保存版 レッスンの痛みを説明する言葉たち(日本語・英語)

このブログで、痛みは体の出しているサインだとお話ししました。 ここでは、そのサインを言語化して、バレエノートに残したり、治療家に伝えたりする方法をお話ししましょう。 留学先にいる人たちも多いと思うので、日本語と英語、両方を勉強していきましょうか。 変な感じがする:discomfort 動けるんだけど、痛くはないんだけど、なんだか変・・・ 痛みというよりは調子が悪いって感じですね。不調を感じたらできることはこちらの記事でも説明しているので、詳細はそっちを見てください。   ときどき、feeling odd、 feels strange、なんて言われることもあります。 チクチクする、ピリピリする:pins and needles 脚がしびれた感じ、神経っぽい痛み、それらを英語ではpins and needlesと言います。針とかで刺されている感じ? stabbingと表現された場合、同じような痛みだけれど、チクチクのレベルを通り越して痛いときに使います。   エクササイズでは少ないんだけど、ストレッチしていてこの感覚があったら急いでback offしてくださいね。 神経は伸ばされるのが嫌いですし、挟まっている場合もあります。 びりっ!とする、痛みが走る:shooting, electric like 動かしたときにビビッときたり、いきなり痛みが走ること、これをshooting painと言います。 electricは電気。電気が走ったみたい、ということになりますね。 さっきの神経系の痛みとも似ていますが、このように感じたらその動きをやめましょう。 いつも痛い、地味に痛い:constant…

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引き上げて踊る。を深く見る

今日は引き上げについて語ります。 マニアックだけれどついてきてください笑   引き上げて!引き上げて!引き上げて! (ピンクの文字をクリックするとリンク先に飛びます) というなんてまーstraight forwardな題名の記事は2013年に書きました。 ここでは、背骨カーブの点から引き上げを見ましたね。 復習すると、 背骨カーブはクッションのためにあるけれど、 それを引き伸ばす事によって重心が高くなり、 素早い動きが可能だと。   んでもって、脊柱起立筋をご紹介したときに これらの筋肉は背骨を引き下げる動きをするの! なーんて言って皆さんを混乱させました。 そうする事によって引き上げを助けてくれるの。 詳しくは原文を読んでね。   んでもってドローインと引き上げ、という記事では ダンサーが必要な腹筋の力と引き上げの関係性を見ました。 センターを引き上げる、という言葉を筋肉の名前と一緒に見ましたね。       背骨のカーブは人間に必要です。 上手い事デザインされていてね、 それがあるからジャンプの衝撃を吸収してくれたりするのですよ。 それをあえて伸ばす。  …

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バランスと反復とダンサーズライフ

鬼の愛で話題のこの記事で、 トレーニングには原則、って言うのが存在するんですよー だから鬼だったんですよーっていう 素晴らしくテクニカルな言い訳をさせていただきました。 まだ読んでいない人はこちらから。   今日の記事は他の原則をご紹介しつつ、 ダンサーの生活を見ていこうと思います。   今日取り上げる原則は 全面性の原則 と 反復性の原則 ではいってみましょー     全面性の原則 トレーニングでは、1カ所だけでなく全体的に体を鍛えることで 効果があがる、という原則です。 つまりバランス良いトレーニングをして、って事。   これをダンサーの生活で見てみましょう。 バーレッスン、センター、アレグロ、ポワント・・・ 全てにおいて全身を使って踊らなければいけないエクササイズたちばかり。   だからこの全面性の法則はオッケーじゃん? って思いますでしょ?   落とし穴として 1)同じようなアンシェヌマン。…

