結果が出なくて落ち込んでいるダンサーへ

*この記事は2015年に書かれたものを、より深く、読みやすくなるよう2021年にリライトしました。   最近、私の受け持っているダンサーたち3人が対面しなきゃいけないことがあって、それを考えてたらこの記事であげている考えにたどり着きました。   一人目:1年以上のけがが治らない。 スペシャリスト、手術医、スポーツドクター、フィジオ、カウンセリング…全部やっているのに中々結果が出てこない。   二人目:三角骨除去の手術失敗。 神経にダメージができ、それに関わる筋肉が委縮。 最初に約束されていた「バレエに戻れる日」が大幅にプッシュバックされる。   三人目:骨折が7か月たっても治らず。 骨が物理的にくっつくまでは大きな負荷をかけられないため、7か月、友達の踊っている姿を見続けている。   みんなバレエ学校の生徒なので、若い子たち。 いちばん若くて14歳で、こんなシチュエーション、環境、そして悩みと毎日向き合っているのです。 成功、ってなんだろう? 毎日頑張っているのに結果が出ない。 まっすぐな道のはずなのにどうして先が見えないんだろう?   ただでさえ、17,18歳で将来を決めなければいけない、という重圧があるのに、その上に長期の怪我。 リハビリに失敗した、手術に失敗した、などと言葉では表現するので、その反対である「成功」を見てみましょう。   ここでお話している「成功」というのは人生ゲームの成功!とかサクセスフルなビジネスマンとかそういう意味ではなくて、 上手くいっている、目標に向かって進んでいる、とかそういう感じのsuccessだと思ってください。   リハビリの過程を考えても、体の修復を考えても、ビジネスやそのほかモロモロのトピックでsuccessを見てみると、みんなが口をそろえて言う事。 それは成功は一直線ではないという事です。   左がみんなが考える「理想の成功」で、右が本当に起こっていること、もしくは本人が感じる事。…

Continue Reading結果が出なくて落ち込んでいるダンサーへ

DLSポッドキャスト epi379 正座はダンサーの膝を出っ張らせるのか?

正座すると膝が伸びなくなるから、バレエをやってるんだったら辞めなさい!と言われたことはありませんか? 正座をすると本当に膝が伸びなくなるの?ダンサーだったら辞めておいた方がいいの?という質問メールに バレエ解剖学の視点からお答えしたポッドキャストです。     読みたい人はこちらから   聞きたい人はこちらから   !!ポッドキャストの購読方法!!     DLSのYoutubeチャンネルには過去のポッドキャストだけでなく、ビデオブログやインタビューなども発信しています。 チャンネル登録をお忘れなく!  

Continue ReadingDLSポッドキャスト epi379 正座はダンサーの膝を出っ張らせるのか?

教師が知っておきたい柔軟性講座

DLSをフォローしてくださるバレエ教師の皆さんが、うちのスタジオでもストレッチを辞めました!という声を頂いている傍ら、 じゃあ、どうやって柔軟性をアップさせたらいいの? ダンサーには柔軟性が必要ではないの? 最近の子供は体が硬いんじゃないの? という不安も聞きます。 また、 スタジオ内でストレッチをしなかったら、子供達はストレッチをしてくれません。だからバレエも上達しません。 という懸念の声も聞きます。 でも、それって本当でしょうか?   関節には可動域があります。 子供のうちからストレッチを習慣化することで、関節の可動域を増やすことが出来るのでしょうか? そして増やせるとしたら、やればやるほど、可動域が増えるのでしょうか?   クラシックバレエでは柔軟性が絶対に必要です。 だけど、柔軟性を手に入れる方法はストレッチだけではないんです。   「柔軟性がどこからくるのか?」を理解したら、どうやってダンサーの体が柔らかくなるのかが分かります。 あなたを信頼してスタジオに通ってくれる生徒達を守るために、正しい知識を手に入れてください。   レベルやセミナーの内容などについての疑問や心配事がある場合、セミナーお申し込み前に hello@dancerslifesupport.com にメールくださいね。 バレエ歴、年齢と共に学びたいこと(ゴール)や質問、不安なことなどを教えていただければ、このクラスが合っているかお返事します。 *質問にお答えする前にクラスが定員に達してしまう事があります。ご注意ください。       内容チラ見せビデオはこちら↓ 日時・受講料および定員…

