バレエシラバスって何?

以前バレエママさんから、 「どのシラバスを勉強させるのが一番いいでしょう?」 と質問をいただきました。   DLSで何度か登場した言葉、「シラバス」、複数形だと「シラバイ」らしいです・・・なんか変。   答える前にまずは簡単にバレエのシラバスについてお話しましょう。 シラバスって何? シラバス、とは教育法、授業計画、などという意味で、バレエ界ではメソッド、なんかと言われることもあります。   ワガノワ、RAD、チェケッティなどは有名どころだけれどシラバスって誰でも作れます笑   学校によって授業計画が違うのと一緒で、国際的なルールはありません。 K-バレエスクールでは熊川さんが作ったシラバスを教えている、とウエブサイトには書いてあります。 だからシラバスを勉強したから、といって国際的に認められるわけではありません。   シラバスには試験がついてくることが殆どです。 ただ、先ほど書いたみたいに授業計画が国際的に一致しているわけではないので、ワガノワのレベル2、RADのレベル2、そしてACBのレベル2はまったくもって違います。 また、Distinctionと呼ばれる、トップマークもシラバス、そして試験管によって違います。   もちろん、試験するときに「何を見ているのか?」というのはそれぞれ決まっていますし、 どれだけ厳しい点をつけるのか、何が基準なのか?というのもある程度決まっています。   が。   芸術をマークする、のですからね。 全て一致、というわけにはいかないのが現状です。   ちなみにACBの場合5-10%しかDistinctionがもらえないのに対し、RADでは80%がトップマークだそうです。 (バレエ学校経営者でRADとACB両方試験を行っている先生からの情報)…

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肋骨を閉める!ってどういうこと?

*このブログは2014年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   レッスン場でよく聞かれる注意。 「肋骨を閉めて!!」   でも肋骨って開かないでしょ? どうやって肋骨閉めるの? 肋骨、開いた覚えはないぞ?   そう思ったあなた、今日の記事はあなたへ向けて書いております! 肋骨が開くことはあるのか? まずは肋骨のおさらいをささっと行いますが、詳しい事はこっちで書いているのでまだ読んでいない人&記憶が薄い人は戻って勉強してきてください。 (あと、肋骨を閉めれば痩せると思っている人も、そっちの記事で体の構造を理解してきてください…はぁ。)   肋骨はかごみたいな形をした骨です。 後ろ側は背骨、胸椎の部分に付着していて、前側は胸骨に付着しています。全部じゃないけどね。 胸骨と肋骨がぶつかる部分、つまり肋軟骨が脱臼しない限り、肋骨自体がガバ!と開くわけではございません。 ご安心くださいませ。 ただ肋骨の下の方(仮肋)は胸骨についていないし、呼吸ができるよう、横に開くように出来ているため、 肋骨の下側が前に押し出されたとき、 肋骨の開くように出来ている部分が前に出っ張るので 視覚的に肋骨が開いているように見える … 文章で書いて伝わった? つまり、肋骨を閉めろと注意された場合、肋骨のプレースメントが間違ってるってことなんだね。 肋骨が開いて見えてしまう原因と背骨のカーブ 背骨のカーブをお話したときに話しましたが、胸椎にもカーブがあります。 胸椎の後弯(背中の方に出っ張っている彎曲)が、肋骨の場所を作ってくれてる、という見方もできますよね。 と言うことは、肋骨を正しいプレースメントに置くためには、胸椎のカーブを正しい位置で保たなければいけません。 これが大前提。…

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バレエコンクールの善し悪し あなたのゴールは何ですか?

(音声で聞きたい人は一番下へ。ポッドキャスト・Youtubeで再生できます。)   先週末、メルボルン最大級のバレエコンクールファイナルが終わりました。   ballet teacher's workshopと呼ばれるこのコンクールは、 小さい子から一番上のメープルプライズ、と呼ばれる子達までカバーする大きなコンクールです。   この一番上のレベルの子達ではじめてバリエーションを踊ることができます。   そう 15歳以上で。   そのほかのレベルでは先生が振り付けした創作クラシックを踊ります。 12歳以下のレベルではトウシューズは禁止されています。   コンクールに出ることはいいことです。   舞台度胸もつくし、コンクール自体ではなく、ゴールを持って練習すること。 同じ年齢層の子達に感化されること。 自主練に責任を持ち、レッスンで習ったことのないステップも勉強。 踊りの心や観客に伝える、と言うことも勉強しますね。   発表会を毎年行うことができないような小さなスタジオの場合、とってもいい舞台経験になります。   ただ、メルボルンで大きなコンクール、 といっても世界レベルで見ればあまり意味がないコンクールです。   意味があるのは世界的に本当に大きなものだけでしょう。…

