DLSポッドキャスト epi521 ダンサーが知っておきたい夏場の水分補給

今回は、水分補給についてダンサー向けに解説しました。

暑い季節のレッスンでは、特に水分補給が重要です。おしっこの色で水分状態をチェックする方法や

誤解されがちな「水太り」についての真実もお伝えします。

健康な体がダンスのパフォーマンスを支える基本ですので、ぜひお聞き逃しなく!

11周年記念イベントの最新情報もチェックしてね。

Transcript

すこーしだけ暖かい日差しが感じられるようになったけれど、

やっぱりまだ寒いメルボルンの佐藤愛です。

 

今日のポッドキャストでは、真夏にいらっしゃる日本の皆さんへ

ダンサーが知っておきたい夏場の水分補給についてお話したいと思います。

 

本題の前に近況。

この前、もしこのポッドキャストをリアルタイムに聞いてくださっていたら、

この前過ぎたばっかりの月曜日、8月5日に

DLS教師の為のライブラリ1年会員特典のシークレットライブがありました。

ご参加頂いた皆さん、録画で見てくださった皆さん、どうもありがとうございました。

 

シークレットライブは年に4回行われているので

正式には、DLS11周年イベントではないのですが、

 

8月1日のお誕生日に小鬼大勉強会、

8月3,4日に「保護者が知っておきたい成長期の体」セミナー

と続いていたため、8月5日のシークレットライブでイベントが終わった感じがしました。

 

現在行われているDLS公認インストラクターコース4期生

現在夏休みなので、いつもだったら火曜日に行われる授業がなかったのも

シークレットライブ終了で一息ついた感じを助長したんだと思います。

 

今回の小鬼大勉強会は内転筋をテーマに3時間勉強したんですよ。

 

前半は内転筋の解剖学を復習。

ただの筋肉名暗記ではなく、他の筋肉との繋がりや運動時の使い方について。

運動というのはもちろん、踊る時という意味です。

 

そして後半は内転筋エクササイズ達をたくさん分析しました。

ただ形を覚えるのではなく、どうしてこのエクササイズで内転筋がターゲットになるのか

どのようにしたらより効果的か、ケガなどで出来ない子がいたら、どのように応用するか?

などを勉強しました。

 

小鬼じゃなかったら参加出来ないけど、

内転筋を鍛える方法について気になっている人達もいるでしょうね。

 

ボディコンサークルメンバーだったら、

毎回内転筋がテーマの月が来ると、とっても大変だもんね。

 

小鬼たちだけが参加出来るものがたくさんあるので

羨ましいなーと思ったら次回のインストラクターコースを考えてみてくださいね、

って言っても、来年以降になると思いますが。

 

ただ、今月8月のボディコンサークル

「全身調整」がテーマなので、運動量も多くなく、体の声を聴く耳を育てるクラスになっています。

エクササイズが気になるけど、ついていけるか心配だった人、

今月からの参加がおススメですよ。

 

全身調整のクラスは、他の月と違い、途中参加しても遅れを取らないので、

今からでも申し込んでみてくださいね。

 

水分補給の基礎

近況話はここまでにして、今日のテーマ「水分補給」に戻ってきましょう。

いつもだったら、水分補給は自分の体に聞いてね、で終わりにするところなんですね。

だって、必要な水分は人によって大幅に異なるからです。

 

例えば、現在夏の皆さんと、現在冬の私では必要な水分量が違うだろうというのは簡単に分かりますよね。

私の様に、現在パソコンの前で働いている人と、外で営業している人だったら

やっぱり必要な水分量の違いが分かるでしょう。

 

でも、同じ佐藤愛という人間をとっても、

来日セミナー中、多くの人の前で話すときと

11周年のライブクラスが全て終わり、あまり話すことがない今週の佐藤愛だったら

必要な水分量が変わります。

 

なので、最初にお話したように「自分の体に聞いて、水分補給してね」になるんですね。

 

簡単に出来る方法はおしっこテスト

おしっこの色を観察して、水分補給が出来ているかを確認する方法です。

 

