教師の為のバレエ解剖学講座 マスタークラスって何?

    DLSでは2015年1月から「教師の為のバレエ解剖学講座」という講座をお届けしています。 これまでにたくさんのバレエ教師、トレーナー、治療家、現役ダンサーの方々が参加してくれています。 これだけの皆さんが指導のための解剖学を考えてくれているという事実、素晴らしいですよね。   この講座は名前通り、「教師のため」の「バレエ」解剖学をお話ししています。 ただの暗記じゃなくって、指導する時に見えるものを考えた解剖学。 生徒に起きやすい問題、例えばすごく体の固い子とか、逆にぐにゃぐにゃな子。 直しようのない変な形のポーデブラとか、側弯症とか、を先生の視点で考えていきます。   使えないもの、私がバレエ学校で10年以上働いていてみない、相談されない、なんてところはどんどん省いてます。 ほら、お医者さんを作るための講座でもなければ、試験に合格するための暗記でもないから。   そのかわり、沢山の生徒が怪我した部分だったり、問題があるところだったり、 オーディションや試験でコメントに上がる部分を選抜しています。   バレエ教師、ってひとくくりにしてもバックグラウンドは色々。 かなり難しい内容だと感じる人も多いので、オンラインコースで解剖学の基本を予習できるようになっています。 バレエ教師って、指導しながら、経営しながら、マーケティングしながら、振付けしながら、お母さんしながら!!! っていう何足ものわらじを履いている人が多いので、自分の時間で、自分のスピードで出来るようになっています。   っと。 堅苦しく書いてみたけど。 じゃ、マスタークラスって何よ? 解剖学は好きだ。 バレエを正しく指導したいっていつも思っている。 ブログや参考書も読むし、生徒にも進めている...   DLSの鬼の愛さんについて解剖学も勉強したダヨ。…

Continue Reading教師の為のバレエ解剖学講座 マスタークラスって何?

たかが親指、されど親指!ルルベを強くするためのストレッチ

  昨日、生徒と絶対にやりたくない職業、という話が出まして。 その時に彼女は「絶対に歯医者になりたくない!」って言ってました笑 口の中って汚いし、臭いし、腐った歯の根っことかあるし!!   その時、「トウシューズのくさい足を診る方が絶対マシだね」って言ったんだけど。 本当にその通りで。   私、ダンサーの足を診るの好きです。 だって、たっぷりヒントが詰まっているんだもの。 踊りの癖はもちろん、トウシューズが合っているか、どれだけレッスンしてるか? 何歳からポワントを履き始めたか?捻挫をどれくらい繰り返したか? なーんて見えてくるんですよ。   筋肉の具合を見ると性格まで分かります笑   変な人ーーーーーーーーーーー!   さて今日のテーマは親指。 親指については結構な数の記事がありますのでサイト内を検索してみて下さい。 今日は親指とデミポワント、つまりルルベを考えていきます。   つま先を伸ばしたい!という声はよく聞くのよ。 トウシューズで立つために大事だからね。 だけどよくみんなが忘れてしまう部分、それはデミポワント。 デミ、半分、ポワント、ということでポワントに立つための途中経過だよね。   それがしっかりとできていないと、フルポワントに立つ強さは作られません。 少ない面積でしっかりとバランスをとる 重心を正しいところに移動させる…

Continue Readingたかが親指、されど親指!ルルベを強くするためのストレッチ

プロダンサー以外のお仕事って?

  2016年も後半戦に入ってきました。 将来に悩むダンサーが増えてくるのも夏休みですよね。   プロを目指している子たちならば、サマーインテンシブ、短期留学、 9月からどこかに留学する子たちはその最終準備。 プロになれるか分からないけど・・・と言う子は大きめのコンクールで実力試しなんかをやり始める時期です。   発表会も多いし、舞台もたくさんだし、コンクールは山ほどだし。   だけど、プロにならない子は? せっかく今までバレエを頑張ってきたのに、受験のためにすべて手放してしまうのはもったいなくない? ダンサーになる以外でバレエの経験を生かしたお仕事ってあるのでしょうか?   バレエは好きだけど自分はプロに向かない、と思っている子はたくさんいると思います。 だけどね、それはそれでOKだと思う。 お花を飾ると元気になるじゃない?だけど、お花が好き=お花屋さんになる!のではないのと同じように。 大人バレエトレーニー(大人でバレエレッスンを受けている方々をDLSではトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます)として続けるのもアリだし、バレエ鑑賞ラバーになってもいいわけで。   でもバレエの経験を使って仕事を探したいな、と思ったら??   一番最初に頭に浮かぶのはバレエの先生 昔、どこかのバレエ雑誌の記事で素晴らしいダンサー=素晴らしい振り付け家ではない、というのを読んだことがあります。 バレエの先生も、素晴らしいダンサー=素晴らしい先生なわけではないです。 もちろん、プロで踊ったから教えられる経験、というのはありますが、 つまんない数学を楽しく教えてくれた中学の先生、というのは数学者ではありませんでしょ?   バレエの先生、というのはただバレエを知っていることを指すのではないと思いますが、どうですか? バレエを知っている、というのは当たり前で、その上に 経営(フリーランスだろうが、スタジオ経営だろうが。)…