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あなたの脚が上がらない理由は?柔軟性を深く見る

  「1年生の柔軟性、特にデベロッペでもっと高く上げて、その高さでキープできるように!」 校長先生からの指令が来ました。     ダンサーのボディコンディショニングを仕事としてる私にとって、 こんなリクエストは日常ですが 皆さんだったらどんなクラスを行いますか?     柔軟性!!デベロッペで脚を上げるために床でいっぱいストレッチ キープ力!!脚と体幹を支えるための筋トレ, キープし続ける忍耐力。精神統一で集中力アップ! ,立っているのは軸足。よって片足で体重を支える訓練       うーん、うーん。 全部必要だよね? どれが一番大切だろう・・・?     もしこのように考えられるようになっていたらDLSにはまって来た証拠です。 私の世界へようこそ! 何度も何度も書いているように、     柔軟性だけでは脚を高く上げられません。 , が。…

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バレエのジャンプを3つのカテゴリーで考えてみよう!

みなさんこんにちは。 今日もDLSに遊びに来てくださってどうもありがとうございます。   先日のピルエットの分析の後、 読者の方から「ジャンプの分析もお願いします!」 とリクエストを頂きました。 なのでジャンプをテーマにお話していきましょう!   クラシックバレエには様々な種類のジャンプがありますから、 ジャンプの分析!とひと括りにできない・・・という壁があります。   なのでまずは初心に戻って、どんなジャンプがあったっけ? と言うことから見ていきましょう。   バレエのステップでジャンプ、というと思いつくのは何でしょう?   シャンジェマン? グラン・パドシャ? ジュッテ・アントルラッセ? カブリオール? たくさん出てきますよね。   レッスンの中では プチ・アレグロ ミディアム・アレグロ そしてグラン・アレグロ と分かれています。   でもこの言葉たちは「ステップ分析」にはあまり役に立ちません。  …

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眠りの3幕はどうなんだ?バリエーション分析

  という質問をフェイスブックから頂きました! いぇーい、初フェイスブックリクエスト!! という事で、今日は早速リクエストにお答えして。   眠りの3幕を分析していきましょう。   何を言っているのだか全く意味が分からんぞ? という方のために。   ボディコンディショニングはテクニック上達にとても大事です ボディコンディショニングについて知っておきたいこと という記事で勉強し、   だけどいったい何からやったらいいのかな? というときのために ボディコンディショニングプランの作り方 ベースづくり とベースとなる3つの質問を考えてみました。   3つの質問に答えた後での「ゴール」の分析。 バリエーションを踊ることをゴールとして、眠りの1幕を例にとって研究してみました。 (この記事)   んでもって、文頭の質問に戻るってわけ。 3幕はどーなの?   もし1幕と3幕、どっちがいいかなーと思っている人がいたら。 私は3幕を選びます。   なぜなら、私はスタミナがないからっ!…

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保存版 片足プリエを強化するレッスン&エクササイズ

*このブログは2014年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   今日は「片足プリエを強化するにはどうしたらいいですか?」という質問にお答えしていきましょう。 ”強化”がテーマなのでエクササイズというかレッスンで出来ることをメインに説明していきますね。   プリエの大切さはバレエをやっている人ならば知ってると思うのね(特に指導者)。 とても大事だから1冊の本にしてあります(「プリエ使えてますか?」)。   プリエももちろん大事だけれど、片足プリエだって大事です。 ここは私の勝手なこだわりなんだけど、 プリエ=両足で行う動き オン・フォンジュ=片足プリエ バットマン・フォンジュ=バーのアンシェヌマンの1つ、軸足プリエ、動足クドゥピエから足を前、横、後ろの方向に出すこと だと私は指導されてきたのでここから先は片足プリエの事をオン・フォンジュと呼んでいきますね。   そんな事気にしなくてもいいじゃんって思うけど、留学時代にレッスンで使われている言葉と、日本のスタジオで使われていた言葉が違くて困るという体験をしているので。 ザンレール セゴン とかは日本特有の言い方(和製英語?でも英語じゃないよねこれ)で、海外では使われません。 (イタツキとかも日本だけだけど、これはステップの名前ではないので割愛)   シソンヌっていうのがシソンヌ・フェルメ「だけ」だと思っていると センターでシソンヌ・シンプルと言われた時にあー、バッチュを入れないからシンプルなのねなんて思っちゃって恥をかきます。 (ラッキーな事にこの間違いは私ではなかったけど、バレエ学校のスタッフの一人にどうして日本人はシソンヌ・シンプルが出来ないの?と聞かれて、あの子たち知らないんじゃないのってハッとした)   特に私が動画で見たことがある海外のバレエ学校&カンパニーでは、特にセンターで先生が動きを見せる事はほぼなく、 先生が口頭で振付を説明し、方向やポーデブラのタイミングだけをマーキングでちらっと見せた後に音楽が始まるケースが殆どなので、 留学を考えていたら正しい(もしくは一般的に使われる)バレエステップの名前を知っておくのは大切だと思います。 どうして片足プリエを強化する必要があるのか? 白状しますね。…

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