ピルエットを分析してみました

    題名、そのまま、今日はピルエットを分析します。   分析した後はご自分の好きなようにレッスンで使うなり、 トリビアみたいに自慢したり、自主練でこっそり試してみたりしてください。     ピルエット。 この言葉を小さい子達にすると喜びます! やっとお姉さんたちみたいにレッスンできるのね!くるくる回って楽しいなっ!   この言葉を中高生にするとふーんとなります。 またか。子供じゃないし、はしゃいでも恥ずかしいだけ! その癖してピルエット3回転できないとずーんと凹みます。 3回転できないっっ!バレエは向いていないのねっっ! …ドラマチックなお年頃。   この言葉を大人バレエトレーニーさん(DLSでは大人でバレエレッスンを受けている方々をトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます)にするとびくびくするのが見えます。 嬉しいけれど、怖い! 回転って怖い! 転ぶのも、恥かくのも怖い! なのでどっちの脚をルティレに上げるのか分からなくなってパニック!   そんなピルエットを分析してみましょう。   回転族は読まなくてOK! ピルエットを含めた回転系のテクニックでは、なんだかどうしてだか分からないけれどよく回れる子、というのが存在します。   アライメントも変だし、腕のタイミングも変だけど、…

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ボディコンディショニングプランの作り方:バリエーション編

  今日は前回の続きで、ボディコンディショニングプランの作り方を実際に見ていきましょう。 ダンサーの卵ちゃんからの質問です。   ボディコンディショニングってなんだっけ? って思った方はこの記事と一緒に読んでみてください。     彼女の質問は、   眠りの1幕のソロを発表会でやることになったんだけれど、 トリプルのピルエットが上手くいくときといかない時がある・・・   という事でした。 なので今日はこの1幕のソロを分析してみましょう。     まず最初にソロの紹介。     まぁ素敵! 私も彼女みたいになりたいから、毎日100回バリエーションを繰り返します!!   なーんて事したら意味ないですよ。   意味ないどころか、悪い癖がどんどん身につくし、 同じ方向ばっかり練習するから体のバランスは悪くなる。   トウシューズは早くつぶれちゃってお金はかかるし、 何よりもそのうち、バリエーションの音楽を聴くだけで嫌気がします・・・…

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ボディコンディショニングプランの作り方 ベース作り

    ボディコンディショニングって、とっても大事なんですよーという話は、 既にこの記事でしてあります。   大事なのはわかったけれど、何からやればいいのやらさっぱりです。 周りにバレエを知っているトレーナーさんがいません。 一人だけど何をしたらいいの?   なんて思っている人いませんか?   ほかには 腹筋も背筋も毎日やっているけれど、それでも効果が出ない。 だとか インターネットで調べたエクササイズ、プロのダンサーがやってます、って言ってたけど私にあってるのかな? だとかって声もありますよね。   そんな声にお応えするために、今日から何回かに分けて 私流のエクササイズプランの作り方の説明をしていこうと思います。   (音声で聞きたい人は一番下へ。ポッドキャスト・YouTubeで再生できます。)   プランをつくる前に、まずは目標を決める 目標がないと成長が見えません。 目的地が決まっていなかったら最新のカーナビを持っていても意味がない。   目標(バリエーション、発表会など)を分析し、 それに合わせて何の練習をしていけばいいか考える力はとっても重要です。   難しいパを知ることで、ボディコンディショニングでその弱点を強化できるし、…

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違う結果が欲しかったら、違う事を試さなきゃ!

*このブログは2014年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   The definition of insanity is doing the same thing over and over and expecting a different result この言葉、アインシュタインが言ったという事で有名ですが、実際は1981年の本だとか、1983年の本だとか言われています。   誰が言ったか?は別として直訳すると 「狂気」という言葉の意味は、同じ事をずっと繰り返しながら違う結果を求める事だ。 となります。   その言葉にインスピレーションを受けて、私がダンサー達、そしてバレエ教師の皆さんに伝えたいのが、「違う結果が欲しかったら、違う事を試さなきゃ」ってこと。   そりゃそーだろ、とツッコミを入れる前にスタジオ内を見回してみて。 同じことをずっと繰り返していて、結果が出ないって嘆いている人達の多いこと! ケース1:アレグロでつま先が伸びない…

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チャレンジ上等!プランク上級者編

  ここ最近何度かに分けてバレエダンサーの為のプランク、というトピックを見ています。 今日のが一応最終回、という事になっています・・・   元々は「体幹の強さって?」というところ、 そしてダンサーに合った「体幹強化のエクササイズ」という事をお話ししていたんですよね。   この、体幹シリーズが続いている理由は、体幹の話を始めて以来 細々と、でも確実に笑みなさんからのメールが届いているからです。   足をけがしている人からだったり、 生徒さんの中でプランクをしても「つらくないよーん」っていう子がいたり、     体幹が強くないから引き上げが出来ない・・・と思う・・・けど本当? なんて声だったり。 、   なので細々と、でも確実に笑 書き続けています。 だから最終回と言っても、また質問が来たら書き続けていこうと思ってるところ。   何度も言うようですが、皆さんからのメッセージやメールに励まされて毎日更新しています。 どうもありがとうございます!   DLSのミッションとなっているのは 「健康なダンス生活をサポートする」 ということ。   そしてその「健康」だけれど、 身体的なものだけでなく、精神的な強さ。…

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二重関節っていったい何?

