オーディション、ということは、全員が全員、スポットをもらえるわけではないですね。
それは理屈では分かっているけれど、
いざ、自分が落とされた立場になると難しいもの。
毎年、バレエ学校ではかなりの人数を落とします。
その様子を見ていて気が付いたことは、上手な子が必ずしも受かるわけではないということ。
私も2016年冬期バレエ講習会のオーディションで、何人かNo,といわせてもらいました。
ごめんなさい。
その中には、将来の才能がある若いダンサーもいたし、
ある程度踊りが完成しているであろう、という人もいました。
ということで、オーディションで落とされる理由を考えてみました。
規格外
一番最初にくるのが、これ。
規格外。
どういうことか?というと、バレエ団は特に決まった見た目、というのがあります。
こうやって書くと、体重の事かしら?って思われるけれど、体重は変えられるのです。
それよりも身長。
コールドバレエでは一人だけずば抜けて大きい子や、小さい子は使えません。
大きい子の例として、私と同期だった女の子。
175cm以上の長身に、すごく大きな足のサイズで、ポワントで立つと180cmを超えてしまっていました。
すごく上手でね、ローザンヌでも決戦に行ったりしたけれど、役をもらうのが難しかったみたい。
彼女はそのあと、コンテに強いカンパニーに変更し、
男の子が踊る役を初めて女の子が受け持つ、などという活躍をしています。
規格外=バレエダンサー失格
ではなくって、
自分にあった場所をリサーチし、ダメなところはきっぱりと諦める。
そんな潔さが必要ですね。
今が成長期のダンサーは、絶対に無理なダイエットをしない事。
身長が低すぎて落とされることはとーってもよくあります。
雰囲気
自信のある姿、
ツンツンしているのではなく、一緒に仕事のできるような雰囲気。
このようなものは大切です。
うまく説明できないけれど・・・
「体が完成していない」なんて言葉を使うことがあります。
初々しい、成長する幅がある、など
バレエ学校では特に将来性を見てダンサーを選ぶので、今完璧なダンサーは逆に落とされることもあるのです。
磨かれていないダイヤモンドみたいな?
雰囲気も、エモーショナルトレーニングの一部です。
練習できます。
立ち振る舞いも、メイクや髪型も練習できます。
そのようなものが雰囲気を作る手伝いをしてる、というのは、
カラボスの衣装やメイク、立ち振る舞いを演技することで悪役になりきる、というところからも分かるはず。
いつものレッスンで、そこまで気を付けたことありますか?
レベルと運
上手か下手か、というのは
「周りと比べて」、つまり比較して分かるものです。
スタジオの中では上手だったけれど、とか言いますでしょう?
よってね、その年のオーディションにすごーく上手な子が集まっちゃったら、そのレベルに達していなければ落ちちゃうんです。
去年だったら大丈夫だったけれど・・・
今年のバレエ学校の2年生は稀にみるレベルの高さ。
出席率はほぼ全員が100%。
85%出席率って悪くないけれど、こんなグループにいたら最下位になるわけで。
そこは少し運が関係してきます。
いつもは165cm以上のダンサーを探しているけれど、今年はすごく上手な身長の低い男の子が入団してきた。
彼のパートナーを探している・・・
逆にこんな事もあるんですよ。
来年から全幕もののバレエをレパートリーに増やすからクラシックに強い、手足の長い子が欲しい、
とか
新しい振付家が、こんな体型のダンサーが必要だ。
とか。
運だよね。
DLS冬期バレエ講習会、最初発表したときは2グループ作る予定でした。
一クラス15人という少人数制は守りたいから、2グループ作れば30人のダンサーを指導できると思っていたの。
ただ、1月3日から始まる講習会、ということで、
おおきなレンタルスタジオがうまく調達できませんでした。
よって、15人だけになってしまった。
30人オーディションだったら受かっていた子達も、人数を半分に減らさなければいけなかった都合上
泣く泣く、Noのお返事を返しました。
ごめんなさい。
オーディションで覚えておきたいこと
この記事で書いたように、オーディションの準備はしっかりと。
そして今日お話ししたように、
うまく行かなくても次を目指して頑張りましょう。
という記事で書いた通り、いつでもOKな準備をしておいて失敗はしませんし、
アンダースタディ(代役)、キャンセル待ち、第二候補、というのはいつだって存在します。
オーディションに落ちたから、と凹まない事。
お気に入りの黒のドレスがあるとしましょう。
今度の結婚式には、ゴールドな小物を合わせたい!
って思ったときに、
いくら素敵なシルバーのブレスレットは買ってもらえないんです。
それは、シルバーのブレスレットが悪いわけじゃない。
ただし、シルバーのブレスレットに一目ぼれして、
コーディネートをすべて変更!
なんてこともあるから、自分磨きはしっかりと。
「見る」という研究
見られる、ということを客観的に考えるためには、
見る、という練習が必要だと私は思います。
- 自分だったら何を見ているだろうか?
- 多くのダンサーの中から目につく子は何が違うんだろうか?
- 自分だったらどうやって踊るか?表現するか?
舞台上での発表会ではなく、レッスンの様子を発表するDLS発表会だからこそ、研究できる部分があると思うのです。
- バーレッスンとセンターでの違いは?
- センターと振り付けになったら?
- クラシックとコンテは??
このようなエリアはオーディションはもちろん、DVDやコンクールの予選などでも見られているところでしょう?
前回のオーディションについて書いた記事の様に、しっかりと研究しておく、というのは大切ですよ。
プロデューサーにオーディションについてインタビューした記事がDLSにはありますから、そちらも参考にしてください。
それでは次回は「オーディションでうまくいかなかったとき 感情編」をみていきましょう!
Happy Dancing!