Let’s Talk Aboutおしり! 中臀筋と小臀筋

今日はおしりについてお話しようと思います。   大臀筋、中臀筋、小臀筋   名前が表すように、大きなおしりの筋肉、真中サイズのおしりの筋肉、そして小さいおしりの筋肉です。 一番皮膚に近い部分にあるのが大臀筋。 そして一番深いのが小殿筋。   よって、おしりの膨らんでいるところ(が脂肪でない場合…)が大臀筋で、 おしりに力を入れるとすぐに分かりますし、目で確認することも出来ます。   中臀筋はもう少し分かりづらく、小臀筋に関しては中臀筋の真下にあるのでこの2つを区別するのはとっても大変。 そしてダンサーに必要ありません。   3つしかないとしてもこれらの筋肉はとっても大事。 そしてちょっと複雑。   今日は中臀筋と小臀筋にスポットを当ててお話し していきましょう。   中臀筋 大臀筋に隠れているから、といって時々下のようなイラストを見かける事があります。 これは私たちダンサーにとってあまり良いイラストとは言えません。 というのは私たちが筋肉のイラストを見て勉強しているのは「イメージトレーニング」を使って体をより効果的に、そして安全に使うためですよね。   ですから、何度もお話に出している点と点原理を使って筋肉の動き、つまりステップを考える必要があります。   上で挙げたイラストではどこが点で、どこが点なのか分かりません。 これを見ながらどうやって体を感じよう?というのでしょう。   中臀筋は骨盤の骨(腸骨)から始まり大腿骨の出っ張りについています。…

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コアマッスルについて勉強しよう

腹横筋を勉強していて 「腹横筋はコアの一部」 という一文を読んだ途端、頭がこんがらがっちゃった人も多いかもしれないですよね。 実はコアマッスルは解剖学用語ではありませんし、筋肉の名前でもないんです。   コアマッスルと言って指すものは、その先生やエクササイズ指導によってかなり違うようですし、 バレエの先生の中ではコアと腹筋の違いをあまり考えず注意している人もいるみたい。   ただ、ピラティスなどのエクササイズですと、 コアマッスルは 腹横筋 骨盤底筋群(こつばんていきんぐん) 多裂筋(たれつきん) 横隔膜(おうかくまく) を指すようです。   横隔膜は皆さんもちろんご存じの、呼吸のための筋肉。 ただし、 横隔膜のトレーニングを教えてください 横隔膜が弱いから鍛えなさい 横隔膜が弱くてケガしました… というダンサーやバレエ教師に出会ったことがないため、「ダンサーのための」解剖学という目線からは、この筋肉についてお話しないでおきますね。   図左:多裂筋は背骨のすぐ隣にいる子 頚椎1番を除く、全ての背骨たちについています。 図右:骨盤底筋群は骨盤の底にある筋肉群 骨盤の底を覆っている筋肉たちです。   ダンサーとして知っておきたいこと ダンサーとしてコアマッスルについて知っておきたい事は、…

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効果の出る自主練の為の5つのポイント

*この記事は2014年に書かれたものを2020年にエクササイズの具体例などを取り入れてより分かりやすく編集しました。   昨日の貴方よりも上手になるためには練習が必要です。   ここでいう練習、それはバーレッスンを何度も何度も繰り返すのではなく、体を賢く使う、そしてコンディションするのだ、という事ですよね。 今日はどんな自主練でも使える5つのポイントをご紹介します。   踊りの目的、体に必要な事は人それぞれ違いますし、今の「体力」というのも違います。 でもどんなエクササイズをしていようが、効果の出る練習法、というのがあります。 よーく考えてみるとかなりシンプルなんですけどね。   忘れないようにどこか目につく所に貼っておいてください。 (スタジオに貼ってくれてもOK!) 練習法その1: 負荷をかける もし筋肉の強化が目的であれば、筋肉に負荷をかけなければいけません。 当たり前だよね。これをエクササイズ界ではオーバーロードの原則って言います。 詳しくはこっちの記事に書いてあるので今日は割愛。   負荷、といっても大きな重りをつけてプリエをする、とか腕にウエイトをつけてポーデブラをする、という訳ではないよ。 (それも出来るが、正しくできている人限定。だって間違ってやっていたら、間違った筋肉が強くなり、下手な癖がついてしまうからね!)   重力や、体の重さを上手く使ったり、エクササイズバンドやエクササイズボールを使ったりしてね、ってこと。   例) 何も持たないでやるエクササイズ→エクササイズバンドを追加 膝つきプランク→膝なしプランク 壁腕立て伏せ→普通腕立て     もし、リハーサルのために自主練をしているのであれば、役や振付、カツラやヘッドピースの重さ、小道具や衣装の重さを計算に入れて自主練を続けましょう。…

