今日のお題は脚のラインについて。
O脚、X脚など名前がついているものから、筋肉の付き方についてまで、脚のライン全般をバレエ向きに変える事ができるのか?という話をしていきましょう。
まずは質問を読んでね。
答えはYes!
脚のラインは変わります。
ただし、年齢によっては脚の骨格は変わらないかもしれません。
鼻の高さとか頬骨、肩幅などと同じように、骨格というのは骨で構成された構造の事なので、生まれつき(遺伝)という部分も大きいから。
そうは言っても成長期の子たちは十分気を付けてくださいね。
成長中の体=骨が出来上がっていない
となるので、間違った体の使い方をしていると、力や負担がかかる方向へ曲がっていってしまう事もあります。
成長期に運動のし過ぎや栄養が足りないと、成長させるよりも保存に力を注いでしまうので、
遺伝的に「ここまで伸びるよ」という長さまで到達しないこともあります。
ただ、この部分は今日のトピックではないので、ここまで。
引き続き、脚のラインについて見ていきましょうか。
骨格とラインの違い
骨格=骨で構成された構造の事。
では質問にあった「ライン」は?
ラインって言葉には色々な意味がありますが、ここでいうのは辞書によると
「衣服や人の体が形づくる輪郭の線」という意味。
脚のラインの輪郭ってなんでしょうか?
そう、筋肉の事。
筋肉がつきやすい、つきにくいとかは遺伝の部分もあるし、食生活だとかほかのエリアが含まれてくるので見ていきませんが、
人間であれば絶対に当てはまる法則というのが、筋肉にはあります。
使えば強くなり、使わなければ弱くなる。
脚のライン=筋肉の形だと仮定したら使い方を変えればラインも変わると分かりますよね。
1つ問題解決。
バレエ向きのラインって何?
次の問題はバレエ向きのラインってやつ。
この部分は解剖学では解決しない、やっかいなヤツです。
なぜか?というと趣味嗜好の世界だから。
カンパニーによって好き嫌いもあるし、ダンサーに合うか合わないかという個人的な部分もあります。
ダンサーに合うか合わないか、というのは上半身と下半身の筋肉バランスとかってことね。
よく、下半身だけ「筋肉太り」なんですって言うダンサーがいるんだけど、
その人達の上半身の弱いこと!
上半身のお仕事を下半身が受け持たないと踊れない
=
下半身の筋肉「だけ」育っていく。
Again、筋肉の法則で使えば強くなり、使わなければ弱くなる。
上半身は使わないからどんどん弱くなり、下半身は使われるから育っていく。
必死でサポートしている下半身の筋肉たちは、嫌われる。
なんだか可哀そうじゃない?
あの子たち、頑張ってるんだよ?
話がズレた感じがするよね。
バレエ向きのラインを手に入れる為にはどうしたらいいのか?を考えていたのに。
ライン=筋肉だとしたならば
正しいバレエレッスンを受けて、正しい使い方を練習していけば、バレエで使われる筋肉が育っていく。
つまり、バレエ向きのラインは正しいレッスンで手に入るのです。
上半身VS下半身でお話したように、どこかに偏りがあったり、強弱があったら上手くいきませんよ。
- コンクールの練習でいつも同じ方向だけ使う
- 基礎が身についていないのに、がむしゃらにパワーだけでテクニックをこなす
- 好きな軸足、方向だけ練習する
なんてしていたら上手くはいきません。
もしかしたら、既に使い方が癖になっている場合もあるので、毎日の生活で意識しなければいけないかもしれませんね。
例えば
- ターンアウトして歩かない
- 片方の脚だけに重心を乗せない
- 意識的に脚を開かず(脚を組まず)座る
- タック、ダックで生活しない
などなど。
バレエ向きのラインのためにも知識が必要
正しく使え、って言われたって…と思う人も多いかもしれないよね。
だからね、バレエ向きの脚のラインを作るためには、正しい知識が必要なんです。
- バレエテクニックの知識
- レッスンで正しく体を使えるようにするためのエクササイズの知識
- 自分の体を理解できる知識
例えば、O脚に悩んでいるとするじゃない?
バレエの立ち方本にも書いたけれど、O脚とはどういう形に骨が形成されているのか?(骨格部分)を理解して、
どこを使えばいいのか?を考えて自主練に取り込む&レッスンで意識する
としたら体の変化が見えやすいと思いません?
スタンス本P22 から引用すると、
「殆どのO脚は太ももの骨がターンインして膝蓋骨が内側を向いています。よって膝のお皿の向きを意識できるバレエスタンスはO脚にも有効なのです」
と書いてあります。(書いてありますってのはヘンだね。自分の本なのに。)
その隣の図でキーとなる筋肉は
- 外旋六筋
- 内転筋
と書いてある。
その2つを鍛える方法はスタンス本やターンアウト本にあるわけだよね。
もう少し先に進むと、この筋肉たちの反対の動きをする子を理解出来たらそちらのリリースをするのもいいよね。
- 外旋六筋の逆の動きは内旋。
- 内転筋の逆の動きは外転。
そうしたら、股関節内旋と股関節外転をする筋肉を勉強したら、TFL、中臀筋をリリースすればいいんだなと分かる。
あれ?これもスタンス、ターンアウト本に書いてあるじゃない。
ほらね、知識があると何をしたらいいのか?が見えてくるでしょ。
これが最初の一歩です。
その後は、自分を信じて、正しい方向へ努力するんです。
努力してますーではなくって、努力します。
他の人には笑われるかもしれません。
先生には不可能よ、といわれるかもしれません。
お母さんには、遺伝だから、なんていわれるかもしれません。
放っておきなさい。
上で書いた知識を100%やっても、悪い事はなーんにもおきません。
バレエで内転筋が必要じゃないことはないし、ターンアウトを作る筋肉が強すぎるって言われたことないでしょ?
膝などの関節に負担をかけなくなるので将来のケガが減り、テクニックが向上し、
自分に対して厳しく出来たので、次にチャレンジが来ても這い上がれるだけの精神力が鍛えられます。
ね、何も失う物はないんです。
「きれいな」ラインを求めるべきじゃない
ここで大切な事は「きれいな」ラインは求めるんじゃないよ、ということ。
きれいなラインっていうとなぜか細い、というのが出てくるんだけど
細くても、バレエで使えなければ意味がないよ。
舞台で立てなきゃ意味がないの。
きれいになる筋肉、っていうのも存在しません。
動きじゃないから。
きれいっていうのも時代、人の趣味嗜好、その時の流行りによって変化します。
カンパニーのディレクターが変わったら変わるし、3000人という観客席の皆が一致団結できるきれい、というのも存在しません。
ダンサーは踊れてナンボです。
ケガを最小限に押さえて、舞台で最大限に踊る。
これが出来なきゃ、「きれいな脚のライン」は意味がないってことも覚えておきましょう。
まとめ:バレエ向きな脚のラインに変える方法
- 正しい知識を身につけ、目先のニンジン(コンクールに出る量や難易度の高いテクニックなど)に惑わされないこと。
- 踊り方、レッスンの受け方、日常生活で癖になっていたら、早く結果は出ないかもしれませんが、諦めないこと。
- 最終ゴールである踊れる体、というのも忘れないこと。
そうすれば、誰でも、バレエ向きな脚のラインを手に入れられることを知っています。
信じています、じゃなくって、知っています。
Happy Dancing!