今回の11周年でも、本人が知らないところで何度も話に上がっている、

シドニー在住のダンサー専門管理栄養士、染原フミさんのサイトに

色付きのおしっこテストの情報が載っています。

 

DDD おしっこテスト」と検索しても出てきますよ。

 

水分補給とむくみ

水分補給の話をすると、絶対に聞かれること、もしくは耳にする話。

それは「水を飲み過ぎるとむくむ」「水太りする」という話。

 

まずね、これは嘘だって先に言っておくね。

ちょっと話が脱線するけど、戻ってくるから待ってて。

 

今回だけでなく、ポッドキャストやセミナーなどを準備する際に、

私はエビデンスベース、つまり文献や論文、医学参考書などを使って情報をお届けしています。

時々、スポーツ団体のガイドラインや

IADMSみたいに国際的な医療関係者の集まりが出しているリソースペーパーを使う事もあります。

 

さっきお話した、8月5日のシークレットライブのテーマは熱中症予防だったんだけど、

スポーツ医学オーストラリアという団体が出している熱中症予防ガイドラインを基に

日本のバレエスタジオの先生たちが使えるように情報を読み砕いで、

バレエの例と日本の気候やバレエ文化を考えてクラスを準備しました。

 

だけど、皆さんが普段何を見て、聞いて、情報を取り入れているのか?を理解するのもすごく大切だから、

敢えて一般的な検索をすることもあるんですね。

 

例えば、今日のポッドキャストは水分補給について話そうと思った。

エビデンスは既に準備されている。

だけど、ダンサーからむくみとか太るとかの話を聞く。

だったら調べてみよう!

みたいな感じで、

「水分 むくみ」という2つのキーワードでグーグル検索してみました。

 

そしたらビックリよ!

最初にヒットする10件くらいは、

  • 水分の取り過ぎはむくむ
  • 水分を取り過ぎると水太りする

みたいな言葉が書いてあるじゃないですか!

 

こういうものばっかり見たり、聞いたりしているから

セミナー会場とかで

  • 水分取り過ぎたら太りますか?
  • むくまないように、舞台前は水分を取らないようにしています。

みたいな話を聞くんでしょう。

 

面白い事に、検索の順番を「水分 むくみ」から「むくみ 水分」に変えてみると

出てくる情報や、ヒットするサイトが大幅に変わりました。

 

「水分 むくみ」の場合は、間違った情報が

「むくみ 水分」の場合は、正しい方向の情報が出てきました。

 

前に生理の記事を書いた時にも

「生理 体重」と検索した時と「月経 体重」と検索した時には

出てくる情報が違うという話をしたけれど、

あの記事を書いた2018年から変わっていないのね、ダイエット業界のグーグルヒットパワー。

 

色々な噂話を排除するためには、むくみだけで記事にしなければいけないと思うけど、

今日は水分補給がテーマなので、これだけ言って先に進むね。

 

服用している薬や、腎臓などの病気のケースを除き、

水分の摂り過ぎが、むくみや太る原因になりません

 

体重は増えるでしょう、だって物理的に水分が体内に入るのだから。

でも、体重は貴方の健康状態を表しません。

 

水太りに関しては、誰か提唱者と定義を持ってきて。

そんな言葉、医学用語にないから。

 

夏場のレッスンでの水分補給

毎回ポッドキャストをやる度に、インスタライブをするたびに

「今日こそ体重とか、ダイエットとか、健康とかの話をしないで

バレエ解剖学やテクニックやケガ予防の話をするぞ!」

って思うのだけど、毎回戻ってきてしまいますね。

 

理由は簡単で、

やっぱり健康がダンサーのケガ予防やテクニック上達の土台だからです。

 

中でも、水分補給は集中力や振付を覚える力、

筋肉の動きやすさや柔軟性にも影響するため、

とっても大事な話になります。

 

食事制限をしていたら、食事から摂取できるはずの水分も体に取り入れられなくなります。

そう、水分補給って飲み物の話だけでなく、摂取する水分全体の話だからね。

 