Continue Readingプロダンサー以外のお仕事って?

バレエ向きな脚のラインに変える方法

  今日のお題は脚のラインについて。 O脚、X脚など名前がついているものから、筋肉の付き方についてまで、脚のライン全般をバレエ向きに変える事ができるのか?という話をしていきましょう。 まずは質問を読んでね。       答えはYes! 脚のラインは変わります。   ただし、年齢によっては脚の骨格は変わらないかもしれません。 鼻の高さとか頬骨、肩幅などと同じように、骨格というのは骨で構成された構造の事なので、生まれつき(遺伝)という部分も大きいから。   そうは言っても成長期の子たちは十分気を付けてくださいね。 成長中の体=骨が出来上がっていない となるので、間違った体の使い方をしていると、力や負担がかかる方向へ曲がっていってしまう事もあります。   成長期に運動のし過ぎや栄養が足りないと、成長させるよりも保存に力を注いでしまうので、 遺伝的に「ここまで伸びるよ」という長さまで到達しないこともあります。 ただ、この部分は今日のトピックではないので、ここまで。   引き続き、脚のラインについて見ていきましょうか。   骨格とラインの違い 骨格=骨で構成された構造の事。 では質問にあった「ライン」は?   ラインって言葉には色々な意味がありますが、ここでいうのは辞書によると 「衣服や人の体が形づくる輪郭の線」という意味。  …

Continue Readingバレエ向きな脚のラインに変える方法

素早い踊りの出来る体を作る

今日のお題は「素早い踊りの出来る体を作るには?」。 まずは、セミナーでもらった質問をアップしますね。     質問を要約すると「素早く踊るためにはどこの筋肉を答えたらいいですか?」なのですが、 私の答えは「弱いところを鍛えてください。」です…ではダメですよね。 どこが弱いのか分からないんだから質問してるんですって。   まずは素早い踊りが出来ない、といはどういうシチュエーションなのか?を考えてみましょう。 素早い動き「だけ」が出来ないのか 質問にそう書いてあるじゃん!と思った方、もう少し聞いてください。 本人が出来ていないことに「気づいた」のが早い動きだけだった、という場合もあるんです。   特に バーレッスンの最初のように、ゆっくりな音楽で踊る時はアンシェヌマンの難易度も低い ゆっくりな振付の時は方向転換や重心移動が少ない踊りばかりやる というレッスン内の偏りがある場合。   また ゆっくりの時も出来ていないけど、音に遅れていくという大きな問題がないので気づかない なんて生徒もいます。   なので、素早い動きが出来ない、と悩んでいる方は 同じステップをゆっくりやったら出来るのに、シャープな動きが出来ないのか? 同じステップをゆっくりやっても出来ないのか? を確認してください。   確認の仕方は簡単。 同じアンシェヌマンをスローでやって、出来たらビデオで録画します。 (後で研究用+上達しているのかの確認記録用)…

