レッスン場での態度

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態度のことを英語でアチチュードといいます。

後ろに脚を上げて膝を曲げる、アイツとは違います。

 

Attitudeと辞書で引くと、態度、とだけでなく、気持ち、とか心構え、とかも出てきます。

時々、日本語を英語にして、また辞書を引くと、ニュアンス的なものが出てきて面白い。

「レッスンの態度」というと分かりづらいものですが、「レッスン中の心構え」と言われるともうちょっと通じるものがあるよね?

 

すごく、すごく、すごーーーく大事です。

 

でもね、あまり話されることがありません。

なので今日は書きます。

見た目

この部分は「THE見た目。」という記事でしっかりと説明していますし、今年の頭にあったDLSカンフェレンスでもゲストのひろみ先生とともにお話しさせていただきました。

 

レッスン中のお化粧や髪の毛、というものも見た目の一部です。

そしてここに心構え、態度というものは出ます。

 

どーしてよ?って思うかもしれないよね。

特に若い子達は、踊りがウマけれりゃいいでしょ?って。

だけどね、大人の世界はそうではないんです。

 

おとうさんがいつもスーツをびしっと着て会社に行くように。

お母さんがお化粧をして授業参観に来るように。

高校受験では髪の毛の色、就活ではバックの形まで見られているように、

大人の世界っていうのは第一印象がとても大事なんです。

 

ダンサーもそうなのよ。

いきなり!を手に入れるために」という記事でも書いたけれどチャンスはどこに落ちているのか分かりません。

オーディションの時だけ頑張ろう!っていうのは、コンクールの時だけ衣装来よう!って感じ。

やっぱり重さや感覚が変わりますから、衣装合わせして踊りますでしょ?

そういうものだよね?

 

朝、ギリギリで寝坊してきました!っていう感じの見た目のダンサーと、しっかりと準備ができているように見える子。

どっちの方がレッスンにかける気持ちがあるように見えますでしょうか?

集中力

この前の目線の記事でも書いたけれど、集中してレッスンを受けている、というのは態度の一部です。

ほら、態度=気持ち、内面が出るという意味でね。

 

集中力はケガ予防にも大事ですし、1回のレッスンをよりよいものにするためにも大事。

集中するだけで、同じ動きも違って見えるし、上達も速まります。

 

指導する側として、集中しているダンサーを教えるのは楽しいです。

これね、人間だから仕方ないの。

みんな平等、っていうけれど、10%の力を出している子と80%、100%の子がいたら、

その子達を33.333%ずつ見るのが平等かしら?

それとも出されたエネルギーに対して、頑張っている努力に敬意を表して、指導者側も10%、80%、100%とするのが平等かしら?

 

集中力は願っていても勝手につきません。「力」だから。

持久力ってマラソンとかやらないとつかないよね?

瞬発力って椅子に座ってて身につくものではないよね?

 

そう、力「パワー」って実際に使わないと身につかないし、強くならないんですね。

だから集中力もレッスン中に少しずつ作り、3時間の舞台に使えるようにするわけです。

 

どうやって?っていうのは色々な方法があるけれど、まずはこの前書いたブログにある目線をレッスン中に「絶対に!」おとさないっていうのをやってみて。

放課後の自主練

この前、バレエ学校の生徒の一人が外部のコンクールで1位を取りました。

すごく脚が上がるとか、めちゃめちゃ甲が出るとか、ジャンプが高いとかではない子。

 

だけれど、彼女がバレエ学校に入学してからコンスタントにスタッフから言われる言葉があります。

「彼女は努力をしている。」

「彼女はコンスタント(一定、絶えず、忠実、という意味だね)だ。」

 

常に前向き、愚痴は言わない、先生の言うことを聞いている。

常連の先生だけで6人以上いますけど、皆が言うことだね。

 

そして、放課後一人で黙々と練習している姿も「コンスタントに」目撃されています。

もちろん、私たち教師はそういう時「頑張ってるねー」なんて声かけませんよ。

子供じゃあるまいし、褒められるためにやっているんじゃないんだから。

(といってもここでお話ししている彼女は15,6歳。高校1年生かー。普通の生活してたら子供ですけどね)

 

ただ、皆知っているンです。

そしてそれが彼女のバレエと向き合う態度として認知される。

*真夜中を過ぎても練習する、って言ってないよ…

ボディランゲージ

今週末、バレエ学校ではガラパフォーマンスがあるんです。

舞台なので役がある。

役があれば、アンダースタディと言われる代役も練習しながらリハーサルに出ます。

 

まずね、第一キャストではない、という部分で落とされている、という理解、つまり周りから遅れているという理解と焦りが必要です。

 

そして、その上で皆は毎回リハーサルでたくさん踊っているのですから、その分何倍も努力しないと間に合わないって理解が必要です。

でもねー残念ながら、そういう気持ちが見えた子は本当に少なかった。

 

暇だなー、とかぼーっと立っている姿が見えたのも事実。

確かに、ホリディ返上で毎日リハーサルがあります。

毎日3時間立って、他の子達が踊るのを見ているのはつまらないでしょう。

だけどね、それが現実なのよ。

 

今日のあなたは今日作られるンではありません。

今日のあなたは昨日までのあなたの積み重ね。

将来のあなたは、今日を積み重ねていった上に生まれるもの。

 

そういうところを私たち教師は見ています。

今第一キャストで踊っている子よりもいい踊りを後ろでしていたらチャンスが回ってくる可能性だってあるし、

そういう目で見ているのも事実です。

 

実際にリハ中、私が窓の外から見ていたら、校長先生は私に対してコメントをしてくるし、

私の話を生徒にすることもあります。

スタジオの外にいてこれなんだから、スタジオ内にいるみんなの事を、彼女が見ていないわけないじゃない!!

態度も練習するもの

表現力セミナ―の一部で、水井博子さんが言っていました。

「もしあなたの顔が普通にしている時に口角が下がっていたら、それを上げて(笑っているわけじゃないけど)真剣な表情をつくる必要がある。」

「真剣な表情って怒っているのではないし、自然でないこともある」

 

表情筋を鍛える、姿勢を直す、レッスン中の目線を変える、お化粧をする・・・

こんなんで印象がガラッとかわっちゃうんです!

 

ロイヤルバレエ学校に留学している生徒がこの前もらったレポートには態度などの項目が3つほど、

そして寮母さんからの生活態度のコメントもあったそうです。

その部分がすごくよかった彼女、ロイヤルバレエ学校来年も奨学金生徒で、パフォーマンスにも2-3年生に交じって大抜擢されています。

こういうもんなんですよ。

 

練習してくださいよ?

態度の練習しすぎてケガしないし、ケガしていても出来ることなんだから。

そして、足を高く上げる振り付けの前に、回転やジャンプの前に、オーディションで最初に目につく場所であるということもお忘れなきよう…

 

Happy Dancing!

 

 

 

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