ポワントで踊る。
これってダンサーの卵たちにとっての夢ですよね。
初めてトウシューズを履くってお姉さんになった気分になるわけです。
大人バレエトレーニーさん(大人でバレエレッスンを受けている方々をDLSではトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます)にとっても憧れの瞬間ですよね。
やっとここまで来たのか…なんだか感慨深い気持ちになるでしょう。
が。
ポワントで踊る=ポワントで立つ
だけじゃないんです。
それを理解していないと、ポワントで踊ると生まれたてのキリンさんみたいになっちゃいますよ。
そして、ケガに繋がります。
なのでこのポワントで「踊る」ということ、いくつかに分けて深く考えてみましょう。
DLSにあるポワント、足先についての他の記事を読んでおくと理解が深まると思います。
ポワントで立つということをしっかりと考える
確かにフラットシューズとポワントシューズのおおきな違いは、あの小さな面積の上に立つことです。
ということはどういうことなのか?
自分の軸をより小さな空間にもってくること
自分の体重を自然界上デザインされていない不思議なところでキープするだけの運動力・筋力
脚、しいては全身の動きの幅が変わること
例えばね、みんなの靴のサイズが24㎝だとしましょう。
デミポイントに立つっていうことはその約3分の1あたりに体重を持ってきて、
そこで体を支えるって事になりますよね。
3分の1かどうか測ったことないけど、見た目的にそんな感じ?
ポワントで立つ=体を支える面積がもっともっと小さくなること
デミポイントってエリアは生活で使うんですよ。
例えば走る。
この部分で地面をけって走りますでしょう?
ちっちゃい子がつま先立ちしてよちよちしたりとかね、背伸びしてモノを取ろうとかね。
だけど、つま先の先の先。つまりポワントで立つっていうのは日常でみられませんよね?
いたらさ、きっと足の骨折ってるから。
ポワントで立つためには、運動能力だってたくさん必要
かかとの骨が大きい理由はその上に脛の骨がのっているから。
腰椎が背骨たちの中で一番大きいように、骨盤の骨が大きいように、大きな重さがかかるところの骨は大きくなっていますでしょう?
それを、指先っていうところに、上から乗っかる形で重さがかかるんですから、それを可能にできるだけの筋力や、そこに重心を持って来るという運動能力が必要なんです。
手先をピンって伸ばしてみましょう。
今やってみて。
伸ばしましたか?
まだ伸びるんじゃないですか?
手首はどうですか伸びてます?
ぜーんぶの指を広げ、ぜーんぶの関節を伸ばしてみて。
どうです?
意識していたよりも伸びますでしょう?
今度は右利きの人は左で字を書いてみましょう。
左利きの人は右でね。
あいうえお。
どうでした?
体を思い通りに動かすって結構難しいんです。
目で見ててて、手の様によく使う部分でさえ難しいんです。
別にさ、右手の方が左手よりもたくさん筋肉があるわけではないでしょう?
だけど利き腕、つまりなれている部分は使いやすいですよね。
つま先で立つということになれている人はいないわけで。
いつものレッスンで使っている(=なれている、と思いたい。だってポワントで踊るって事はある程度の時間レッスンをこなしているはずだし、そうでない人は履いちゃダメなんだから)
ところよりもより遠くにすべてを伸ばさなければいけないんですよね。
ルルベで立つ高さも高くなる。
ピケに持って来る体の移動も大きくなる。
それを、1番目で見たように小さな面積の中に集めて、2番目で見たように筋力、運動力を使って踊るわけです。
ポワントではいつも少しズルしている部分がよく見えます。
ルルベの前にかかとを上げちゃう子はそれがより大きく見えるし、
つま先を丸める癖がある子はシューズの中でそうしてしまいます。(しかもシューズが固いから先生から見えない。って事は注意されないので上達しません!)
ジャンプでつま先を伸ばし切れていない子はスリッパはいた見たいな脚になってしまうし、
しっかりとプリエで止まれない子はプリエが浅くなり、ひざは内側に落ちます。
ロールインは酷くなるし…
ってリストは長いですが!!
分かってもらえましたよね。
しかもね、バレエではポワントで立つだけじゃなくって、
回るんです。
飛ぶんです(そう、つま先立ちのままで飛ぶんです)
しかも、ポワントを履くことで動きが変わるステップがあるんです。
ここまでできるのがダンサーに求められるポワントで立つって事。
これだけでも大変そうでしょう?
だけどね、ポワントで「立つ」だけではポワントで「踊れる」ようにはなりません。
次回はこの「立つだけじゃない」って部分を考えてみましょうね。
Happy Dancing!