ちびっ子ダンサーを教える先生から質問がありました。
「幼い年齢の子達はどんなコンディショニングをしたらいいでしょうか?」
これってちびっ子の多い生徒を教えている先生方は頭を悩ませるところですよね。
今日はこの部分を考えていきましょう。
どの年齢から腹筋を!?
という事は生徒の個人差がありますから言えませんが、
大体の流れとして・・・という事はお話できます。
この記事は、私の考え、そして私のボスである校長先生(この記事参照)の
教育論を使って書いています。
どの角度から見るか?によって多分色々な意見があるでしょうが。
私の考えからすると特定なリハビリ、コンディショニングを考慮したほうが良い子達は、
12、3歳以上だと思っています。
これは年齢的に、体の小さな動きを理解し、考えることが出来る、という事のほかに、
体が成長期に入り、様々な壁が生まれる頃だからです。
成長痛に代表されるように、体の痛み。
一時的な柔軟性の低下。
体のコーディネーション力の低下(急激な身長の伸びにより、重心が変わるから)
などの上に、
筋力低下が出てくるのもこの時期。
練習量も増えるこの年齢から、私は体の成長に合わせてトレーニングを始めます。
とは言っても、日本の場合、14,5歳以上だと考えたほうがいいかもしれません。
アジア人の体の成長は、欧米人と比べて少し遅いようですし、
体型の変化も緩やかなようですから。
(コンクールにたくさん出ている子達はまた別問題です。
彼らは幼い体で、プリンシパルが踊るために振付けられた作品を踊っているわけですから。
ただ私はその考えに賛成できないのでここでは省きます。)
とすると。
その前のグループになるちびっ子達は何をしたらいいでしょうか?
年齢的にみたら3歳頃のバレエを始める年齢から10、11歳程度。
ここでは6つに割れる腹筋っ!
というよりも全体的な筋力作りとコーディネーションに力を注いだほうがいいと思います。
この年齢は自分のつま先がどこにあるのか分かっていない事がよくあります。
コントロールするなんて分かっていません。
そして。将来バレエを仕事にするのか?なんて分かっていません。
また、早いうちに微妙な解剖学を教えると、知ったかぶり生徒が生まれる事も事実。
「これが内転筋を使っている感覚!」って決めつけてしまったら、
そのあと修正が難しいんですよね。
具体的には
- 動きの質の違いを身につけること
- 音楽性と筋肉の動き(自分の意思で体を動かすという能力)
- コーディネーション力(足のシャープな動きと腕のソフトな動きを一緒に出来るようにする)
- コールドバレエの能力(周りとあわせる、距離感、タイミングなど)
など。
その中にバレエに必要な
- 柔軟性
- 床が離れたとたん伸びるつま先の感覚(つま先が伸ばせるか否か?ではなく、つま先を伸ばすエネルギー作り)
- パの名前の勉強
などを取り入れるといいですよね。
1時間のレッスン、集中していられる時間が15−30分程度の子たち。
集中して出来る時間をバーレッスンにあて、飽きちゃった頃にゲーム形式。
具体的には・・・たくさーんあるのですが、今日は数種類ご紹介しましょう!
昔読んだ記事に書いてありましたが(ごめんなさい、リンク先忘れてしまいました)
「だるまさんが転んだ」
は素敵エクササイズです。
タイミング、コーディネーション、すばやい動きっ!
その記事には、バレエのポジションでストップする!というのも書いてありました。
だるまさんが、アチチュードデリエールエカルテ!
ほら、名前も一緒に覚えられる!
校長先生の取り入れているのは
スキップ、マーチ、そしてフェアリーラン。
スキップもジャンプもつま先が地面から離れた瞬間「伸ばす!」と言う感覚を作るため。
片足をあげても、ジャンプしてもずれない体、という感覚を作ること。
(これは大人でも出来ますよ。以外に難しい・・・)
音楽通りに動いて、その間にカウントして、しっかりと止まる!!
これって小さい子には難しいんですよね。
フェアリーラン、というのはただの6番ポジションパクリューなんですが、
前の人にぶつからない。
足を細かく動かす。
足を細かく動かしているときに体がぶれない。
ルルベでキープする足首の力。
を鍛えてくれるそうです。
ちびっ子に行うときは、ドンキなどで安い妖精の羽を買っておくっていうのもいいですね。
集中していないと前の妖精にぶつかっちゃう!
そうしたら妖精さんは死んじゃうでしょ?って。
(死ぬのはちょっと過激過ぎか。)
他にもプリエの違いを練習する
カエルエクササイズ
(佐藤愛オリジナルっ!)
ただ、一番ポジションのソテを繰り返すのですが、
ゆっくりアダージォジャンプなのか、
素早いアレグロなのか、
3拍子でジャンプなのか、などを練習します。
4拍子の音楽で、4カウントめは誰も飛んだらだめ!とかね。
腕、手を様々なカエルポーズにおいて飛ぶって言うのも大切。
ジャンプしても、着地してもずれない腕、というのはそのうちポーデブラで必要になります。
1番ポジションでジャンプですから、ターンアウトの着地で膝を前に落とさない練習にも使ってください。
年齢があがるにつれて、骨盤をまっすぐのまま、だとか着地を静かに。
だとか入れていけますが、最初のうちはつま先をのばして高くジャンプ!だけでいいかも。
挙げたらキリがないですが、こんな感じで全体を鍛える事にフォーカスしつつ、
バレエのレッスンをもっと楽しくしてあげましょう!
ちびっ子を教える場合のゴール
体力づくり!
全体的な筋力作り!
これは彼らが将来どんな道へ就いても役に立ちます。
そして全身を鍛えることでコーディネーション力、バランス力をつけてあげましょう。
何よりも楽しく!!
書いているだけで無駄にエネルギーがいる記事でした。
これが私がちびっ子を教えない理由です。
私にはこんな体力がないので。
ちびっ子を教えている先生方、尊敬します・・・
Happy Dancing!