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ダンサーの種子骨障害:原因、予防&レッスン復帰

*このブログは2014年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   種子骨の疲労骨折があります。1昨年に左足、去年には両足の種子骨を疲労骨折してしまい、1年以上バレエを踊ることが出来ていません…   こんな悩みの声を聞いたので、今日はダンサーに見られる種子骨のケガについてお話していきます。 スタートする前に、DLSだけでなく世の中のネット情報というのは「情報」であり、あなたの体をみた「診断」ではありません。 よってこの記事も、ダンサーに自分のケガへの理解を増やしてもらったり、バレエの先生たちに予防策を考えてもらうためのものであり、診断とか医療アドバイスではございませんよ。 痛みがある場合はしっかりと診断してもらうようにしてくださいね。   種子骨って何? 種子骨(しゅしこつ・sesamoid)というのは骨の名前ではなく、骨の種類なんですよ。 なので種子骨っていくつかあります。   種子骨が特殊なのは、こいつら、腱の中に住んでいるの。 そう、腱の中!   一番有名なのは足の裏にある種子骨だと思うんだけど、膝のお皿である膝蓋骨も種子骨なんですね。 こいつはゴマサイズじゃないよね。   なんでゴマかって? Sesame=ゴマ sesamoid=ラテン語でゴマという意味のsesamumから来ているらしい(出典元)   私も知らなかったんだけど、この記事を書くためにリサーチしたら出てくる出てくる、ゴマ骨達! 膝蓋骨とか足だけじゃなく、手の親指中足骨にもあるらしいし、人によっては違う場所にもできるらしい(逆にない人もいるらしい)。   こちらの写真は元生徒の一人。 足の痛みでレントゲンをとって、剥離(疲労)骨折とか言われたらしいけど、種子骨だった(ので骨折ではなく痛みの原因はほかにあった)んだって。 人間の体の個人差ってやっぱりあるのよね。  …

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猫背を直せ! ダンサーが知っておきたい菱形筋について

*このブログは2014年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   バレエやってるのに姿勢が良くない…と悩んでいるそのの貴方、 今日の記事はそんな猫族の皆様のために書きました。   勉強、運転、パソコン、もちろんスマホ姿勢からも育ってしまう猫たち。 かといって、本やスマホを目の高さでホールドすると腕は疲れるし、第一見た目がヘンな人になりますからね(特に電車の中)。   猫背になる原因の1つは、この前勉強した僧帽筋、特に上部。 今日勉強していく筋肉は、菱形筋。 こいつも猫の友達です。 菱形筋はどこにあるか? 菱形筋(りょうけいきん・Rhomboids)というのは実は2匹いて、 大菱形筋(だいりょうけいきん・Rhomboid major)  小菱形筋(しょうりょうけいきん・Rhomboid minor) になります。   ダンサーだったら菱形筋という1グループを理解しておけば問題ないですよ。 どうせ隣同士だし。   大菱形筋の方は、第1胸椎から第4胸椎(T1-4)の棘突起(きょくとっき)から、肩甲骨の内側についています。 小菱形筋の方は、その上にある第6と第7頸椎(C6&7)の棘突起から、肩甲骨の内側、大菱形筋の上にくっついています。   *このサイトとか、英語の方のwikipedia、私の大好きな本でDLSの参考書でもあるAnatomy of Movementなど、英語で調べるとRhomboid Major =…

