのQ&Aセクションよりいくつかの回答をピックアップしてポッドキャストにしました。 イベントに来てくれた人は復習として、来られなかった人は行きたかったなーと思いながら聞いてください。   最初の質問は結構大きめのケガをした子の話。 2つ目の質問は体の声を聴くってどういう事?という質問の答えの一部より。 1つ目の回答の補足みたいになるのでペアでアップしますね。   ではイベント音声をどうぞ。     (質問者) 今日は貴重な機会をいただきありがとうございます。愛さんに質問があります。 去年の5月に右足首の靭帯を損傷してしまいました。2ヶ月間松葉杖生活をして今は復帰しています。 整形外科の先生にはあまり緩んではいないと言われましたが、いつものレッスンでは感じなくてもポワントのレッスンをしているときに右足首が捻挫をした方向に行ってしまうことがあります。 今は右足のカフライズを左よりも多くしたりしているのですが、体力がないということも関係していると思うので、体力を上げる方法や右足首が強くなるようなエクササイズやケアがあったら教えて欲しいです。   (愛さん回答) しっかりしてるわーって声が!質問が素晴らしかった。…

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6歳の子がダンスクラスでのスプリッツで半身不随に

  ショッキングな題名ですよね、クリックしてもらいたいから私が作ったんじゃないですよ。 元記事はasia oneという英語のニュースサイトで、2019年10月24日に出されました。 英語で読みたい人はこちら。 こちらの記事の題名をちょっと優しく書いただけです。   実際の記事名はこちら   直訳すると 「6歳の中国の女の子が、ダンスの先生にスプリッツをさせられて、半身不随に」 になります。 forced into=やらされる、という意味。   私の感情をはさまず、最初から最後まで英文と一緒に読んでいきましょうか。   For one mother, her daughter's dancing dream turned into her worst nightmare after…

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バレエ学校卒業とsafe dance

  フォロアーさんならご存知のように、2019年12月の年末公演を最後に、私も15年いたバレエ学校から卒業します。 理由は様々ですが、ここにちらっと書いています。   この15年間、本当に様々なことを学びました。 生意気な反抗期で、バレエダンサーを夢見ていた18歳の愛ちゃんから、 バレエ学校を卒業し、海外で進路を探し進学。 初バイトもオーストラリアでした(何もしないバーテンダーだった笑)   自分から動かないと、自分のやりたいことはできないと学んだのもここ。 でも自分から動くと周りも助けてくれる。しょーがねーなーって感じで。   校長に頼んで始めたバレエ学校生徒を使って練習マッサージは10年以上続けたバレエ学校専属セラピストまで。 無料でいいからやらせて、と頼んだケガ予防クラスは政府認定コースの必須カリキュラムに。 バレエ団の一般メールアドレスにやらせて!と送ったメールが、一年に渡る医学チームの研修や、そのあとのバレエ団員とのコネクション。 自分の勉強にもなるはず、と書いていたブログで、本のオファーが来て3冊目が来週本屋さんに並びます。 卒業生を集めてやったセミナーがDLSとなり、2019年には5大都市周りました。   だから私は「自分からやる」ということにすごく重きを置いています。 自分の経験がそうだったから。 そして15年間メルボルンで見てきた様々なダンサー、年齢が若い子からプロ、プロをリタイアした人まで。 その中でキラキラしている人達はみんな、「自分からやる」というのをやっていました。   でも、「自分からやる」っていうのはやることが分かっていないと出来ない。 だからバレエダンサーを目指していた時、私は何もしていなかった。 何もしていない、というと反抗期の愛ちゃんに殴られそうになるので、一応弁解しておくと、 やっているつもりだった。 そのことはこの記事にも書いてありますね。その名も「私も実は頑張っているつもりちゃんでした」   努力しているつもりのダイエットは摂食障害になり、…

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常に100%ってどういう事?

  発端はこちら。 まずはDLSのオフィシャルインスタの一枚を見てください。   私はこの言葉が好き。 FBでいっぱいもらったコメントでもたくさんの人が共感してくれていました。   が、その一方で「そんなことをしたら燃え尽きちゃうよ」とか「頑張りすぎはよくない」などの意見もあります。 (というのをネットで見ました、というだけで、別にDLSにそういったコメントが来たわけではないよ。)   先日最終学期が始まったバレエ学校で生徒と話していて、これに通じるところがあったので記事にしてみようと思います。 100%でプレーするとは? 2019年春、2018年春、両方のキッズセミナーで「やりきる」とはなにか?をお話しました。 昔記事にした気がするんだけど…私が見つからないということは知らない人も多いと思うのでもう一度。 (ってか、DLSには1000に近い数の記事があるから探すのも大変ですよね。 まとめられるように計画中です…遠い目…)   レッスン中に「やりきる」ことができるもで 可動域を使い切る。 ピルエットなどで回りきる。 というのはすぐに分かりますよね。   逆に「やりきっていない」ダンサーは アダージョでキープは辛いから「自分があげやすい」ところまでにしておく。 毎回のタンジュでつま先を伸ばし切らない。 ピルエットでちょっとバランスを崩したから、フィニッシュまでやらない。   アンシェヌマンもそう。 バーレッスンの振り付けが終わったら、「はい」とか「反対」と言われるまで動かないはずなのに、 すぐにポジションを崩す。…

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今さらながら…プリエ使えてますか?

