アレグロ苦手克服大作戦!パート3の今日はアレグロに必要な運動能力を考えていきましょう。
パート1ではアレグロって一体なに?どうしてそんなに難しいの?という事を考えましたね。
そこで分かった事は
- アレグロとは早い音楽での跳躍。
- アレグロには大、中、小のサイズがある
- 大、中、小、というのはダンサーのレベルによって様々である
ということ。
そしてそれをダンサー流に考えると
- アレグロをしっかりと踊るためには早い音楽についていけるだけの運動能力、音楽性、跳躍力が必要である。
- アレグロをしっかりと踊るためには、プチ、ミディアム、グランアレグロ全てをマスターする必要がある。
- アレグロを上達させるには、プチ、ミディアム、グランの順番で自分の苦手ジャンプを練習していく必要がある
という事が分かりました。
パート2ではアレグロのレベル(サイズ)を説明するプチアレグロ、ミディアムアレグロ、グランアレグロっていうのをアッサンブレという超基本な動きで考えてみました。
そしてそこから分かった事は、
ダンサーのレベルによって、アレグロのレベルも変わってくるってことでしたね。
つまり、苦手なステップがあったらそのステップの1段階前に戻って練習する事で克服できるって分かったわけ。
苦手克服にちょこっと近づきましたね。
今日は、運動能力とアレグロを考えていきます。
テクニックというのは練習で上達するエリアです
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説によると、
運動能力(motor ability)とは
走,跳,投,泳などの運動を代表する能力。
基礎体力 (筋力,持久力,敏捷性,柔軟性など) に比べて,それを基礎として発揮される能力であり,ある程度演技力 performanceが含まれ,練習を積重ねることにより向上する。
と書いてあります。
アレグロそのものをさすような言葉ではありませんか?
アレグロは他のレッスンエクササイズと比べ長さもあるし、難しいステップも入っているし、つなぎのパも沢山あると思いません?
という事は、基礎体力、と書かれていた部分はバーレッスンやセンターレッスンで培われるって考えられますよね。
筋力を育てるためスローなプリエや反復したタンジュを含むバーレッスン。
持久力を高めるための1時間半以上のレッスン。
敏捷性を高めるためのプチバットマンやフラッペ、
柔軟性を高めるためにバットマン系は床の高さ、45度、90度、120度…と増やされていきます。
そしてそれを基礎にした上で演技力を追加したものがアレグロになると思いませんか?
嬉しい事に辞書には「練習を積み重ねることで向上する」って書いてるでしょう?
ってことはね、みんなアレグロが上達できるって事なんですよ!!!!
アレグロを上達させるためのレッスンとは?
みんなが上達できるはずなのに苦手意識が高いのはどうしてでしょうね?
レッスンをしていれば自然と上達していくんではないのかしら?
その答えを知るためにいくつかのエリアを見ていきましょう。
1)基礎!
基礎体力を基礎として(なんだか当たり前の言い方だけど…)発揮される能力なので、
その基礎がなければ発揮できません。
基礎ができていない。
例えばアラセコンドにジュッテをするときに骨盤を動かしてしまったり、
まっすぐに片足フォンジュが出来ていないと…
そう、パート2でみたアッサンブレが出来なくなります。
動きを分析すると分かるでしょう?
アッサンブレって片足ジャンプ。
という事は片足フォンジュがしっかりできていなければ飛べない。
アッサンブレは5番ポジションのデリエールの脚がジュッテの高さを通り、デヴァンに入る。
つまり、ジュッテアラセコンドで骨盤が動いていたらまっすぐ飛べる訳がないね。
2)パフォーマンス力!
踊り心があるとか、ないとかって言われますが、これね、練習でどうにかなるんですよ。
もちろん、元々表現することが得意な子もいますが、得意=上手、とは限らないわけで。
この部分、DLS2周年記念のビデオで答えているので下のビデオを見てください。
表現したいものを、体現できるだけの体のコントロールも必要です。
大きく表現したい!とポーデブラをしたら、体幹がグニャグニャになっちゃったり、
アラベスクを上げたとたん首が固くなってエポールマンが使えない、では困りますからね。
また、表現したいと思っていても振り付けを間違えていたら本末転倒。
自分勝手な振り付けは、振り付けと呼びません。即興ダンスって言います。
振り付けを覚えることは絶対である、という記事を読んでみてください。
特にアレグロで振り付けが覚えられない・・・という人のレッスンを見ていると、他の部分でも振り付けを覚えていません。
ただ、他のエリア、特にバーレッスンとかはほかの人を見ながら動いても間に合うし、
間違いが目立たないということもあります。その場にいるからね。
アレグロは間違えると、間違えたことがすぐに分かるんですよ、他の方向に動いてしまうから。
3)持久力!
先ほど、レッスンは持久力作りに・・・と書いていたけれど、それは楽しんでバレエを踊りたい子たちは、ということでした。
バレエレッスンをトレーニングと見ている私にとって言いにくい事実。
バレエのレッスンは持久力作りに効果的ではありません・・・
確かにね、レッスン自体は1時間半だから、ある程度の持久力はできますよ。
だけど、1時間半ずっと動いているわけではないでしょう?
アンシェヌマン一つは1分―2分。その合間は先生の話を聞いていたり、マーキングしていたり、順番待ちをしていたり。
プロを目指していたり、長期にわたるコンクールやオーディションを考えている人など、
もう一段階高いレベルでのアレグロを目指す人はこの部分は自分で鍛えておきたいところです。
練習量を考えよう!という記事で具体的に何ができるかを書いてありますから参考にしてください。
アレグロ苦手克服のヒント!
基礎の上に成り立っているから、アレグロってレッスンの一番最後にくるわけですね。
アレグロが苦手。という人は基礎に戻って自分がどうやってレッスンを受けているのか考えてみましょう。
- レッスン前の人間としての体力や持久力。
- レッスン中の基礎エクササイズ。
- レッスンの前提である振り付けを覚えるという練習。
これらはアレグロにが手を克服する時に大事になってきますよ!
確かにね、ジャンプ力とかコーディネーション力とかも必要なのですが、それってレッスンをしっかりと行っていると身についてくるもの。
目新しいエクササイズとか、勝手な思い込みとかを忘れ、初心に還ってみることはアレグロ克服に繋がるのです。
Happy Dancing!