レッスン音楽のあれこれ

  レッスンで使う音楽。 素敵な音楽を使うと心が弾むし、 聞いた事がないCDはレッスンが新鮮になりますよね。 だけど、こういうメンタル的な事以外に音楽選びはもっと難しい。     これについて1月のバレエ講習会を行ったときにたくさん質問されました。 バレエ講習会をしたときにどうやって、選曲しているのですか?と。 そして今年の名古屋でも。   なので記事にしちゃいましょう!     レッスン中に使う音楽は、とっても大事です。 以上!   それじゃー意味がないので。     何で大事なのか?   へんな注意は無視できるし、 難しい振付はアレンジできるけれど、 レッスン場で流れている音楽は無視することが出来ないのです。   絶対的なパワーがあるわけですよ。   このパワー、上手く使ってあげると踊りを助けることになります。 だけど失敗するとダンサーのテクニックに響きます。…

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鬼の愛とオーバーロードの原則

  2015年の私の中でのキーワードは 「バウンデリー」 でした。   それについての記事を書こうと思っていたのだけれど、 なんだか凄く重くなってしまったし、 長くなってしまったので、 もう少しわかり易くご紹介できるまで隠しておきます。       2015年隠れ(ていないけれど、Unofficialということで)キーワードは 「鬼の愛」 でした!!   セミナー参加者の皆さんはもちろんのこと facebookフォロアーさんたちも様々な人たちのブログ、 感想を既に目にしたかと思います。 どこでもちりばめられている言葉   鬼!   これね、一応(笑)トレーニングにおける原則に沿っています。 あとから言うと言い訳っぽい?   まー聞いてください。   トレーニングにはいくつかの原則があります。 そのうちのひとつは…

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踊りに使えるトレーニングで考えたいこと

これまでの腹筋シリーズで、腹筋×4と腸腰筋×2(とチビ小腰筋)を勉強し、脚を上げるために必要なことも研究しました。 これだけでも膨大な量の知識が頭に入ったはず。 超初心者用のバレエ解剖学、であればここで腹筋シリーズを終わりにしてもたぶん大丈夫なんだけと、知識だけでは舞台で輝けません。   ダンサーは動けてナンボ。 だから、頭で筋肉のことがわかっただけでは足りないんです。 (まぁ、頭に入っていなかったらイメトレすらできないだろうから、マシではあるんだけど…)   「バレエの立ち方できてますか?」「ターンアウトできてますか?」の方でイラスト付き、140ページ以上をかけて説明し、付属のビデオもあるので、エクササイズの種類ややり方を知りたい人はそちらをチェックしてください。   その前に私の本からでなく、どんなエクササイズをチョイスしたとしても、ターゲットが腹筋でなくても! 必ず使える「踊りに使えるトレーニングをする」という考え方を勉強していきましょう。 数セットで感じたから終了系 ダンサーだけではないかもしれないけど、よくある間違いナンバー1は 「数回のエクササイズで腹筋あたりに感じられたら終わり」 というやつ。 そんなに簡単にダンサーに必要な筋肉を鍛えられたら、みーんなダンサーになってますよ!   「筋肉を感じ、正しく行うことができる」というのはもちろん大事よ。 健康のためにお家でエクササイズ オフィスで座りっぱなしなので、ストレス発散のためのトレーニング が目的だったらそれで十分です。   でもダンサーが「舞台で踊るための体」を作るとなると 複雑な振付、表現をしている時もしっかりと使える 1.5時間のクラスでバテないとか、全幕ものを踊りきるスタミナ ということを視野に入れなければいけませんよね?   それでも、エクササイズを正しく、安全に行うための最初のステップは 正しく数回をこなし…

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バレエ学校から拒否されたら・・・

*このブログは2015年に書かれたものを、2020年5月により読みやすいフォーマットへ編集しなおしました。     ラッキーな事に、日本のバレエスタジオには入学試験というものがありません。 誰でもバレエを始められる、習うことができる…それって素敵★   たとえ将来バレエと全く関係のない仕事に就くとしても、 クラシックバレエの音楽が分かったり、ストーリーが分かったり、そして姿勢が良くなるなんて言われていますよね。     バレエ「学校」は違います。 オーディションがあります。   がしかし、ビジネスとして行っているバレエ学校では誰でもとります。 生徒数=収入 となるからです。 (日本からの生徒はお金になるから、留学しても日本人クラスに入れられて内容は本場とは違うなんてことはよくありますし、International studentsは法的にも現地の子より高い料金を支払わないといけない、となっている国も多くあります。)   ですが、大きなバレエ学校、就職率が高いことを売りにしている学校ではそうはいきません。 オーディションに受かって入れた!としても 留年させられる子 退学を要求される子 というのが出てきます。   子供もそうだけれど、親が慣れていない「拒絶」。 このようなシチュエーションで、親として何が出来るのか? 今日の記事ではダンサーの拒絶について考えてみたいと思います。 バレエ向きな体じゃない、と言われたら? バレエ学校から(オーディションで)「体がバレエ向きでないと言われた」というのが一番多くありますね。  …

