前回までの腹筋シリーズ(パート1はこちら、パート2はこちら)では、
腹筋とは4つあり、それぞれどんな風に体に納まっているのか?
というのを考えてみました。
その一番最後で気づいてしまったこと。それは…
腹筋って脚につながっていないじゃないっ!
という、なんとも人間不信になりそうな事実。
そして焦りのバレエ教師たち!
今まで信じてきた腹筋最強説にヒビが入っているのを横目で見ながら眠れない夜を過ごしていたりして。
この記事ではその答えのカギを握る筋肉たち、腸腰筋について勉強していきましょう。
腸腰筋
腸腰筋とは実は2つの筋肉グループからできていて、さらにそのうちの1つは2つに分かれているんです。
なんて面倒くさい!
腸腰筋 iliopsoas という筋肉は、
腸骨筋 iliacus と 腰筋 psoas でできているのですが、その腰筋っていうのは実は、
大腰筋 major と 小腰筋 minor となっています。
いつもどおり、ダンサーは「腸腰筋」って言葉さえ知っていれば、
3つの筋肉が集まっているグループで、
しかも小腰筋がない人も結構いる、
っていうことは知らなくても大丈夫ですよ。
ただし、トレーナーさんは腸骨筋と大腰筋の微妙なスイッチオンの仕方をトレーニングする必要があるかもしれないし、
これらをしっかりと治療し分ける必要があります。
図左:腸骨筋
点と点:腸骨から小転子
図右:大腰筋+小腰筋
点と点:胸椎(12)と腰椎(1-5)から小転子
主なお仕事:股関節屈曲(股関節を曲げること)
ダンサーの友達、腸腰筋
もう少し、この腸腰筋の点と点を研究してみましょうか。
3つの筋肉たちが「腸腰筋」とグループで呼ばれる理由は終わりの点にあります。
腸骨筋も、大&小腰筋両方とも大腿骨の内側にある出っ張り、小転子(しょうてんし)にくっついています。
点と点原理で見ると、この筋肉たちは同じような動きをするってことが分かりますよね(骨盤だけ動き、腰椎が動かないってことはありえないので同じような動きになるはずだよね)。
脚の点と腰、および骨盤の点が縮まるので、
- 脚を背骨の方に持ってくる
- 体を大腿骨の方へ持ってきてくる
という動きが生まれます。つまり、股関節の屈曲をする筋肉グループです。
バレエの言葉で説明すると、
グランバットマンのデヴァンやアラセコンドのように脚を前に上げたり横に上げたりする時に、
大腿骨と骨盤、および腰椎の距離を縮めてくれます。
(アラセコンドは完全に真横ではないですよね?)
右の図の矢印を見てください。
点と点が縮まるとき、大腿骨の内側の点が背骨の方を通りますよね?
ということは、
- 体の前にデヴァンを上げるサポートをしてくれる
- 無駄に腰椎が丸まるのを防いでくれる(腰椎サポート)
- 大腿骨の内側から脚を上げてくれるから、ターンアウトのアシストもしてくれる
なんて素敵な筋肉なんでしょう!
しかもリハビリの世界ですと、股関節の前を通るので大腿骨の骨頭を安定する作用もあるそうです。
ただ、こいつらが一番力を発揮できるのは、股関節屈曲90度を超えたところあたりから。
つまり、高く脚を上げる時にパワフルに働いてくれちゃうんですね。
ダンサーだったら仲良くしてあげたい筋肉ですよね。
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