今日のテーマ、バレエ教師、と言っているけれど、
子供との温度差、でもいいし、
周りとの温度差、でもいいですね。
将来ダンサーになりたいのならば、もう少し真剣にレッスンしてほしい親だったり、
プロになりたい!って思っているのに、周りは真剣にとってくれない、
なんてシナリオもあると思います。
色々と応用してください。
今回の質問は、スタジオ訪問にお伺いした主催者の方からでした。
私を読んで下さる、ってことは解剖学に興味がある先生、ってことですよね。
だけれど、生徒はイマイチ(どころじゃない!?)大切さを理解していないみたい。。。
どうしたらいいでしょうか?
ってことですね。
この問題には大きく分けて2つの切り口があります。
- 時間差
- 理解差
これがあるから、温度差に感じてしまうのだと思います。
時間差
例えば。
教師のためのバレエ解剖学講座に来て下さる先生の中には、
今まで解剖学講座なんて受けたことがなかった!
という人も多くいると思います。
だけどね、ステップを踏んだのが、私の講座だっただけで、
その前から解剖学に興味があったと思うの。
DLSってそんなに有名ではないから、
検索して、Facebookの記事を読み続けて、
色々考えることがあって、
そして講座に申し込んだと思いますが、どうですか?
自分でも怪我に悩んでいたのかもしれないし、
多くの生徒が怪我をしている姿を見ているのかもしれない。
無理なテクニックに疑問を持っているかもしれない。
これって、長い時間をかけて行う思考回路。
一方、生徒はというと先生に言われても、
自分で考えるきっかけがなかったのかもしれない。
もしかしたら、少しずつ興味を持っているのかもしれない。
忘れてはいけないことは、
生徒たちは「生徒」なんです。
つまり先生の後ろ姿をみて成長している子たちなの。
12歳の時に、ポワントのためには強い足の筋肉が必要だ、なんて考えていました?
それともポワントシューズ見ただけできゃーーーーーーー!?
16歳の時に、ちょっと痛い足首は股関節からのターンアウトが足りないからだ、なんて思いました?
バーレッスンなんてつまんないなーって思っていたんじゃない??
私たちの中でも時間が経たないと重要さが理解できない事ってたくさんありますでしょう?
若いころの肌はファンデーションなんていらなかったけれど、
おしゃれ好きな10代は化粧したくってしょうがなかったり。
それを理解して、適切な言葉をかけることでできるだけ早い理解を促してください。
理解差
ウォームアップが大切だ、って知らない人はいないと思う。
だけど、毎回、毎回本当にしっかりとウォームアップができる人はどれくらいいるだろう?
これが理解差。
彼女たちの中では理解しているつもりなのかもしれません。
彼女たちの中では頑張っているつもりなのかもしれません。
だけど、外から見ていると足りないのが目につくわけ。
解剖学もそうだけれど、机上の知識になってしまう部分って大きくて、
本人は中々気づきにくい落とし穴。
- パブロフの犬みたいに習慣化させてしまうか(若い人、始めたばかりの大人バレエトレーニー*さん)
- 効果がすぐに出ることを証明するか(生意気な10代向け)
- 理論から頭に叩き込むか(頭でっかちになりがちな長年ダンサー)
- 実際にやらせて嫌ってぐらいダメ出しをするか(教師向け!だから鬼の愛)
*DLSでは大人でバレエレッスンを受けている方々をトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます。
生徒のゴールにもよりますが、
私は上のすべてを生徒たちに実行しています。
でもね、ここまでしっかりというためには、自分の中で120%理解していないと無理ですね。
付け焼刃の知識では説得力が違いますから。
最後に。
忘れたくないことは、バレエ教師はバレエで食べています。
生徒たちにそれだけの真剣さがなくて当たり前です。
教師のほうが、いつだって真剣です。
たとえ、プロを目指している子たちでも、今までバイトをしながら、
生活とバランスをとりながら踊っている子は本当に少ない。
だって、彼女たちは社会人になったことがないんですから。
そこを忘れなかったら、きっとよい関係が築けると思います。
Happy Dancing!