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バランスパッドエクササイズ 基本編

以前、佐藤愛のおすすめアイテム、という記事を書いてから よくいただく質問が、 バランスパッドの使い方を教えてほしい! というもの。   なので、今日は基本編として 「ただ立っているだけ!」 のエクササイズをご紹介します・・・   ご紹介ってまっすぐ立つ、ことで、 質問では立っている以外の使い方はなんですか?と言われたのですが、 正しく立つことが修得できたら、ほとんどのバレエのパは上達します。 だって立っているでしょう? 踊っているとき・・・       バランスパットとは、 こんな見た目のもの。 チャコットでも売っているようですが、 私の行うエクササイズたちではサイズが小さすぎました。 (それととーっても高価!やだよねー)   なのでこの記事につけてあるリンク先から見てみてください。 私が生徒に使うときは、 あれを半分に切っていますが、 これは、学校のロッカーのサイズ上そうしているので、 皆様は大きなままでも大丈夫でしょう。    …

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ロシア人だからターンアウトができる? ワガノワバレエの秘密

  先日、Facebookで気になるポストを見たので、 そのあと研究していました。   「ロシア人だからターンアウトができる」 そーなのか? そんなに簡単に一括りができるのか?? ロシア人というホモセピアンは股関節の作りがそんなに違うのか?   ターンアウトができるようになる秘密を知りたい! ということで深く見ていきましょう。   ここで指すロシア人はたぶん1.435億人の人口は指さないだろうね。 普通のおっちゃんもターンアウトができるのだろうか・・・? おっちゃんダンサーで有名なトロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団は ニューヨークが拠点だが・・・   さて、ロシア人ダンサーというと 私たちの頭に浮かぶものって 「あの」ワガノワバレエですよね。   だから、たぶんここらへんのダンサーを指すのでしょう。 では、観察。   ワガノワバレエ アカデミーは約300年の歴史を誇る名門校で、 素晴らしいダンサー、教師、振り付け家を毎年数多く出している学校です。 なーんて今さら私に言われても仕方がないですね笑   生徒たちは基本的に10歳で入学…

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ロボットダンサーになるな!!

何か注意をするとすっごい勢いで首をふる生徒いません? または、はい!って元気よく返事をするとか。 その割に...何も変わっていない... ため息。     言われたことをやる。 注意をされるたびに、うんうん、とうなずく。 そんな素直さは大事です。   素直な行動力、という記事に書いた通り、 注意、というものは、その人を上手にしてくれるためにあるのだから、 注意されたことができるようになったら、 上達した、ってことですものね。   でも一生生徒でいるつもりがなかったら、これでは足りません。   よくカンパニークラスを受けている子たちが、 レッスン内容がよくない、とか 早すぎる、とかいうことがあります。   カンパニーレッスン・クラス、というものは、 「生徒」を「上達」させるためのレッスンではありません。   それは学校、スタジオの仕事です。 カンパニーレッスンというのは、 「プロのダンサー」 が 「ウォームアップ」のために、 「自分の体と向き合う」ために使うクラスです。…

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ダンサーのリハビリ 痛みってどこからくるの?

リハビリとは何なのか?という言葉の意味と一緒に、 痛みをこらえて踊り続けるのではなく、最短の時間(とお金、これも大事!)でダンサーが舞台やレッスンに戻ってくるのをリハビリと言うよ、 とこの記事でお話ししましたが、根本的な「痛み」については何もお話ししていなかったよね。   この記事では「痛み」って何?という話をしていきたいと思います。   痛みは何かが変というサイン そもそも、どうして人間(そして動物も含めて)は痛みを感じるのか?というと、サバイバルするためなんです。 「危険だ!」「逃げろ!」 骨が折れているのか、パックリ肉が割れたのか、それとも毒グモに噛まれたのか… 原因が分からなくてもヤバいぜ!ということを痛みが教えてくれるってわけ。   動かすと痛い、というのはケガした部分の組織が完全に修復されていないから、動かすなよ、と教えてくれているわけだし、 この方向に動かすと痛いよ、というのは関節が脱臼する前に知っておきたいでしょ。   だからね、痛みは悪者ではないんだよ、というのを覚えておいてください。   ただ、痛みの原因が動きに対して体が弱いことで出てきた場合、例えば、振付の難易度とあなたの筋力や体力がマッチしていない場合は、休んでいても向上しません。 体が教えてくれているのは、そのまま動くとケガするぜ!であり、そのシグナルに間違いはありません。 だから、ダンサーは体が出してくれているサインを感じ、パニックになるのでもなく、無視するのでもなく、サインを読み取って対応する必要があるってことね。   痛みがある場所=原因ではないこともある 身体的な痛みは大きく分けると 関節(靱帯も含む) 筋肉(腱、筋膜も含む) 神経系 からくると言われています。   捻挫みたいに、痛い場所=組織が損傷している場所のときもあるし、 痛い場所=ほかの部分に問題があるけれど、痛みが出た場所がこっちだったケース、というのもあります。…