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バレエを続けるべきか否か。

  バレエを続けるべきか?それとも辞めて他の道を選ぶべきでしょうか?   この質問、バレエをやっている人ならば、何度も自問したことのあるものでしょうし、 バレエを教えている人ならば幾度となく聞いたことのある質問でしょう。   10年前の今日、私はメルボルンにバレエ留学に来ました。   オーストラリアの学期は、日本と少し違います。こちらの1年は1月下旬から始まり、12月に終わります。 1学期の一番最初から学校に来たかったので、高校の卒業式には出る事が出来ませんでした。 成人式はもちろん、日本の大学生活を送ったことも、社会人を経験したこともありません。 (もうちょっと詳しく私の留学経験を知りたい人はシリーズにしてあります)   留学当時は、それをバネに「ここまで頑張ってきたのだから!」と踊り続けていました。 犠牲にしたものが大きいぶん、頑張らなければいけない・・・   10年前の私と比べ海外生活は長くなったものの、肝心のダンサーという夢も叶えていないですが、私は今の仕事、生活が大好きです。   舞台では踊っていないものの、パフォーマンスを助ける仕事ですし、たくさんのダンサーのお手伝いを出来る仕事です。 そして色々な人にお会いできる仕事でもあります。     この10年間に様々な事を学びました。 バレエ留学さえすればダンサーになれるだろう、なんていう甘い考えはもうなくなりましたし、 職業としてのダンサーと、生徒が考えるダンサーとの違い、というのも分かりました。   バレエ学校で働いていると、留学生だけでなく、様々な生徒が入学、中退、そして卒業するのを見ていきます。 ダンサーとしてのキャリアを積んでいる人なんてひとつまみだ、という現実も何度も見てきました。   私たちスタッフがダンサーになれる!と思って見守ってきた生徒がいきなり踊りを辞める、という事もたくさんありますし、…

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背中の大きな筋肉 僧帽筋を勉強しよう

*このブログは2014年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   ブログのタイトルを見たらすぐに分かるだろうけど、今日の主役は僧帽筋です。 背中にあるかなり大きな筋肉。 なのにダンサーが「背筋を鍛えたい」「背中を強くしたい」と言う場合、この子の事は指していません。可哀そうに…   漢字を見るとお坊さんの帽子の筋肉、ってなっていますが、 お坊さんって帽子被ってたっけ?って思ったのは私だけではないはず。   実はお坊さんはお坊さんでも、昔のカトリック系の人がかぶっていた帽子に似ている形だからだそうです(出典元) 私たちの想像する、典型的な「日本のお坊さん」とはちょっと違いましたね。   僧帽筋はどこにあるか? 僧帽筋(そうぼうきん・Trapezius)は背中にある筋肉で一番皮膚に近いところにあります。 この子の下に、菱形筋(りょうけいきん・rhomboids)とか脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん・erector spinae)だとかバレエ解剖学が好きな人が知っているであろう筋肉たちが住んでいます。   僧帽筋は 頭蓋骨(ずがいこつ・skull) 頸椎と胸椎の棘突起(+項靱帯とかいう靱帯だけど、面倒くさいので無視) 肩甲骨の肩甲棘(けんこうきょく)や肩峰(けんぽう) 鎖骨(さこつ) にくっついています。 頭、背骨の半分以上、肩甲骨と鎖骨。 ね、大きいエリアをカバーする筋肉でしょ?   →頸椎、胸椎、棘突起…背骨の部位を勉強したい人はこちらからどうぞ。 →肩甲骨にトゲ?と思った人はこちらから肩甲骨のでっぱりを復習して。 僧帽筋の仕事は? 大きな筋肉のやっかいなところは、筋繊維の場所によってお仕事が変わること。…

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筋肉の勉強を始める前に

*このブログは2013年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   コアマッスルがどーの、とか体幹の筋肉を鍛えて、内転筋を強化… そういった筋肉一人ひとりの話をする前に、ダンサーが知っておきたい筋肉についての基本をお話していきましょう。   ちょっと面倒だし、必要ない気もする部分もあるけれど、バレエレッスンでステップ(パ)の名前を知っていると、そのステップに必要な動きの質が深く理解できるじゃない? アダージオは優雅に、とかフォンジュは溶けるとか。 そんな感じで、解剖学用語を知っておくと、筋肉への理解も深くなると思います。 参考書も読みやすくなるしね。   →筋肉の前に骨を知っておく →関節について復習しておく 筋肉は3種類ある 人間の体に筋肉が3つしかない、って言ってはないですよ。 大きく分けて3種類の筋肉があるって話。 骨格筋(こっかくきん・skeletal muscle) これが一般的に「筋肉」と考えられているやつ。 文字通り骨についていて、関節の動きを作る子たちね。   骨格筋は、自分の意思で動かすことが出来ます。 なんて当たり前な!と思うかもしれないけれど、この後出てくる残り2つの筋肉たちは、いっくら努力しても自分で動かすことが出来ません。   自分で動かすことができる、つまり思ったように動く時に使われる骨格筋の事を随意筋(ずいいきん・voluntary muscle)とも言います。 心筋(しんきん・Cardiac muscle) 文字通り、心臓の筋肉です。 そう、心臓は筋肉なんですね!そして、心臓は自分の意思で動かすことは出来ません…よね?  …