Continue Reading教師が知っておきたい柔軟性講座

DLSポッドキャスト epi378 リリースとストレッチの違い パート2

ダンサーが知っておきたいリリースとストレッチについてをお話したポッドキャスト、 パート2の今回はリリースで気をつけたいこと、レッスン前後、柔軟性アップ、ケガの時はどっちを選ぶのか?の判断材料についてお話しました。   どうせ努力するなら、長く踊り続けられるような努力をしたいですよね! よりよいダンサーになるために一緒に勉強していきましょう。   パート1のポッドキャストからチェックしたい人はこちら 読みたい人はこちらから   聞きたい人はこちらから !!ポッドキャストの購読方法!!     DLSのYoutubeチャンネルには過去のポッドキャストだけでなく、ビデオブログやインタビューなども発信しています。 チャンネル登録をお忘れなく!  

Continue ReadingDLSポッドキャスト epi378 リリースとストレッチの違い パート2

貼るホッカイロつけて踊ってます?

この前「湿布とダンサー」という記事を大幅アップデートしたので、今日は貼る使い捨てカイロをつけて踊っているというダンサー目撃情報について書いていきます。 長い文章は読みたくないから結論だけ教えてくれ!! という方のために、最初に言っておきますね。   ホッカイロ貼って踊るんじゃないよ。 以上。   ではここから先は細かく見ていきましょう。   体を温める事は大切 レッスン前に体を温める事、リハ中に冷やさないという事は安全に踊るためにも非常に大事です。 でもそれは、1か所を温める事ではなく、体全体を温める事をさします。   そのためには、ウォームアップ、つまり体を動かすことで血流を使い、隅々まで温めるという作業が大切なんですよね。 →ウォームアップについてはこちら   ウォームアップはただ体を温めるだけではなく、 その日の体の調子を聞いて、レッスン内容を考える 左右差、日常生活でついた癖をリセットしてレッスンに挑む 関節を動かし、関節包の中で滑液を出したり、筋膜や腱などのコラーゲンを柔らかくしておくなど物理的に体の組織を柔軟にする なんて効果があります。   今書いたものは、貼る使い捨てカイロではできません。   レッスンの後に保温をするのであれば、サウナパンツなど保温用素材(熱を作るものではなく、熱を貯めるもの)がいいはずです。 ただし、サウナパンツで踊るんじゃないよ? サウナパンツについてはこの記事で説明しているので、まだ読んでいない方はどうぞ。     汗は体を冷やすもの…

Continue Reading貼るホッカイロつけて踊ってます?

DLSポッドキャスト epi377 リリースとストレッチの違い パート1

レッスン直前は床でのストレッチではなく、ウォームアップが大切って分かってきた方も多いと思いますが、 リリースはどう?いつだったらストレッチしても安全? と気になる方もいらっしゃいますよね。   今週はパート1として、ストレッチとリリースの違い、知っていたら回避できるかもしれない問題点をお話します。   読みたい人はこちらから   聞きたい人はこちらから   !!ポッドキャストの購読方法!!     DLSのYoutubeチャンネルには過去のポッドキャストだけでなく、ビデオブログやインタビューなども発信しています。 チャンネル登録をお忘れなく!  