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ケガしたときの頭の中・・・ダンサーのケガを理解しよう!

ダンサーのリハビリではこういうのが必要なんだよ、ってお話したとしても、 「私にはムリ」 「こんなに長く痛み痛みが続いているもん、変わるわけがない」 「そんなに冷静に言われても、リハビリに失敗してきているからDLSを見つけたんだっていうの!」 なんて声も聞こえてくるかもしれません。   ここでは、ケガしたときのダンサーの頭の中を覗いてみようと思います。 そうすれば自分で思っているほど、あなたが感じている感情は特殊じゃないって分かるし、 そういう感情を抱えても普通なんだと分かると気が楽になるかもしれません。   ペンシルベニア州立大学の大学教員、岩月猛泰(たけひろ)先生のブログによると、ケガしたスポーツ選手は アイデンティティーを失う 恐怖と不安 自信を失う グループ間の乱れ パフォーマンスの低下 という心理的な反応を起こすそうです。   岩月先生のブログは博士号保持者が、日本語で分かりやすくスポーツ心理学を書いてくださっているのでこのエリアをもっと知りたい人はチェックしてみてくださいね。   4つ目の点であるグループ間の乱れは、バレエスタジオ内、カンパニー内で起こることなので省いて、それ以外の点をダンサー視点で見ていきましょう。   ただし、ここに書いていることやアドバイスは、私が自分のケガの経験、そしてケガに悩んでいた生徒たちを見て学んだことをシェアしています。 カウンセラーや心理士の視点ではないので「これが正解です」ではなく、こういう考えもあるんだ、というケーススタディとして読んでください。 踊れない自分と出会う バレエをやってきたことが自分のアイデンティティーな人は、ケガして踊れないと自分自身を失ってしまったような気持ちになります。   私も「バレエをやっている愛ちゃん」「バレリーナの愛ちゃん」というアイデンティティーをずっと持っていました。 体育の授業でも体も柔らかいことで飛び抜けているし、短期留学したりするし、スタジオの後輩たちからも憧れの目で見られている。  …

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ダンサーがケガする前に考えておきたいあれこれ

リハビリって言葉は知っていますよね。 これね、ケガをした「後」に日常生活に戻るため、もしくは舞台に復帰するための行動なんですが、 リハビリの「前」の方を今日はお話したいと思ってるの。   なぜか?という説明の代わりに、ダンサーとケガの研究データをご紹介していきましょう。   2006年にSusan Simpsonによって書かれた Dance Injury Management によると 80%のダンサーがキャリア中にケガを体験するそうです 65%のケガがオーバーユーズ、そして35%がアクシデントで起きたケガだそうです 90%のケガはダンサーが疲れているときに起こります 98%のダンサーのケガは手術なしで治療されます   もう少し新しいデータですと、2014年5月のJournal of Science and Medicine in Sportに発表されたものでは 260人のエリートバレエ生徒を一年追ったところ76%のダンサーがケガをし、そのうち72%はオーバーユーズ、残りはアクシデントだった と書いてあります。   これらのデータから学べること4つは ほとんどのダンサーがケガをする ケガの大部分はオーバーユーズ…

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いきなり!を手に入れるために。

ダンサーとして生舞台に立っていると、いきなり!という現状に対面することがあります。いきなり飛んできたチャンスを自分のものにするためにも、毎日自分を磨いていきましょう。今日のあなたは、過去のあなたの努力が形になっているのだから、今頑張って、未来のあなたを変えていきませんか?

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