アライメントという壁

*この記事は2013年に書かれたものをより読みやすく、具体的にスタジオで使えるように2020年に大幅改正しました。   アライメントという言葉を聞いたことはありますか? 愛さんがyoutubeビデオとかでも言ってるじゃん!って思うかしら。 (アライメントとプレースメントを説明したYouTubeビデオは記事の一番下に貼っておきました)   アライメント、英語ではalignmentと辞書で調べてみると「配列」と出てきます。 工学や生物学で用いられることが多い単語だそうですね。   ダンス、またはスポーツを行う人にとって、アライメントとは骨格の配列の事をさします。 要は骨が正しく、まっすぐに並ぶ場所ってことね。   正しいアライメントで立ちなさい、と言われたときは、 正しく骨を並べて立ちなさい、ってこと。 正しいアライメントってなに? というと下の図のように体のランドマーク(目で見える骨や体の部分)が一列に並ぶことを言います。 イラストは「バレエの立ち方出来てますか?」より。 スタンス本では前、横、後ろから見たときのチェックリストを作ってありますよね。   もちろん、踊っている時にここに挙げた全ての点が一列になっていることは不可能だよ。 ただし、絵を書くときに白いキャンパスが必要なように、 体を動かしていない、まっすぐに立っている時に正しいアライメントに戻ってくる ことはダンサーにとって非常に大事なこと。   だから、バーレッスンのプレパレーションとかはすべて、こういったところから始まるし、両手バーで踊る事で、肩や骨盤を確認できたり、 バレエを始めたばっかりの人達は、少ないターンアウトで立つこと、難しくない、短いアンシェヌマンでレッスンを作る事で、 立ち方を確認 &アライメントの感覚や理解作っていくことが出来るんですよ。   …そうやってレッスンされてきたでしょ? アライメントを正しくするメリット…

Continue Readingアライメントという壁

バレエ解剖学 関節:動きの生まれるところ

*このブログは2013年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   今日は解剖学基本編として、関節についてお話していきたいと思います。 皆さんの知っている通り、「骨自体」は動きません。骨だけ勝手にどっか行っちゃわないし、動きを作ろうとしたら…折れてしまいますよね。   じゃ、動きはどこから生まれるのか? その答えは関節が握っています。 関節はダンサーにとってとても大事 強いテクニックを繰り出す脚、ダイナミックな跳躍、そして雄弁な腕の動き… 人間の全ての動きは骨と骨がぶつかるところ、関節から生まれています。   つまりダンサーが求めている柔軟性とか、俊敏な動き、柔らかいプリエとか全てを練習する前に、 「筋肉」が「骨」を「関節」から動かしている という事実をしっかりと理解する必要があります。   そりゃそうだ(本日1回目)って思うでしょ。 でもさ、ストレッチしてる時関節の構造とか動く方向、動く範囲とか気にしてる? ダンサーの多く(そして指導者の多く…)は関節を大事にしていない気がするのよ。   関節の動く方向や動く範囲ではないところでギューギューストレッチする 関節を守る筋肉は「太くなるから」嫌い ウォームアップやクールダウンなど体のケアをしない こういう事をしていると関節を健康に保つことが出来ません。   Joint healthなんて言い方もするんだけど、関節の面倒を見てあげていないとケガします。 痛み、ケガ、変形などから動きも制限されてしまいます。 動きが制限されるって、ダンサーにとって致命的でしょ? →ストレッチを指導している先生なら絶対に受けておいてほしい教師が知っておきたい柔軟性講座詳細はこちら 関節の構造…

Continue Readingバレエ解剖学 関節:動きの生まれるところ

骨っていったい何なのか?

バレエ学校で10年以上ダンサー向けの解剖学クラスを受け持っていた時も、2015年から20クラス以上行っている教師のためのバレエ解剖学講座でも、 最初に骨についてお話します。   なぜか?というと 骨の方が筋肉よりも数が少ない(=理解しやすい) アライメントやプレースメントなどレッスンですごく大事なところに直接影響する 疲労骨折や成長痛など、骨に影響するケガがダンサーにはよくある から。   今日はダンサーにとって知っておくととっても便利な「骨」って何なのか?をお話しましょう。 骨クイズ! まずは一緒にクイズをやってみましょうか。 〇×クイズ形式で答えてみてくださいね。   Q1骨にも血管がある Q2赤ちゃんの方が大人よりも骨が多い Q3骨にも色々な形がある Q4男性と女性では骨の形が違う Q5骨の20−24%は水分でできている   どうでしたか? 正解は全てマルですが、全問正解しました?   なんでこの、どうでもいい骨クイズがバレエ解剖学につながるんでしょうか? 一つひとつを詳しく見てみましょう。 骨は生きている 骨は生きています。 化石みたいに、白い棒じゃなくって、中には血が通っています。 水分も入っています。  …

Continue Reading骨っていったい何なのか?