やさしいダンスの解剖学という本はアマゾンによると1972年に原本が出版されたらしく、
もちろん内容もちょっと古い部分があるのですが、
70年代からこのような解剖学的アプローチが海外にあったということは画期的だったんでしょうね。
ちなみに日本語版になったのは1999年だそうで、言葉の壁というか、需要の壁というかを感じますが・・・
この本の第7章 足という部分の最初に書いてある言葉を引用します。
「・・・生まれつきの関節の形は変わるわけではないが、足については状況は違ってくる。
どのタイプのダンスにおいても、足にはかなりの役割が求められる。
特にバレエでは、特殊な役割が要求される。
足はしなやかで、かつ、手と同じように感受性豊かにならなければならない。」
9月に来日し、新しいセミナーたちをご紹介しようと思ったとき、おおきな壁がありました。
もちろん、それはこっち(バレエ学校やクリニック)の生活を犠牲にすること。
1月、5月、に引き続き9月のセミナー準備。
それに伴う仕事増加と、比例するストレスや、家族との時間の消失。
それ以外にも、こんなに来日したらみんなに飽きられちゃうんじゃないか?なんていう自信のなさも一つ。
これね、毎回そういうことを言うからスタッフに怒られます。
愛さん、ネガティブなこと言わないの!!って笑
どーしよーかなーとかなり長い間考えていたのですが、
ダンサーから足に対しての質問はおおいし
足のケガはダンサーにとって致命的で。(修復しない疲労骨折、手術の失敗、意味のないギブス・・・今まで実際に診てきたやつね。)
だけど、どうせDLSとしてダンサーの足セミナーを行うのならば、
足先が、甲が出るようになるマジックセミナー!!
みたいなことは言いたくなかったし、形を追い求めたり、ただ解剖学を本から学ぶのは意味がないって思ってる。
じゃあ、ダンサーにとって理想の足って何?って考えたら、強い、しなる甲。
だけど強い、しなる甲は何のため??
と考えたらそれは表現力のため。って結び付いたんです。
どんなエクササイズでも、テクニックでも形を追い求めたらバレエは芸術でなくなってしまうと思う。
何回回転できたか?
どれだけ脚が上がるか?
これらが悪いわけではないですが、それ「だけ」追い求めたらだめじゃない?って事。
回転の量も、デベロッペの高さも。
これらができればできるほど、つまり人間として可能な動きが増えれば増えるほど、
表現の幅が広がるって訳です。
うまく使えればね。
人間的に不可能だろうと思われる回転=キャラクターの妖艶さや、この世のものではないような動き。
強いテクニック=強いキャラクターの性格
天に向かい伸び続ける脚はエネルギーの伸びや、自由を求める白鳥の嘆きみたいに見えてくるわけ。
静かなジャンプの着地
足先まで伸び続ける動きの大きさ、意識の強さ。
強い足先から繰り出される安定した踊り、表現力。
そうやってダンサーの足を考えてほしいというのが1つの考え。
もちろん、それだけでなく、トウシューズをしっかりと合わせることでケガを防いだり、トレーニングになったりする話もしたいでしょ?
治療家・トレーナーにダンサーの足を理解してもらうことでより多くのダンサーをサポートできると思った。
こういう考えの元で9月セミナーの内容を決定しました。
出来れば、ダンサーのみんなに表現力セミナーとダンサーの足 インテンシブを一緒に受けてほしいな。
テクニックと、表現。って別々に考えるのではなくって、
表現のためのテクニック、って考えてほしいから。
このようなエリアを指導する人のために、グループ2は教師やアシスタントの人達も受講できるように年齢枠を上げました。
このようなエリアを治療、トレーニングするために治療家・トレーナーのためのセミナーを作りました。
一番質問が多いエリアだからと思って愛さんに聞いてみようliveも作りました。
素晴らしくオタク度の高いTシャツも作りました。
(足の骨の数と無限大のマーク。つまりダンサーの足の可能性は∞だってこと!)
もちろん、継続的にサポートを続けている教師のためのバレエ解剖学講座参加者のためのマスタークラスも準備してあります。
9月に来日することで、みんなの役に立てたら嬉しいです。
強い足先を作るデミポイントシューズの作り方eBook
Happy Dancing!