Continue ReadingDLSポッドキャスト epi377 リリースとストレッチの違い パート1

湿布とダンサー

この記事は2017年に書かれたブログを、新しい研究リンクなどを追加して大幅アップデートしました。     バレエ学校で働いていた時、殆どの日本人生徒「だけ」がしていた行動として「湿布を貼ったままでレッスンに出る」というものがありました。   今日は湿布について勇気を出して書いてみます。 というのは、私、湿布についてよく知らないんです…知らないからリサーチしてみました。 役に立つエビデンスを知っているよ!という方はhello@dancerslifesupport.comのメールアドレスに送ってくださいね。   湿布とは何? まずはここから始めたいのですが、序盤からリサーチの足(パソコンの前でリサーチしているので、足ではなく指、が正しい表現だろうけど…)が止まっちゃいます。   湿布とは何か?という定義が見つからないんです笑 見つからないというか、曖昧と言うか。   ネット検索の王様、Wikipediaによると 湿布(しっぷ)とは、ある程度の水分を含んだ布を意味し、主に物に効果を与えるために貼って用いるものである。 と書いてありました。 主に物に効果を与えるため…って何!?   同じくwikipediaの英語版で見ていると A poultice, also called a cataplasm, is a soft…

Continue Reading湿布とダンサー

DLSポッドキャスト epi376 ストレッチのDO&DON’T DO編

先週のポッドキャストでは、せっかく努力するならケガしないような知識は必要だよね!という事で、ストレッチで避けたい事をお話しました。 今日はその続き。 ダメな事は分かったけど、どんなストレッチはOKなのか?をお話しました。 効果のある自主練の参考になりますように!   読みたい人はこちらから 先週のポッドキャストはこちら 聞きたい人はこちらから !!ポッドキャストの購読方法!!     DLSのYoutubeチャンネルには過去のポッドキャストだけでなく、ビデオブログやインタビューなども発信しています。 チャンネル登録をお忘れなく!  

Continue ReadingDLSポッドキャスト epi376 ストレッチのDO&DON’T DO編

ダンサーは「ありのままの自分」でいいのか?

2021年3月から始まったボディコンサークル(毎週日曜日の朝に行われているボディコンディショニングクラスのこと)も両グループ合わせて50回を超えました。   パンデミックになってからバレエ学校生徒(+卒業生)達にオンラインでエクササイズクラスは提供していたんだけど、それは私の元生徒達。 性格も、レベルも分かっている子達を相手にしていたので、ボディコンサークルを始める時は大丈夫か心配はしていました。   でも継続してみたら バレエ歴(バレエ歴5年から何十年もやってきた人たち) 年齢(13歳から大人まで) スタジオ(同じスタジオからの参加者はゼロ笑) 地域だけでなく国境も超えて 皆がオンラインでエクササイズをしても効果があるんだということを再確認!   特にボディコンでは 毎クラス後に参加者からのフィードバックをもらっている フィードバックであった悩みや問題に個別に対応している 毎月最後のクラスの後にQ&Aがあり、本音を聞ける という環境を作ったので、一方的に受けるだけになりがちなオンラインクラスの壁を超えられたかな?と思っています。   でも、面白い発見もありました。 私が画面で見ている様子と、本人の思っている事がずれている事があるということ。   テクニックやエクササイズが正しく出来ているか?という部分ではないですよ。 それ「を」学ぶためにボディコンサークルがあるので。   そうではなく、メンタル的な部分っていうのかな? 今日はその部分を紐解いていきたいと思います。   ダンサーに見られがちな考え方の癖「自己憐憫」についてはこちら ありのままの自分、でいいのか? 映画Frozenが流行った事もあるのかもしれませんが、「ありのままの自分を好きになろう」というメッセージが主流になって久しいですよね。…

Continue Readingダンサーは「ありのままの自分」でいいのか?

DLSポッドキャスト epi375 ストレッチのDO&DON’T DON’T編

舞台の上で輝くバレエダンサーはしなやかな動きと、柔らかい手足の動きを見せてくれます。 だからダンサーには柔軟性が必要でしょ?とストレッチを頑張る前に。 どんなストレッチはOKで、どんなストレッチは避けておきたいのか?を勉強しておきませんか? 知っているだけで避けられるケガはたくさんあるんですよ!   読みたい人はこちらから   聞きたい人はこちらから !!ポッドキャストの購読方法!!     DLSのYoutubeチャンネルには過去のポッドキャストだけでなく、ビデオブログやインタビューなども発信しています。 チャンネル登録をお忘れなく!  

Continue ReadingDLSポッドキャスト epi375 ストレッチのDO&DON’T DON’T編