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ダンサーの腹筋事情 おなかを使って脚を上げるってどういうこと?

ダンサーの腹筋事情を改善すべく、何層にもなっている問題について少しずつ紐解いて勉強しています。 腹筋は脚にはついていないけど、腸腰筋っていうグループは脚を上げるサポートをしてくれることは分かった。 でも、腹筋と腸腰筋ってどう関係するの? そして何よりも腹筋最強説や 「おなか使いなさーい!!」 「腹筋がないから脚が上がらないのよっ!」 という注意って嘘だったの?ということを調べていきましょう。   この記事はパート4です。まだ読んでいない人はパート1から順番に読んでくださいね。 腹筋はいらないのか? 前回勉強したように、腸腰筋は脚を前と横に上げてくれます。 そして、この筋肉は腰椎の前にあります。   ということは、 「おなか(の深部)を使って脚を(前と横に)上げなさい」という注意 は、解剖学的に成り立ちますよね?   では、「腹筋を使って脚を上げなさい!」という言葉は正しくないのかしら? これはYESでもありNOでもある、グレーゾーンに入ってきます。   その前に。 ここでいう脚を高く上げる、というのは 「クラシックバレエにおける」脚を高く上げる、ということだと思ってくださいね。   だってダンサーのに求められるものは、脚の高さだけではなく、 軸足はターンアウトされている 背骨は引き上がっている(アライメント) 肋骨や骨盤は正しいところにある(プレースメント) 上半身に力みがない(芸術としての美しさ) もちろん上がっている脚はターンアウトされ、つま先も伸びています。…

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ダンサーの腹筋事情 腸腰筋編

前回までの腹筋シリーズ(パート1はこちら、パート2はこちら)では、 腹筋とは4つあり、それぞれどんな風に体に納まっているのか? というのを考えてみました。   その一番最後で気づいてしまったこと。それは… 腹筋って脚につながっていないじゃないっ! という、なんとも人間不信になりそうな事実。   そして焦りのバレエ教師たち! 今まで信じてきた腹筋最強説にヒビが入っているのを横目で見ながら眠れない夜を過ごしていたりして。 この記事ではその答えのカギを握る筋肉たち、腸腰筋について勉強していきましょう。   腸腰筋 腸腰筋とは実は2つの筋肉グループからできていて、さらにそのうちの1つは2つに分かれているんです。 なんて面倒くさい!   腸腰筋 iliopsoas という筋肉は、 腸骨筋 iliacus と 腰筋 psoas でできているのですが、その腰筋っていうのは実は、 大腰筋 major と 小腰筋 minor となっています。   いつもどおり、ダンサーは「腸腰筋」って言葉さえ知っていれば、 3つの筋肉が集まっているグループで、 しかも小腰筋がない人も結構いる、 っていうことは知らなくても大丈夫ですよ。  …

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ダンサーの腹筋事情 解剖学編

前回の記事で、何層にもに分かれている腹筋問題について書きました。   どうして、みんな腹筋がどこにあるのかわかっていて、学生時代から腹筋運動のやり方を知っているし、腹筋が大事だっていう理解もあるのに、腹筋が弱いと悩むのか? ここでは、何層にもなっている問題の一番最初、腹筋という筋肉の解剖学を見ていきましょう。 腹筋は4人グループ みんなが気軽に「腹筋」って呼んでいる子たちは、4つの筋肉でできています。おなかの皮膚に一番近いところから 腹直筋 外腹斜筋 内腹斜筋 腹横筋 という順番で、背骨に向かっておさまっているそうです。   もちろん、毎回くしゃみをするたびに筋繊維が絡まらないように、全ての筋肉たちは筋膜っていう膜に覆われています。   腹筋が筋肉痛の時にくしゃみをするととっても痛いの!体験したことありません? もしくはすんげー笑った時。 日常生活のふとした瞬間にも腹筋って使われているんですよね。     ダンサーはお医者さんじゃないので、筋肉がどの骨の何という出っ張りから始まって、どんな神経が通っていて・・・なんてこと知らなくって大丈夫。 どこにあるか?がだいたい分かると、どんなお仕事をしてくれる筋肉なのかが分かります。   どうしてかって? それは筋肉には絶対にスタートの点(始点、起始点などと呼ばれる)と、 終わりの点(停止点と呼ばれる)があるからです。   筋肉を収縮させると、スタートと終わりの点が近づき、その筋肉を伸ばすと、点と点が離れていきます。 だから、どこにあるか?が分かると、ある程度その筋肉のお仕事が見えてくるのです。 それをDLSでは「点と点原理」と呼んでいます。 腹直筋…