Continue Reading素早い踊りの出来る体を作る

間違った甲だしストレッチと偏平足

偏平足はダンサーの敵!みたいに考えられることがあります。 確かに、 足のアーチがある=足の甲が出る と考えると 足のアーチがない(偏平足)=足の甲が出ない! とパニックになりそうですよね。   でもね、そーじゃないの。   それを理解するには足のアーチってなにか?を理解する必要があるね。 足のアーチは3つあります。 つまり土踏まず「だけ」が上がってたらOk!じゃないわけ。   足のアーチは背骨のアーチみたいに 1)骨の形(元々アーチっぽくなるように骨が曲がってる) 2)靭帯(骨と骨を結ぶ紐) 3)足の筋肉たち でできています   ここまでは、解剖学を勉強してきたDLSフォロアーさんならオッケーだよね。 もし迷子になってしまったら 最初の最初に骨を語ろうという記事で骨の大切さ、そして解剖学を考えるときに一番最初に骨を考える理由があります。 そして靭帯の役割を復習するためには靭帯についての記事を読んでね。   さてと。足の構造が大雑把に理解できたら (足=骨と筋肉。骨って事は関節があり、靭帯がある。筋肉って事は腱がある。ユニコーンは住んでいない。) 今日のテーマである偏平足と甲だしストレッチについて。 偏平足=足のアーチが潰れた状態 偏平足とは足のアーチが潰れた状態を指すそうです。 特に土踏まずのアーチが一番高さがあるので、それが潰れていると偏平足というらしい。…

Continue Reading間違った甲だしストレッチと偏平足

ダンサーの足と表現力

やさしいダンスの解剖学という本はアマゾンによると1972年に原本が出版されたらしく、 もちろん内容もちょっと古い部分があるのですが、 70年代からこのような解剖学的アプローチが海外にあったということは画期的だったんでしょうね。 ちなみに日本語版になったのは1999年だそうで、言葉の壁というか、需要の壁というかを感じますが・・・   この本の第7章 足という部分の最初に書いてある言葉を引用します。   「・・・生まれつきの関節の形は変わるわけではないが、足については状況は違ってくる。 どのタイプのダンスにおいても、足にはかなりの役割が求められる。 特にバレエでは、特殊な役割が要求される。 足はしなやかで、かつ、手と同じように感受性豊かにならなければならない。」   9月に来日し、新しいセミナーたちをご紹介しようと思ったとき、おおきな壁がありました。 もちろん、それはこっち(バレエ学校やクリニック)の生活を犠牲にすること。 1月、5月、に引き続き9月のセミナー準備。 それに伴う仕事増加と、比例するストレスや、家族との時間の消失。   それ以外にも、こんなに来日したらみんなに飽きられちゃうんじゃないか?なんていう自信のなさも一つ。 これね、毎回そういうことを言うからスタッフに怒られます。 愛さん、ネガティブなこと言わないの!!って笑     どーしよーかなーとかなり長い間考えていたのですが、 ダンサーから足に対しての質問はおおいし 足のケガはダンサーにとって致命的で。(修復しない疲労骨折、手術の失敗、意味のないギブス・・・今まで実際に診てきたやつね。)   だけど、どうせDLSとしてダンサーの足セミナーを行うのならば、 足先が、甲が出るようになるマジックセミナー!! みたいなことは言いたくなかったし、形を追い求めたり、ただ解剖学を本から学ぶのは意味がないって思ってる。  …

Continue Readingダンサーの足と表現力

脚をeffortlessに高く上げたい!

脚を高くあげたい!という悩みはどのレベルのダンサーでもあるようです。 バレエを始めたばかりのチビでも、大人から始めたトレーニーでも、10数年踊っているバレエ学校生徒でも。   1時間半のレッスンの中で、脚を高くあげる時間がどれくらいあるのか?と考えると その前にやらないといけない事があるんじゃないか?と私は思うし、何度もブログ内で伝えてきていますが、 今日は脚をeffortless(力まず・軽く)に高く上げたい、という質問に答えていきましょう。 EffortlessはEffortfulである ダンサーも含め表現者は表現したい事柄を明確に理解する必要があります。 ちょっと言葉遊びみたいだけど、まずはeffortlessという意味を考えてみましょう。   Effort 努力、奮闘 (英和辞典)   effortlessは、effortがless、少ないという事で 努力したように見えない、さりげない、楽なという意味になります。 疲れてきても簡単に脚を上げる方法は? 軽く脚を上げたいんです 肩に力が入らず、美しいラインで脚を上げるためにはどうしたらいいですか? などの質問が全て 脚をeffortlessに高く上げるには?という文章で収まるって分かりましたか?   そして、ここで言う脚の高さは 骨盤をずらしてから、膝を伸ばすデベロッペ 高く上がっているけど、腰だけで曲がっているアラベスク 脚を高くあげたため、役柄や音楽に間に合っていない踊り方 ではない事もご理解ください。 楽に上げている~のに音に遅れていたら変でしょ?   でもね、舞台の上でeffortlessに「見せる」ためには日々effortful、身体的努力が必要なんです。  …

