足首のグラグラ!という記事の最後に、見てほしい人はビデオ送ってねーっと書いたら
本当に何人か送ってきてくれました。
なので!!
ケーススタディとして一緒に見ていきましょう!
ビデオの方が分かりやすいんだけれど、ビデオ編集は時間がかかるので、
来日ツアーが終わってから全部まとめて足首研究ビデオにします。
9才のダンサーの卵ちゃんがモデルです。
(お母さん、ありがとうございました!)
**これは動画を見た感想です。治療、診断ではありません!
みんなの勉強素材になると思ってアップしたので、彼女やお母さんへの攻撃コメントは許しません。
あと言いたいことはたくさんあるけど笑 彼女の先生へのコメントも避けましょうか。
彼女がスタジオに戻れない環境になってしまったら悲しいですからね。
また、今日のブログは佐藤愛の頭の中がどうなっているのか?を書いております。
正しい、間違いは本人を見ないと分からないので、医学的なアドバイスではありません。
よく、愛さんナニ考えてるんですか?って言われるから、ダンサーを見ている時こんなんかなーって考えている順番通り書き綴っていきますね。
モデルさんのバックグラウンド
バレエ歴5年、週4回レッスン、週2回コンクールクラス、小3でポワント。
お母さんからの一言
「ここまでで愛さんならワナワナきてると思いますm(_ _)m」
笑!うん!
んでもって
膝の疲労骨折、右小指の痛み、足首甲の疲労骨折経験。
メールにはお母さんからの感想がちらほら入っていました。
正直なところ素人の私には、愛さんの説明を読んでかろうじて左右の違いがわかるくらいでした。
中略
難しいテクニックを無理に何回も練習をさせていたことや生活習慣によるところが大きいのかなというのが私の正直な意見&反省。
確かにさー9歳でしょ、コンクールとかポワントかやっちゃダメでしょ!
って言いたいところですが、本人も理解しているって言うことだし。
何よりも、それがきっかけでDLSを探し、正しい方向を模索しているって事ですから
(正しい足のアライメントをトレーナーさんに教えてもらったり)
今は敢えて追究しないことにしましょうね。
DLS記事を母子で読んで、娘さんがこのビデオを送ってほしい、って言ってくれたんですって。
バタフライエフェクトだね!
ルルベのスタートポジション
送られてきたビデオがはっきりしていなかったので(たぶんメールで送信するために圧縮されたと思う)ちょっとはっきりしないのですが、あしの輪郭はわかるよね?
- 真っすぐに立っていません。
- 両足にイーブンに重心が乗っていません。
お母さんからは左脚のゆがみが気になるとありますが、この角度からは右足の方が気になります。
膝もX脚にちかく、右の足首がかなり外反、つまりロールインしているのがみえますね。(右の甲疲労骨折、小指の痛み…この形のせいでうまくルルベに上がれないのか?
とも思いましたが、気づかなかった疲労骨折だったそうなので、かばいながら踊ったらこう落ちた可能性も十分。
でも、すごくきれいな脚の形ですこと!
筋肉のつき方もよいですねー将来が楽しみです。
ルルベしてみました
では実際にルルベしてみましょう!
左)一番最初に上がったやつ
かなーり右足に偏っているのがみえますね。
左足が安定しない悩みがある+膝の疲労骨折があった、という事でこっちの足を使うのを避けているのかもしれません。
もう一つ気になるのが、メールの中で「普通に立っていても左が開いてしまう」という奴。
左脚の方が長いのかもしれません。
そうだとしたら、膝の疲労骨折や、同じく使っていても安定しない足首、というのの理解ができます。
ただ、整形外科の先生は問題がない、と判断したみたいなので、
左脚股関節の方が外旋できるのか?(緩い)
↓
固定する筋肉が弱いため、外側の筋肉である左脚のヒップフレクサー(大腿筋膜張筋、大腿四頭筋)を使い過ぎる傾向がある(よってゆるやかな筋肉肥大がみえる)
↓
それによって骨盤が安定しない
+左腸骨の前傾があるのでは?(よって動いている時に脚が長くみえる)
↓
膝への負担がふえた
↓
足首も安定しづらい
という方が考えやすいかなー?なんて。
てかさ、今日のブログ、本当に私の頭ノートですな。
真ん中
両足首が落ちています。
説明いらないね。
右
一番派手に足首がグラグラした時の写真(もちろん写真じゃどれだけグラグラしたか分かんないけど)。
真っすぐにみえますでしょ?