二重関節という言葉はバレエを含め、体の柔軟性が必要なスポーツを行う人たちなら知っているでしょう。 今日はその言葉について、お話ししようと思います。   まず最初に。 二重関節、という言葉は解剖学用語でも、医学用語でもないそうです。   私は解剖学を英語で勉強したので二重関節とはdouble jointed となりますが、これも医学用語ではありません。 つまり解剖学的に、医学的に見た時に二重関節の人間とは存在しません。   ですから、「彼女は二重関節だから脚があがるんだ。わたしは無理」というのはお門違いもいいところです。 そんな事を言っている暇があるのなら、ストレッチに励みましょう。   ではいったい全体、二重関節ってなんなのさ?   という事ですよね。   二重関節というのは関節過度可動性という症状の事です。 そう、症状なの。   もともと生まれ持って体の柔らかい人っていうのは存在します。 また、年齢によって体の可動域=柔軟性も変わります。   赤ちゃんの体が柔らかくってお年寄りの体が固い、というのは簡単に理解できるでしょう? 妊娠中の女性もホルモンの関係上体が柔らかくなりますしね。   では「体の柔らかい人」と「関節過度可動性」の人の違いは何でしょう?   関節過度可動性は、遺伝であることが多いです。 なぜならこの可動域を決めるもの、それは靭帯だったり、骨の形だったりするからです。…

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いまさら聞けないプリエと前脛骨筋

*このブログは2014年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   今日は題名通り、バレエを初めて1-2か月以上経っている人であれば(多分)今さら聞けないプリエについてお話していきましょう。   プリエを知らないバレエ教師はいませんね。 プリエの意味知らないバレエ教師がいたらどうしましょうか。 うーん、可哀そうだからそうっとしておいてあげてくださいませ(そして新しいスタジオを探したらいいかも…)   バレエのステップ(パ)の意味を知ることは解剖学的にも、視覚的にも、感覚的にも素敵な事です。 なぜか?   それはステップに求められる動きをイメージしやすくしてくれたり、 舞台上でどのように動くと、視覚的に「正しく」見えるか?を教えてくれたり、 解剖学的にどこを使う(もしくは使わない)とその形になりやすいのか?のヒントをくれたりするから。   ということで、プリエについて一緒に復習していきましょう。 プリエという言葉の意味と種類 プリエ(plié)の意味は「曲げる(to bend)」「折りたたむ」だそうです。 「押し込む」でも「下がる」でもなく「曲げる」。   体の中で曲がる部分は関節なので、どこが曲がり、どこが曲がらないか?を理解するのがカギらしい  スピードについての記載はないので、早くてもゆっくりでもできるっぽい 大きさについての記載はグランプリエの場合があるので、サイズは大事になってくるらしい ほらね、言葉だけでかなりヒントが出てきますよね。   ちなみに私の中での理解では、オン フォンジュ(en fondu)=片足プリエなので、プリエと言った場合は 両足を使う 両足に均等に体重がかかる…

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思春期のダンサーとケガ:研究結果と私たちが学ぶべきこと。

  今日の記事は先日オーストラリアの新聞に載っていた記事を読んで考えたものです。 かなり辛口になってしまいました… まずは記事を日本語訳してみましょう。   バレエはフットボールよりもタフだ! *ここでのフットボールはオーストラリアンルールのフットボールです。 ラグビーみたいなコンタクト競技です。選手は記事の写真みたいにマッチョ、筋肉ムキムキです。 バレエは思春期の子供にとって他のマッチョなスポーツよりも危険だ。 Sports Medicine Australia(スポーツ医学研究所)の研究によると、 若いダンサーは他のスポーツ選手に比べてケガのリスクが高く、75パーセントのチャンスでケガをすると分かった。 厳しいトレーニングの量と成長期、これらが若いバレエダンサーのひどい、 時にはキャリアを辞めざる得ないケガに繋がる、とMonash大学の研究家Christina Ekegrenは話します。 「過去の研究ではダンス、特にバレエは若い子供たちにとって、身体的に過酷な運動の一つだと分かっています。殆どのダンサーは1週間に6日のレッスンを行っています。」 という記事。 ここから学べることは何か?というのをダンサー、ダンサーを持つ両親、そしてダンス教師の目線から見ていきましょう。   ダンサーが学ぶべきこと それは、バレエはただの遊びではないということ。 ごめんね、夢を壊すような事を言って。   このサイトを読んでくださっている子達は、プロを目指している、そしてある程度年齢がいっている、と思っています。 5歳が勝手にインターネットサーチをしないと思っているので。   プロのダンサーになりたい! というのは素敵な事。 そしてDLSではその為のサポートをたくさんしているつもりです。…

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バレエ留学のメリットVSデメリット コインの両側を知っておこう

  バレエ留学の前に自分に問いたい5つの事。 という記事は思ったよりも好評で、正直驚きました。 特に、「こういう声をかけてほしかった」というもの。   留学すればプロのダンサーになれる!将来が安定する!という考えが浸透している最近。 私も一応留学して「成功」しているカテゴリーに入るらしいですから考え物です。 (踊っていないのに!)   あと、海外ならば、バレエ環境が整っている、というのも「?」です。 愛さんは海外だから・・・というものとかね。   私のような仕事は海外のバレエ界でも浸透していません。 ゼロではないですが、日本よりもちょっとだけ進んでいる、くらい。   ケガをしてバレエを辞めてから7年間ずっと予防の大切さを話し続けてきましたが、 私のいたバレエ学校で根付くまで2-3年かかりましたし、 そして体を強化しようというアイデアも本当につい最近からです。   頑固に自分の正しいと思っている事を地道に伝え続けたから、やっとこうなりました。   大人の海外転勤でさえ、大きな決断ですもの、 子供のバレエ留学はとっても大きな決断。   今日は前回ちらっとお話ししたように、 バレエ留学のメリットとデメリットを私なりに解釈したものを紹介します。 ご存知の方も多いと思いますが、DLS初の方の為に。   バレエ留学の実情 私、佐藤愛は2004年にバレエ留学の為、オーストラリアに来ました。…

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