筋膜ってなんだ? 

筋膜。 言葉は何度かこのブログにも出てきましたね。 一番よく紹介されているのは 「筋肉の勉強を始める前にシリーズ 第一弾」。 この記事から引用してみましょうか。   筋膜というのも、ダンサーにとって大事な一部です。これは特にストレッチをするときやセルフマッサージをするときなどに知っておくと便利。 筋膜、又は結合組織、と呼ばれるものは筋肉のストッキング、だと思ってください。脱いだ後に脚の形になっているでしょう? あれが筋膜。   筋肉を形通り覆っている丈夫な組織です。   なんでストレッチをするときに筋膜を知っていると便利か? 筋膜は弾性繊維とコラーゲン繊維でできているのです。 なんだそれ?   分からなくても大丈夫。 コラーゲン繊維はゼラチン状のもので、温めると液体状になります。 そしてそれが滑らかな筋肉の動きを助けてくれるのです。   という事でした。 ダンサーならば、それくらい知っていれば大丈夫です。 また、固くなりやすい筋膜をほぐす方法を知っていたら上出来です!   今日はもう少し深く知りたい人へ、筋膜の仕事を考えていきましょう。 筋膜はただのストッキングではありません。 ただ、履いていればオシャレ。 なだけではなく、 着圧、骨盤ガードル付き、矯正下着系のストッキングのようなものです。   色んな仕事をしてくれますから、ちょこっと知っていると便利です。…

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ダンサーの捻挫 テープ?サポーター?それとも・・・

この前、サッカー選手が治療に来ました。 彼曰く。   「何度も捻挫したから靭帯がほとんど残っていないんだ」 「だからいつもテーピングしているんだ」   と誇らしげにテープ負けした酷い皮膚を見せてくれました。   自慢するところなのかっ!?   ま、コンタクトスポーツであるサッカーでは、 自分の力ではコントロールできない分野でのけがが多くあります。 タックルされたり、足をかけられたり。   そのときのダメージを良くしておくんですって。 テーピングをすると。   踊っていて起こる捻挫にも外部からの力の場合と、自分のせいで起こる捻挫があります。   が。 圧倒的に、後者、つまり「自分のせいで起こる捻挫」が多いです。   どれくらい多いか?というと 私がここ5、6年ダンサーを治療してきた上で、 リフトで失敗して酷く捻挫したケースは一度しか見ていません。   「あれ?思ったより床が近かった!」 ぐきっ!   それ以外はジャンプの着地で失敗。…

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ちびっこダンサーのボディコンディショニング!? 

    ちびっ子ダンサーを教える先生から質問がありました。   「幼い年齢の子達はどんなコンディショニングをしたらいいでしょうか?」   これってちびっ子の多い生徒を教えている先生方は頭を悩ませるところですよね。 今日はこの部分を考えていきましょう。   どの年齢から腹筋を!? という事は生徒の個人差がありますから言えませんが、 大体の流れとして・・・という事はお話できます。     この記事は、私の考え、そして私のボスである校長先生(この記事参照)の 教育論を使って書いています。 どの角度から見るか?によって多分色々な意見があるでしょうが。       私の考えからすると特定なリハビリ、コンディショニングを考慮したほうが良い子達は、 12、3歳以上だと思っています。 これは年齢的に、体の小さな動きを理解し、考えることが出来る、という事のほかに、 体が成長期に入り、様々な壁が生まれる頃だからです。   成長痛に代表されるように、体の痛み。 一時的な柔軟性の低下。 体のコーディネーション力の低下(急激な身長の伸びにより、重心が変わるから) などの上に、 筋力低下が出てくるのもこの時期。…

