おなかを入れて踊る、を理解する:下向き腹筋

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2014年にスタジオ訪問をした時、ひとりの若いダンサー(たぶん14歳くらいの子?)が、

「ジャンプが飛べるようになりたい!」と教えてくれました。

 

何が弱いからジャンプができないのだと思う?と聞いてみると

「腹筋」

 

そっか一…

腹筋が弱いから飛べないのね?ということで連続ジャンプをしてみました。

 

どこの筋肉使った感じがする?どこが疲れた?と聞いてみると

「太もも」。

そっか一…

 

その後、彼女の先生とお話しすることができたのですが、

先生は「そんな注意した覚えはないんだけと?」と首をかしげていて笑っちゃいました。

 

腹筋最強説

つまり腹筋さえ強ければとんなテクニックでもできる!という考えはダンサーに定着しているみたい。

 

ィンナーマッスルもそうだけど、

それだけ鍛えておけばオッケー!みたいな都合のいいことは筋肉の世界にはございません。

 

ちなみに、インナーマッスルって英語のような気がするけれど、海外では使いません。

試しに英語のGoogleで検索をかけてみたら、最初に出てきたのはお洋服でした。
インナー、って下着って意味だから。

そんなことは、ここまで腹筋シリーズ読んで勉強してくれた人だったら問題なく分かると思うから、
笑い話として聞いてくださいませ。

 

ここからは下向き腹筋という「バレエの立ち方できてますか?」の95ページにも載っているエクササイズをご紹介します。

 

ほかのエクササイズたちは「こっちの本に書いてあるから、気になる人はあとで読んでね」としてありますが、この子だけ再度説明するのは、すっげー大事なエクササイズだから。

 

心してかかってください。

エクササイズのやりかた

うつ伏せになります。

手を組み、その上におでこを載せておきましょう。

両足のかかとと親指の付け根(外反母趾になるところ)を揃えて、内転筋もしっかりと。

 

ぐるっとおなか周りを包んでいる腹横筋のイメージで、おへそを背骨の方に持ち上げます。

骨が動くのではなく、腹筋たちが内臓を床から持ち上げてくれます。

 

 

この姿勢になると腰が痛い、太ももの前に力が入ってしまうなとの問題がある人は、

足首の下にタオルやフォームローラーなとを入れて膝を曲げてみてください。

 

エクササイズを始める前に肋骨と骨盤の前側が地面についていることが大切になります。

胸や太ももの形で、骨盤の前の三角形が地面につかないなら、

おなかの下にタオルやバランスパッドを入れて。

 

 

どうして下向きで寝っ転がっておなかを持ち上げる「だけ」で腹筋エクササイズになるのかって?

腹横筋のお仕事はウエスト周りをぐるっと囲み、腹圧を保つことでしたね。

 

このエクササイズでは、

内臓をおもり代わりに、おなかを持ち上げてホールドする

という動きをしているのです。

 

腹筋4人の中でコアマッスルグループにも所属する腹横筋をメインにしているけれど、

内腹斜筋、外腹斜筋も肋骨の横側についているからウエスト周りを細くするイメージが効きます。

 

このエクササイズでおなかを浮かせることだけにフォーカスしてしまうと、

骨盤が浮いてしまったり、腰椎の部分が丸くなってしまったりします。

股関節の前が屈曲してしまうのにも注目。

 

これでは、踊る時に骨盤がタックのポジションに入っていることになるし、

  • 腹筋を使う=腰を丸める
  • 股関節の前を縮める

という練習をしていることになってしまいます。

 

  • おなかが〇cm地面から持ち上がったらOK
  • おなかが地面から上がれば上がるほと素晴らしい!

というエクササイズではありません。

 

おへそは背骨の方へ、

だけど背骨もおへその方へ、

という両方向のイメージをお忘れなく。

 

  • 息を吐きながらウエスト周りをぐるっと縮める →息を吸った時におなかをリラックスさせる
  • 息を吐きながら下向き腹筋 →5呼吸してもおなかをキープできるかを確認
  • どんな呼吸スピードでも下向き腹筋の状態をキープできる

という順番で、どんどん難易度をアップさせてください。

 

この、ほとんど動かないエクササイズでさえ、おなかにフォーカスした途端、両足をしっかりと揃えておけない…というダンサーは、

踊っている時に腹筋と内転筋、両方一緒に使えないということになります。

 

それじゃあ舞台に通用しませんよね?

脚は動かしていないかもしれないけと、脱力しているのではないからね。

 

すごく簡単なエクササイズなのに、

おなかの筋肉を使う代わりに首に力が入り、肩が上がってきてしまうダンサーも結構見られます。

 

バレエでいう正しい姿勢、つまりバレエスタンスは

  • 骨盤をタックにもダックにもしない
  • 腰椎を落とさない
  • 内転筋を使って立つ
  • 肩はリキまない

でしょう?

下向き腹筋のように単純なエクササイズの時からバレエスタンスを意識して正しくやって頂戴ね。
(だから「バレエの立ち方できてますか?」本で紹介されているんですよ!)

 

ダンサーの腹筋を解剖学からエクササイズ、バレエテクニックまですべてのエリアで勉強する「ダンサーの腹筋事情」eBookはDLSストアより好評発売中です。

 

Happy Dancing!

ai

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