昨日、生徒と絶対にやりたくない職業、という話が出まして。
その時に彼女は「絶対に歯医者になりたくない!」って言ってました笑
口の中って汚いし、臭いし、腐った歯の根っことかあるし!!
その時、「トウシューズのくさい足を診る方が絶対マシだね」って言ったんだけど。
本当にその通りで。
私、ダンサーの足を診るの好きです。
だって、たっぷりヒントが詰まっているんだもの。
踊りの癖はもちろん、トウシューズが合っているか、どれだけレッスンしてるか?
何歳からポワントを履き始めたか?捻挫をどれくらい繰り返したか?
なーんて見えてくるんですよ。
筋肉の具合を見ると性格まで分かります笑
変な人ーーーーーーーーーーー!
さて今日のテーマは親指。
親指については結構な数の記事がありますのでサイト内を検索してみて下さい。
今日は親指とデミポワント、つまりルルベを考えていきます。
つま先を伸ばしたい!という声はよく聞くのよ。
トウシューズで立つために大事だからね。
だけどよくみんなが忘れてしまう部分、それはデミポワント。
デミ、半分、ポワント、ということでポワントに立つための途中経過だよね。
それがしっかりとできていないと、フルポワントに立つ強さは作られません。
- 少ない面積でしっかりとバランスをとる
- 重心を正しいところに移動させる
- ルルベに上がって、コントロールしながら降りてくるとか…
ポワントで踊るための練習をするのもデミポワント、つまりルルベの時。
が、そこをしっかりとできている人が少ないのも実はホント。
ルルベの高さを決める親指のMP関節可動域
しっかりとルルベするためには親指のMP関節という関節(ルルベで曲がるところ)の可動域が大事になります。
親指の・・・what?
可動域。
関節の動く幅ってことね。
私がバレエ学校で毎年している生徒の体診断の時に、親指の可動域も調べていました。
どこまで動くか?は本当に大事だし、ケガ予防のコツにもなるから。
ケガ予防の面だけでいったら、右と左の親指の動きの違いは大切になってきます。
よくいるんですよ、どっちかの親指だけ、すごく硬い子。
こういったバランスの悪さは足首の後ろ側の痛み、パンパンにはったふくらはぎとシンスプリンツ、
脛骨の疲労骨折などダンサーに見られやすいケガの原因の一つになっちゃったりします。
右と左のターンアウトの違い、とかデベロッペの高さ、とかを気にする人は多いのに、
親指の曲がり具合なんて誰もチェックしないよね。
かわいそうな親指…
目指せ90度の親指伸展
ダンサーの親指は出来れば、90度ちょっと超えるくらい曲がってほしい。
そうすると、デミポワントが安定してできるようになります。
もちろん、自分の力だけで90度曲げるのは大変ですが、写真の様に指で簡単に曲がるだけの柔軟性があるか?をチェックして下さい。
(教師のためのバレエ解剖学講座を受けた人達、これがパッシブな可動域ね)
どうして?は簡単に分かりますよね。
ルルベで立っている足をひっくり返したら、その形になるんだから。
甲がでないーとかつま先が伸びない―なんて言っていないで、ここが出来ていなかったら練習して下さい。
トウシューズではここまでのデミポワントを通過しません。
だってシューズが固すぎるもの。
だから必要ないですよ、ポワントシューズでのレッスンだったら。
だけど、フラットシューズ(バレエシューズ)で強いルルベの練習ができなかったら絶対にポワントで立てませんでしょ?
しかもDLSの昔の記事で、ポワントで立つ、というよりも立ちあがる、コントロールして降りてくる、という方が重要だ、ってお話もしたよね。
足首のコントロールのためにも、しっかりとルルベができていなければいけません。
どの関節もストレッチができる
ダンサーのストレッチというと、股関節だけ、もしくは股関節と腰を反るという動きを練習する「だけ」の人達が多いんだけど、
どの関節もストレッチ出来ますよ。
そして筋トレができます。
親指関節のストレッチは下の写真みたいにやります。
ルルベの形につま先をキープして正座するだけです。
どれだけお尻に体重をかけるか?がストレッチの強さを変えます。
痛みがないくらいで、あー伸びてるな、というところでキープします。
もちろんストレッチですから体が温まっているときにやる。
そしてレッスン直前はやらない、というのは知ってますよね。
その他のストレッチについてはストレッチのDOアンドDONTという記事で読んでね。
このストレッチをやってはいけない人
どの動きもそうですが、万人に当てはまるのではなく、必要な人「だけ」やる必要がありますよね。
極端な例だけど、がんの治療で放射線治療をする場合があるけど、健康な人はしないでしょ。
薬も一緒、エクササイズもストレッチも(=トレーナーや治療家が処方するもの)は一緒。
このストレッチをやってはいけない人
このような人達はピンクの文字をクリックすると情報ページに飛びますし、こちらのYouTubeビデオで足のケア方法をお話しているので、そっちをやってくださいね。
このストレッチが必要でない人
- 既に親指が90度以上簡単に曲がる人
その人はストレッチが必要なのではなく強化が必要になります。
このストレッチで十分気を付ける人
- 外反母趾の人
外反母趾の人は、曲げる「前」に親指が正しいところにあるかを確認して。
必要であればトウセパレーターを入れてやってください。
関節が正しい方向に伸ばされる必要があるっていうのを理解してね。
ストレッチとエクササイズはペアで!
親指が曲がる、というのは大事だけど、親指で地面を押す、というのができないと強い足先は育ちませんから、筋トレとストレッチはペアにして行ってくださいね。
- 親指エクササイズその1と2(立ち方本 P123、124)
- フットトラッキング(プリエ本 P127)
- 壁カフライズ(プリエ本 P115)
こちらのエクササイズで
- 親指で床を押す感覚や強さ
- 足首をまっすぐでルルベする感覚と意識づくり
- 正しくルルベする筋力
を身につけてください
この記事を読んでくれたバレエの先生が生徒に試してくれて、メールくれたのでご紹介。
昨夜、ブログをあちこち読んで今日試してみました。
親指ストレッチです。
ルルべクロスがいつも低くて、しっかり乗れなかった娘達が…あら不思議、すっごくキレイに立てました。 ありがとうございます。
正しい方向性の努力はすぐに結果がでるものなのよね。
Happy Dancing!