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引き上げと脊柱起立筋

  今週の初めに広背筋についてお話しました。 覚えていますか?   今日はそのお友達、脊柱起立筋についてお話したいと思います。   脊柱起立筋、って聞いたことありますか? 「背筋」は?   解剖学を英語、日本語両方で教えていると、その国によって面白い言い回しがあることに気がつきます。   例えば、英語の場合、coreだとかabdsだとか皆言うけれど、本当にその意味が分かっている人が少ない。 core=コアマッスルのことですが、ジムとかスポーツ界で「これさえ鍛えれば大丈夫!」的な扱いをされています。 んでもって、core=腹筋上等!みたいなエクササイズがされています。     日本語でおもしろいものは、「そっきん」と言うヤツです。 腹筋、背筋、そっきんを鍛える! っていうやつ。 そっきん!? 側近。 即金!?   側筋、っていうやつらしいですが、そんなもの解剖学の参考書には存在しません。 私の日本のバレエの先生も言っていたなー 「愛、そっきん鍛えなきゃダメよ!」   どこだか良く分からないけれど、大先生に質問できませんからね。 (先生に問答しちゃった若気の至りを披露してくれた、素敵なFBフォロアーさんがいましたが) そっかーなんて思っていたのを覚えています。…

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関節に乗っからない!?骨から動く!?バレエ注意の考え方

言葉の難しさ。 これってどの世界でもいえることですが、 特にバレエのような動きを言葉で伝え、教えてきた芸術では大きな混乱を招きますね。   いまさら聞けない 「ひきあげってなんなのさ」 (体には200以上の骨と600個以上の筋肉があるけれど、いったい何のこと!?)   だとか、 「筋肉を固めないで使う」 (筋肉を収縮すると固まるでしょう!?) だとか。   「脚の裏側からデベロッペ デヴァンしなさい」 (脚の裏側にある筋肉たちの主なお仕事は脚をエクステンションすること。つまり後ろに上げること・・・)   「腹筋を使って足をキープ」 (腹筋軍は股関節を超えないから、大腿骨に付着していない・・・)   なんていうのもそうです。 なまじ解剖学を知ってしまうともっと混乱することが出てきます。   引き上げ。 筋肉を固めないで使う。 お腹を使って脚を上げる?   これらについてはもう既に説明しました。 (引き上げについては筋肉の引き上げ、エネルギーの引き上げ、 骨の引き上げと関節の引き上げをお話しなければいけませんねー。)  …

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ジェスチャーレッグと軸足の違い。

    ポワントボールの記事で、ジェスチャーレッグと軸足について少し触れましたが、 今日はそれをもう少し掘り下げていこうと思います。   これはただ今怪我をしている日本人留学生のMちゃん向けです笑   フィッシュ、という足の形を知っていますか? 逆かまあし、と言われることもありますね。 かま足は? アライメントの面だけで考えたとき、 第二中足骨は膝蓋骨と同じ方向を向き、 足首の真ん中を通っている。   というのが解剖学的な考え方です。 もちろん、足の形とかによって変わってきますが、基本となるライン、という事で。   ここで出てくる質問。 でもプロ達のつま先はそうなってないじゃない!   写真を例に見てみましょう。   上げている足のつま先ったら、完全に違う方向をむいているじゃない!!   そうなんですよね。 これがジェスチャーレッグと、軸足の違いです。   ジェスチャーレッグ、つまり動かして「魅せる」足先ではある程度の「遊び」のエリアがあります。 これはラインをより美しく見せるため。 そしてよりターンアウトしたように見える錯覚のためです。…

