かなり前の話になってしまいましたが、9月に私が卒業し、今も働いているAustralian Conservatoire of Ballet(ACB)のオーディションがありました。
日本オーディションにスタッフとして立ちあうのは今回が2回目?だっけか?
ですが、毎回学ぶことが多いですね。
オーディションはバレエダンサーを目指していたら、国内でも避けて通れないですし、
留学を希望していたら絶対。
だけど内部からの情報は少ないと思うので、是非ここで学んでいって下さい。
前回学んだ事はこちらに書いてあるし、オーディションシリーズとして書いてある記事もあるので、検索バーで「オーディション」というキーワードで探して下さい。
書類ミス!
今回目についた一番のポイントは書類ミスでした。
えー!!??
お金はらってオーディションしているのに、連絡先になるメールアドレス書いていないの!?
みたいな。
でも結構な数があって、バレエ学校の事務の人から連日メールが届いていました。
これね、私がオーディションをオーガナイズしていてメールアドレスを知っていたから良かったけど、
公開オーディションとか、留学斡旋会社(つまり学校側がコンタクトとれない人)がやっていたら、
- メール送れない=書類が送れない=留学取り消し
です。
またメールアドレスが携帯メールだった人も多かったり、
(これね、本当に辞めてほしい!DLSの申し込みでもそうだもん!!理由はこの記事に書いたよ)
アドレスの記入が読みづらく、間違ったアドレスに送ってしまって届かない、なんていう人もいたようです。
分かりやすく、読みやすく書きこむ、というのはとても大事な事。
確かに、最近はパソコンで処理するものが多いけれど、会場で書きこむだとか、
ネットワーキングで連絡先を聞かれた場合なども考えて、メールが届く、読めるっていうのはプライオリティにしましょうよ!!
今回は書類を忘れました、という人はいなかったのだけど、
去年はいたからね。
おいおい。
ゼッケンはなんのため?
オーディションでは名前でなく、番号で処理される事が多くあります。
バレエ学校の試験もそうだけど。
今回は私たちの方でゼッケンを準備していました。
(そうでない会場もあるのでゼッケンについて書いた記事も見てね。)
ただね、ゼッケンの付け方がヘタッピがいっぱい。
ゼッケンとは、試験官があなたを見るために、貴方を判断するためにつけます。
だから番号が見えないと意味がないんだよ?
OK?
この写真のように、どれだけ美しくつま先が伸びて、足が上がっていても、
番号が解読不可能だったら、どうやってマーキングするのさ?
ゼッケンのサイズにもよるけれど、そういった部分まで気を配るっていうのは大事じゃない?
結局、「見られている」という意識が必要なんだよね。
髪型、レオタード、そしてゼッケン。
プロで踊るってことは何千人というお客さんに様々な角度から見られていて、
どこから見ても美しい、というのが大事。
その練習もすべきだし、その意識も持つべきじゃないだろうか?
スペーシング・空間認知力
これも練習できる、意識すればいいエリアだけどできていなかったね。
DLSキッズセミナ―では毎回言う言葉だけど、
「私が見えなかったら、私からも見えません」
これは、オーディションでは絶対に!!大事な事です。
このように並んで、とか
何人で1グループ、とか
リクエストが飛んでくるのがオーディションです。
すぐにその言葉に反応し、その中で自分が踊れる場所を確保する。
これが大事なテクニックなのよ。
コールドバレエでも大事。
あのさ、コールドが出来なかったら、プリンシパル出来ないからね?
例え、隣のダンサーが場所取りが下手くそでも、
それに合わせたり、負けない様にするというのも大事。
イライラしないのも大事。
ローザンヌに行った生徒は、今年の子も去年の子も、レッスンで肘タックルはされるし、
みんな前に行くために戦うって言ってました。
大きなバレエ学校にいけば行くほど、毎日のレッスンでも競争だそうです。
それに慣れていないと、気持ち的に参ってしまう、というのもある。
戦え!と言っているわけではないけど、そういう世界だという事を理解しましょうよ。
アンシェヌマンも、ここでグランバットマンしたらぶつかるんだったら、
ここでタンジュしたら場所がなくなるんだったら、
左右振り付けを繰り返したらバーにぶつかるんだったら。
しっかりと考えて対処しなきゃ!
グランアレグロで最後のジャンプをする場所がない
=
最後の見せ場がない
って事だからね?
英語・英語・英語
今回「も」ですが、英語のミーティングでしゃべれないとか、その後の書類が読めないとか。
そういった問題がありました。
うちの学校は私がいる事、少人数制であること、1年生と2年生の合同クラスが多いことから
日本人先輩に助けてもらう事ができるのだけど、
そうでない学校であれば、自分の選択科目や、スタジオ、エッセイの提出などが分からなくなってしまいます。
英語の記事でも書いたけど、留学っていきなり新しいプリエ!をやるわけではないじゃない?
日本のレッスンでもやってる、プリエ、タンジュをやるわけ。
だからこそ、留学経験を無駄にしないためにも英語力は必要です。
英語力は柔軟性よりも大事かもしれませんよ。
留学を目指しているんだったら。
- だって先生の言っている事が理解できる=上達が早まる
- 友達と会話できる=ホームシックになりにくい
- 自分の気持ちを説明できる=ケガした時にサポートをしてくれる人が増える
ってことでしょう?
英語勉強しても、ケガしませんからね。
そして会話力を磨いたら、英語力も身につくという事をこの記事でも説明したから、
日本語でも自分の意見をしっかりと述べるのは大事ですよ。
オーディションも練習あるのみ
舞台慣れ、とかコンクール慣れをすることがオーディションに密接することはないと私は思います。
だって、オーディション内容はバレエレッスンですから、コンクール慣れしていても意味ないです。
舞台慣れ、だって海外での舞台と発表会だったら全然違うでしょう?
生オケだったら?全幕か、小作品か。
自分がソリストか、コールドか、でも違うよね?
ただね、オーディションは「慣れる」事が出来ると思います。
- いつものスタジオでない床、空間で踊っても冷静になれる
- 周りに上手な子、競争相手がいても委縮しない
- 慣れない会場や交通機関も考慮して体力・集中力を維持する
- 知らない先生からのアンシェヌマンを短期間で覚える
- 同じ年齢の子達の様子を知り、向上できるエリアを学ぶ
- 1,2分踊るだけでなく、1レッスン以上、1日以上続く中で踊る体力やテクニックを身につける
- 友達を作り、他のオーディション情報やネットワークを作る
- レッスン場で見てもらえるような身づくろいや美意識を身につける
ざっと挙げただけでも、このような事は学べますね。
そして、海外でオーディションツアーをしようが、日本で行われるオーディションに参加しようが、
バレエ学校後に、カンパニーオーディションに行こうが。
上で挙げた点は絶対に、100%必要です。
プロを目指しているんだったら、もしくはプロを目指す子達を育てているんだったら知っておいて下さいね。
Happy Dancing!