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ダンサーの腹筋事情

  腹筋について、インターネット上では様々な人が実にたくさんのことを書いています。 だから 今まであえてDLSブログ内では書いてきませんでした。   でも、新しくバレエ学校に留学してきた子が慢性腰痛持ちで、 「おなかを使って踊る」だったり、 「腹筋を使って脚を上げる」ということへの理解がほとんどありませんでした。 (彼女はまっすぐ椅子に座ることもできなかったの!)   自分も痛みを抱えたままなのに、解剖学はもちろん、バレエ用語やステップの意味を知らずにレッスンを指導する先生やアシスタントさんがいる、というのは毎回来日するたびに聞くし、 腹筋が弱いんです、体幹が弱いんです、どうしたらいいですか?という質問はDLSにたくさんくる。 ということは、ダンサーの腹筋事情は、かなり手ごわいんじゃないか?と。 なので、このシリーズを書き始める前にどのような形でお話しするのが一番良いのか?って考え込んでいたんです。   だって、 インターネット上に情報はたくさんある 腹筋という筋肉について知らない人はいない 腹筋という言葉を口にするバレエ教師はたくさんいる なのに、現実として 正しいタンジュデヴァンができない ダンサーにおける慢性的な腰痛はなくならない おなかがぐにゃぐにや、軸がないダンサーは減らない ネバーエンディングの注意「腹筋強くしなさいっ!!」   このギャップはとこから生まれるのだろう?と頭を抱えていたら、問題は何層かに分かれてい ることに気がつきました。 1. 「机上の解剖学」になってしまっている 2.…

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バレエ解剖学中級レベル ターンアウトを助ける4つのヒント!

  踊りだすとターンアウトをキープできないのはなんで? っていう記事を2015年1月下旬に書きました。   どうやってターンアウト? どんなエクササイズ?   なんて事をお話したのではなく、   どうしてターンアウト? というターンアウトの根本を考えてみた記事でしたので、 そんなに人気ないかなーって思っていたら びっくりするほど好評でした笑   今日はその記事に関係する質問を頂いたのでお答えしようと思います。         ターンアウトの理論は理解した。 おしりの筋肉のことも勉強したし、 エクササイズも(細々だけど)続けている・・・   だけど5番ポジションはくの字のままだし、 片足になると、もー大変! やっぱり私、これ以上は無理なんでしょうか?       この質問に心を打たれないダンサーは居ないでしょう!…

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ポワント強化エクササイズクラス DLSセミナークラス作りの裏話

もう皆さんご存知のように、DLSでは年に2回、来日セミナーをしています。   冬のセミナーでは舞台で輝く為のレッスン. 留学のようにバレエ浸けの生活で自分を深く知ろう! という事がテーマでした。   解剖学を考えても、体は綺麗に動くのだ、ということ。 そしてテクニックを上達させると、シンプルなエクササイズさえ美しく見える、 という事を体感してもらいたくって作りました。     春のセミナーではそのための体作りがゴールです。 つまり、正しくレッスンに作れるための「体」を作っておくことで、 レッスン中の注意がより早く身につく。 ということは短期間で上達できる、っていう魂胆です。     春にはスタジオ訪問という事をしています。 これは地方のダンサーにもセミナーを受けて欲しい、という気持ちから、 私がスタジオに参ります! そしてそのスタジオのゴールに合わせてクラスを作っていきます。   例えば年齢、バレエ歴、発表会の内容・・・ こんなことを配慮しながら主催者のスタジオの先生と話し合っていきます。   今年で3年目のスタジオ訪問になる、SKバレエスタジオからのリクエストは 「中高校生向けにトウシューズ強化のエクササイズクラスをやってくれないか?」 というもの。   ポワントのみのクラスを作ることが難しい日本では必要な考えですよね。…

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