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バレエシラバスって何?教師用

かなり前の事になりますが、バレエシラバスって何?という記事を書きました。 今日のバージョンは教える人用。 将来バレエを教えたいな、と思っている人や、今スタジオでアシスタントをすることがある人も是非読んで下さい。 復習:シラバスとは? バレエシラバスというのは教育法。 だけれど国際的に認められるわけでもないし、プロを約束してくれるものでもないから気をつけよう。 って事をお話しましたね。   バレエを教える場合、そのときシラバスはよくもあり、悪くもあるもの。 メリット、デメリットはたくさんありますし、シラバスによって違うと思うので一概には言えませんが。 今日はそこから2つの例を取り上げて見ましょう。 発表会の配役 これに頭を悩ませる先生は多いのではないでしょうか? A子ちゃんは頑張っているから挑戦できる振付を上げたいけれど、 同じクラスのB子ちゃんは最近休みがち・・・なんだけれど彼女は小さいときからスタジオにいるし、何よりもお母さんがうるさいっ!   バレエ学校ではこのような問題は殆どありません。 というのは中間試験、年末試験で点数、ではないですけれど結果が出るからです。 また、新年が始まるときにご両親の方々に釘を刺してあります笑   「この学校を選んだ限り、学校の方針に従ってください。私達は教育のプロです。」 と。 まーシロウトならば文句を言わずについて来いって感じですかね。 また嫌いだったら辞めなさい、というところもありますが。   シラバスを適用し、試験を行うと、第三者の先生から試験結果が届きます。 よってある意味突き放した、当日の実力、という事で。   ですから信用できるシラバスで、信用できる試験管が来る場合、配役もその試験結果にそって行うことが出来ます。  …

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ポワントボールに対する個人的考え。

*2014年の記事を読みやすいように+新しい記事のリンクをつけて編集しました。 考えとしては2014年から全く変わっていません。   最近YouTubeでも宣伝が入るようになったポワントボール。 これに対して、そしてこれに似た質問をよくされるのでここで一気に答えてしまいます。 私、佐藤愛の個人的な考えですからね。 まずは記事を読んでみて、そして自分なりに答えを出してみてください。 まず最初に:知識があれば何でもできる どんなエクササイズでもそうですが、しっかりやれば効果が絶大。ちゃんとやらなければただの動き。 正しい知識がある人が、正しく体を見てくれる人がいる必要があります。 自分の癖って自分では分からないから、それを指摘してくれる人がまずは必要ってことね。   自分で何をやっているのか? 何が目的なのか? どうしてこのエクササイズなのか? どうしてこれが目標達成になるのか?   という部分が分かっているダンサーであれば何でもできると思います。   逆にいうと、ストレッチもエクササイズも、上にのせた質問4つにしっかりと答えることが出来なければやらない方がいいかもしれません。 癖があるままでエクササイズをする=間違った癖をどんどん強くする ということだというのは頭に入れておきましょう。 指先への意識を向けることにはなるかも ポワントボールのように足先でものを掴む、という動きは足先に意識を向けることが出来ます。   レッスンのときに他の動きを考えるのに夢中でつま先まで意識が出来ない。 という人はとても効果があるのではないでしょうか?   ですが。 レッスンのときにつま先まで意識が出来ない…

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留学したいダンサーへのアドバイス:練習量を考えよう

先日、日本から3ヶ月間だけ留学しにきている、という女の子の治療をしていました。 ケガの原因はいきなり練習量が増えたこと、と正しいテクニックが身についていないこと。   話を聞いたら、日本では毎日踊っていたけれど1時間程度のクラスだった、という事。 そしていきなりバレエ学校の最終学期で一日5時間踊り、 たくさんのリハーサルが続けばそりゃあケガもするでしょう・・・   でもそれって結構当たり前ですよね?日本だと。 学校が終わってレッスンに来るから一日2時間踊れるといいくらい。 そして毎日レッスンがあるスタジオも少ないから週に4,5日踊れるといいかな?   バレエ学校留学を希望する子は殆ど、 「バレエ漬けの生活がしたい!」 って思っていることでしょう。 宿題とか、試験とかで休まなくてもOKで、バレエに集中できる。 朝から晩まで踊っていたい!!   その気持ちは分かりますが、日本のレッスンからいきなりバレエ学校へジャンプしてしまうと 練習量の差で体にガタが来ます。   オーディションを夢見る子達へのアドバイス、ということで今日はその練習量の差を考えて見ましょうか。         最初にあげた日本のレッスンを計算すると 1日2時間程度×4日=週に8時間。   バレエ留学で一般的なフルタイムプログラムになると・・・ 1日6時間程度×5日=週に30時間。…

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