今さら?!ようやく? 関係者各位、大変申し訳ございませんでした。 自分の本の先行予約が始まったのに、ブログにするのをすっかり失念しておりました。   ごめーーん! ま、8月1日のDLSお誕生日ブログで書いたり、感謝祭ビデオシリーズの一つ、FBライブで喋っている事はしゃべってたよ。 このポッドキャストでは本邦初公開ということで「はじめに」の部分を音読したよ。 だけど8,9月来日セミナ―の準備とかさー インストラクターコースのクラスデリバリーとか準備とか 1週間日本に帰って、3週間後にまた日本とかやってたらさーブログにするの忘れちゃって。 言い訳、言い訳… プリエ使えてますか?先行予約 はい。8月1日のDLSお誕生日から先行予約はじまって「ました」(過去形)。 アマゾンで。   本自体が立つと有名な笑 スタンス本、ターンアウト本に続きプリエ本もP140ページを超えます。 んで、本当にプリエだけ書いてます。   私のメンターでもあり、一生ボスのクリスティンとの7月中旬の会話。 クリスティンの声は高めのオーストラリアアクセントを想像してお読み下さい。 C「最近どう?元気?」 A「忙しいですね、第3冊目が出るので出版社とのやりとりがたくさんあって。」 C「今回のは何について?」 A「…プリエ」 C「(大笑い!)that's it?」 A「…yes, that's it...」  …

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レッスンVS睡眠時間 成長期ダンサーが気を付けたいこと

  ダンサーの卵サポートセッション、通称卵の日で絶対にくる質問でもあり、 スタンスやターンアウトWSでも大事だって伝えている「睡眠」。   だけど記事にはした事がなかったので、セミナー参加者の復習や、確認のため書いておこうと思いました。 (それと、前に#愛さんとティータイムで、私が8時間ねるよ、と言ったら驚かれたのもあって笑) 睡眠時間はどれだけ大事? 睡眠は大事ですよーっていうのは、信号無視しちゃいけませんよー的なもので みんな知っている事だと思うのね。   だけどさ、歩行者信号が点滅していて引き返す人がいないように…笑 睡眠ゼロ!はいなくても(=信号無視)睡眠削って、という人はいるよね。   でもね、ダンサー特に成長期ダンサーだったら絶対に大事な事だし、 もしかしたら週末のレッスンよりも大事かもしれないんです。   なぜか?というと レッスンを受けても、トレーニングをいくらやっても、睡眠中にしか筋繊維は修復されないから。 つまり寝る事で、 レッスンの効果を最大限にしてくれる レッスンで使った部分を強くしてくれる エクササイズで頑張った事を文字通り「身に付けてくれる」 わけでございます。   ね、大事でしょ? そして、身長が低くて悩んでいるダンサーたち、成長ホルモンが分泌されるのは夜なので、 ちゃんと寝ていなければ身長も伸びません。 身長が伸びないという事は、身長制限のあるバレエ団のオーディションが出来ない!って事です。 つまり、将来ダンサーとして不利になる可能性があるわけ。  …

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グランプリエを避けたほうがいいケース

プリエ、プリエ、グランプリエ。 バレエレッスンの一番最初に出てくるおまじないですね。 これでレッスン幕開け!みたいな。   その後どんな振り付けが入ってくるか?でクリエイティビティが出てきます。 よくあるパターンは ポーデブラデヴァン、戻ってきてルルベでバランス、でしょうかね?   今日はグランプリエにスポットを当てていこうと思います。 何故かって?今、第三弾の本でプリエについて書いているから笑 そして、グランプリエについて書きたかったけど、スペースがあるか分からない状態にあるので、 ここで書いちゃいます。   DLS過去記事でプリエについて触れている奴ら →プリエの足首のぴき →プリエとひざの伸び具合 →片足プリエについて グランプリエは難しい! グランプリエは難しいです。 なんでかっていうと、関節の可動域を最大限に使い、 重心の位置が大幅に変わるから。   ほら、grand plie、大きなプリエっていう意味だから、 足首や足のアーチも動くけど、股関節はアラセコンドのジュッテよりも曲がる。 膝関節はもしかしたら、レッスン内で一番動いているかもしれないよね。 ルティレの膝の角度って、グランプリエよりも浅いでしょ?   バレエのレッスンで重心(骨盤)があんなに下に下がる動きはないよね。 重心移動、というと前後左右を考えがちだけど、…

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