とはいえ、「おしっこテストして、自分の体の声を聴いてね」だけでは

水分補給が足りない事があります。

 

特に夏場のレッスン。

熱中症予防としても、無理にでも水分補給をしなければいけない時期を考えて、

先ほどもお話した、Sports Medicine Australiaのガイドラインから

水分補給に対しての情報を読んでみましょう。

 

熱中症予防の水分補給は「プレ・エクササイズ」つまり「スポーツ前から行うこと」と書いてあります。

 

「体重1キロに対し、6ミリの水分を、2-3時間毎に摂取する事が必要」と書いてありますから、

もし体重が50キロのダンサーがいて、朝6時に起きて、夜6時のレッスンに参加する予定だとしたら、

300mlの水分補給を2-3時間毎、つまりレッスン前に1.2~1.8Lの水分補給が必要だと計算出来ます。

 

慣れていない人にとっては、かなりの量でしょう。

学校にいたら難しそうですよね。

 

でもね、食事や休息、そして今日のテーマの水分補給も、

「やらなければいけないこと」なので、気分が乗らなくても

  1. 食べなきゃいけない
  2. 休まなきゃいけない
  3. 水分補給しなければいけない

と覚えておいてください。

それも、ダンサーのお仕事です。

 

ガイドラインには、汗の量には個人差があるため、

スポーツの前と後で体重を計り、どれだけ水分が失われているか?を調べると書いてありますが、

 

体重オブセッションのダンサー達に

自分の体重を客観視する事が可能なのかどうか、私には分かりません。

特に、バレエダンサーは一番摂食障害率が高いと言われますから。

 

ダンサーが知っておきたい夏場の水分補給

これらの情報をとっても簡単にまとめてみましょう。

 

1)水分補給を怖がらない!

2)レッスンのある日は水分補給を計画的に

3)レッスン中の水分補給も忘れずに

4)個人差があるので、おしっこテストもしておこう

 

水分補給に慣れていない人達は、

今すぐ必要な量を飲めないかもしれませんが、練習していきましょう。

 

水でなくても、飲みやすいスポーツ飲料とかでも大丈夫です。

私は、水の味よりフルーツティーの味が好きなので、そっちを飲んでいます。

 

先生たちは、夏場のレッスンで水分補給の時間をとることを忘れないでください。

シークレットライブでは、水分補給以外の熱中症対策もカバーしてあります。

 

意気込んでライブラリ1年会員になったけど、最近使っていない…

という人は良い機会なので夏休みにライブラリに戻りましょう。

 

シークレットライブの録画は1年間観閲出来ますので、

今からライブラリ会員になっても間に合います。

 

11周年記念の「ダンサーの食事」、「RAD VS ワガノワメソッド シラバスから読み解くバレエ教育」の動画も

無料でシークレットライブのページから見ることが出来ます。

 

シークレットライブも、無料動画も、1年会員だけの特典ですから、

この機会をお見逃しなく。

 

特に、

  • 野外パフォーマンスをする
  • 夏休みに長いリハ―サルや、講習会をしている
  • スタジオが古くて、空調がよくない
  • 日本でも、特に暑い地域にスタジオがある

人達は、生徒の命にもかかわる熱中症対策を忘れないようにしてください。

 

とはいっても、残念ながら地球温暖化を考えると

より多くのスタジオが、毎年考えなければいけないトピックになってしまっていると思います。

今日のポッドキャストが皆さんのお役に立てていますように。

 

エピソードへの感想や、こういうトピックを取り上げてほしい!というリクエストは

hello@dancerslifesupport.comへ。

 

既に多くの11周年イベントが終わってしまっていますが、

このポッドキャストを聞いてくださっているタイミングによっては、

まだ購入出来る動画クラスがあるかもしれません。

 

DLS11周年イベントの売り上げは、このポッドキャストやメルマガなど

DLSの無料ダンサーサポートに使われます。

いつもダンサーをサポートする応援をしてくださってどうもありがとうございます。

 

ではまた、来週のポッドキャストでお話しましょう。

 

Happy Dancing!

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