Continue Reading脚をeffortlessに高く上げたい!
Read more about the article バレエを「休みなさい」といわれたときにできること
バレエを踊っているとレッスンを休みなさい、といわれることがたくさんあります。病気の時、具合の悪い時、ケガしているとき、痛みがある時・・・レッスンを休みなさいと言われる理由と、どうしたらいいのか?を考えていきます。そして治療家・トレーナーやバレエ教師が休みなさいという前に考えたいことも書きました。

バレエを「休みなさい」といわれたときにできること

バレエを踊っていると、レッスンを休みなさいといわれることが時々あります。 時々だって。 けっこうたくさんありますね。   今日はその理由と、バレエを休んでもできることをお話していきましょう。   もちろん、体調管理はダンサーの責任の一部です。 ケガを予防したり、病気にならない生活をするのも大事。 病気・具合の悪い時の「休みなさい」 病気や具合の悪い時にレッスンをすると本末転倒です。 はい、終了! では困るのでどうしてか考えてみてくださいね。 病気、つまり体が何かと戦っているとき(ウイルスなどね)、自分が自分のためにできることは 体を休めてあげて、早く具合がよくなることです。   長期にわたって休めば休むほど、筋力も落ちますよね。 だからレッスンに行きたいとか、リハーサルがあるから休めない、って思うかもしれない。 だけど、そのせいで体の修復が進まず、病気が長引いたらこまるでしょう?   また、他のダンサーにも病気がうつる可能性だって高いわけ。 レッスン場は密室だし、バーはみんなが触る。 ピルエットしながら鼻水飛ばしそうになった人、たくさんいるでしょ!?   他の人のために、そして舞台を成功させるためにも、自分が早くよくなる必要があります。 バカなことを言っていないで自宅待機しなさい。   具合が悪い時でもそうですよ。 貧血でバーレッスン中クラクラしちゃって・・・転んだ瞬間に脱臼、という生徒を見ました。 なんとなく調子が悪くて、体に力が入らない・・・体幹のコントロールができずグランバットマンで腰を痛めた生徒もいました。  …

Continue Readingバレエを「休みなさい」といわれたときにできること
Read more about the article トウシューズフィッティングでよく見られる3つの間違い
足にあうトウシューズを探すことってとても大変!今日はフィッティングでよく見られる3つの間違いを説明していきます。かかとが抜けちゃう=シューズが小さいではないですし、足の裏を強くするために固いポワントを選ぶのも考えようね。

トウシューズフィッティングでよく見られる3つの間違い

自分の足にあうトウシューズを探しているダンサーはたっくさーんいると思います。 メーカーによって色々あるし、バレエ雑誌や、プロのインタビューを聞いてもたっぷり出てくる名前たち。 海外だけで購入できるシューズだってたくさんあるし、日本だけで買えるものもたくさんです。   自分に合ったシューズを探す、って難しいですよね。 今日はよく見られる3つのフィッティング間違いをご紹介します。 3つ以外にもたくさんあるんだけどね、それはダンサーの足セミナーでお話しています。 かかとが抜けちゃう=シューズが大きすぎではない かかとの部分にゴムをつけている人、たくさんいますよね。 これはデミを通った時にかかとが抜けない様にするための工夫。 結局、ポワントのサテンって伸び縮みする生地ではないわけで、早い動きなどでシューズが脱げちゃったら困っちゃうでしょう。   ただし、かかとが抜けてしまう=シューズが大きすぎる!ではありません。 その逆が殆ど。   嘘だと思ったら、自分のシューズを足のおおきなお友達に履いてもらってください。 ぎりぎり、足が入るか否かのシンデレラのお姉さん状態になった時に、かかとをみてみましょう。 生地が足りなくて、引っ張られているはず。 そしてその人達に歩いてもらおうとするとかぱっとかかとが抜けるはずです。   トウシューズでは、大きすぎるシューズは一目瞭然ですが、 きついシューズは見落とされがち。 でも、きついシューズの方がケガのリスクが増えます。   生徒の一人で6か月以上親指の痛みが続く子がいました。 毎回、シューズが合っていないよ、といっても「トウシューズフィッターに合わせてもらったから大丈夫」っていうだけ。 ようやく彼女がシューズを変えて1週間後、痛みはもちろんなくなりましたよ。 今でも彼女との笑い話になっています。 足の裏を強くするために固いポワントを選ぶ 足の裏を強くしたいので固いポワントを選ぶというのは、なんだか理にかなっているようでそーでもありません。…

Continue Readingトウシューズフィッティングでよく見られる3つの間違い