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常に前向きで!側弯症インタビューwith池田光希

脊柱側弯症シリーズの締めくくりは、このシリーズ中モデルを引き受けてくれたミーコ、ことみきさんのインタビューです。 側弯症、という壁を乗り越えて海外留学した彼女の生活を垣間見る事が出来ると思います。 ちょっと長いですが楽しんでくださいね。     自己紹介とバレエ歴を教えてください。 池田光希(21)、7歳からバレエを習い始め、現在オーストラリアのメルボルンにあるAustralian Conservatoire of Balletというバレエ学校に約2年間留学しています。   いつ側弯症だと知りましたか? 私の側弯症が判明したのは中学1年生の時でした。 最初に病院で検査をしたときには54度も私の背骨は曲がっていて、これからも進行していくであろうと言われたので、少しでも進行を抑えるため約5年間毎日コルセットを身に着け生活していました。 (踊る時と学校の体育の授業以外は、寝る時もずっとコルセットを付けていました) 、   手術をする、という案も出ていたのですよね?どんな手術を提案されましたか?またダンサーとしての影響はどんなものなのでしょうか? 私の担当のドクターが提案したのは、背骨のうちのいくつかの骨(ひどく側弯が表れている部分)を金属のネジのようなもので固定してしまうというものでした。 しかし、この手術をすると、その固定された部分の背骨は全く屈折できなくなるので、バレエを踊り続けるというのはとても難しいと思います。 オーストラリアに来て、定期的なマッサージやエクササイズを始めてからは、今までは酷くなる、と言われていた側弯も、21歳にして54度から47度まで良くなりました。   改善がレントゲンで見られるようになってからの日本のお医者さんの反応や、ご両親の反応も教えてくれますか? 改善がレントゲンで見られるようになってからのお医者さんの反応はというと、 「レントゲンを見る限りそこまで大きな違いはありませんね。角度はよくなっていますがこれからはまた進行していくかもしれません。」 などというネガティブな言葉でした。   私が思うにお医者さんは早く手術をして診察を終えたかったのかも? でも実際にレントゲンを見ても実際の体を見ても、自分の感じ方も、よくなったのは分かりました。 なのでまだよくなるかも、踊り続けられるかもしれないという希望を持って手術はしませんでした。…

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心という筋肉を鍛える

  オーストラリアの一年は1月の終わり、または2月の最初に始まって12月に終わります。 そのため、今現在(12月上旬)は本当にラストスパートの時です。   最近、2人の生徒がバレエ学校をやめました。 あと少しで終わり。卒業証書がもらえたのに。   毎年たくさんの生徒がやめていきます。 「毎日踊るのは大変すぎた」 「踊るのは好きだけれど、仕事には出来ない」 「怪我が続き諦めた」 「ダンスを甘く見ていた!」   理由はたくさんありますが、 この時期に辞める生徒の場合、原因は大体メンタル面にあると思います。 燃え尽きた、とでも言いましょうか?   今まで頑張って、頑張って。 ストレッチを続け、痛みに耐え、体のケアをして、全ての注意を書き出して。 痩せなさい。足の形が悪い。腕が短い。 体の事もズバズバ言われる世界に居る故に、このような事を尊敬する先生から毎日言われるのです。   自分を限界までプッシュし続けて、昨日よりも良い物を作り続ける、というのは大人でも難しいことです。 けれど、これがアーティスト、芸術家の生活。   ある日、これが限界に達するとどうなるか? スランプ。なげやり。モチベーションを失い、バレエなんかもういいや!となっていきます。 摂食障害や鬱、パニックアタックなど、深刻な問題に続くこともありますし、 体の痛みも精神的な物から来ることがたくさんあるのも事実。  …

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