つまりね、真っすぐにできる足首なんだけど、真っすぐに使っていないという事が分かる。
疲れてくると・・・
10回やってくれたので途中で疲れてくる様子も見えました。
途中から写真の様にかかとが地面に触るときに指先が浮き始めます。
これは重心が前後に必要以上大きく動きだした証拠。
そして甲の部分にスジが浮き出てるのも見えますね。
これは指の伸展をする筋肉たち。
つまり足の指を持ちあげる筋肉たちで、立っているときには使われません。
これが入っちゃう、ということは、
- 重心が後ろ過ぎる
- 揺れがある
- 内在筋(足の裏や中にある固有筋)たちが働いていない
- 腓腹筋が弱い(ルルベをする筋肉)
という証拠で、筋肉を使ってコントロールするルルベではなくて
重心を前と後ろに振る、シーソーみたいにしてルルベに上がっているのね。
一回のレッスンで何回ルルベしますか?
さて、これは両脚で、パラレルで、自分のスピードで、それだけにフォーカスして10回のルルベでした。
でもね、レッスン中って何回ルルベすると思います?
たぶん10回以上だよね。
そして片足ルルベとか、反対側の足を持ち上げたり、動かしたり、
ポーデブラを使ったり、重心移動があったり(ピケとか)…
何がいいたいか?というと
この強さでは安全に、難易度の高いテクニックをこなすことはできない。
という事です。
筋肉がサポートしていないだけでなく、体(位置)や重心のコントロールができていません。
このような体でポワントを履いて踊ることはできるか?
できません!
ダンサーの足セミナ―でお話し続けていますが、
最低でもしっかりとしたルルベが25回できたいんです。ポワントを履くときは。
両手でバーを持っててもいいけど、25回、片足。
だってそれ以上の強さがポワントルルベでは求められるから。
だからね、彼女は疲労骨折があったのでしょう。
だって骨がサポートしていなくて、一か所に慢性的に負担がかかっているわけだから。
足首のグラグラ最終考察
まずはまっすぐに立ちましょう。
癖かもしれないものね、普段から意識をしてください。
脚の長さが成長期なのか、どっちか長いのか、側弯症の始まりなのか、使い方が下手なのか?などのセカンドオピニオンをもらったほうがいいと思いますが、どちらにせよ、意識を変えて習慣を変えることは大事。
(ポワントを履く子達は、足の大きさが脚のゆがみに繋がることもあったりします。)
そして真剣にレッスン内容と量を考えてみて下さい。
何のために踊っているのか?ゴールは何なのか?
このようは話は幼い子でもするべきです。
たとえそのゴールが将来変わっていても、自分で考えて行動する練習になりますから。
今のまま、こうやってちゃんとルルベさえできていないところでポワント+コンクールレッスンで大丈夫かな?
コンクールに出る理由は??など。
そして自主練としては5回、両脚で完璧にルルベができるか練習して下さい。
こうやってビデオをとって、自分で毎週確認してもいいかもしれません。
悪い癖がーって泣きたくなるかもしれないけれど、体はどんどん変わります!
千里の道も一歩より。しっかりと確実に上達しましょうね。
→デミポイントシューズの作り方eBookにはルルベの注意点やタンジュなど、足の裏や足首の使い方を考える情報が載っています。DLSストアからご購入できますよ。
→10歳以下のダンサーの卵たちに関する記事もたくさんあります。DLS内で検索してみてください。
Happy Dancing!