*この記事は2013年に書かれたものをより読みやすく、具体的にスタジオで使えるように2020年に大幅改正しました。
クールダウン。
ウォームアップと比べるとあまり重きを置かれることのないクールダウンですが、体が”冷えてしまう”のではなく”クールダウン”させることの大切さ、そしてダンサーにとってこのステップがどうして大切なのか?を今日はお話していきましょう。
クールダウンって何?
まずはそもそもクールダウンって何よ?から始めましょうか。
時々ウォームダウンやアクティブリカバリーともいわれるこのアクティビティ笑 についてスポーツ医学のバイブル、Clinical Sports Medicineから引用してみましょう。
Most serious athletes perform a warm-down or active recovery following the conclusion of intense exercise.
The length of warm-down generally varies with the level of the participant’s activity but ranges from 5-15minutes.
This is usually followed by stretching of the muscles used in training or competition.
その前にやった運動のレベルによるが、クールダウンは5分から15分で行われ、そのあとに使った筋肉をストレッチする、と書いてあります。
アクティブリカバリーという言葉が示すように、体を動かす事(=アクティブ)でリカバリーを助けるというのが、クールダウンの目的です。
なのでClinical Sports Medicineでも、”Recovery”のセクションに書いてあります。
ちなみにウォームアップはその前のチャプター”Principles of Injury Prevention”に書いてあります。
クールダウンの効果って?
クールダウンの効果も一緒に見ていきましょう。
- 心肺機能を徐々に元の状態に戻すことで、体にかかる負担を軽減
- 脚の大きな筋肉に血がたまるのを防ぐ
- レッスン中に生まれた老廃物を排除する手助けする
- 筋肉を次のレッスンに向けて良い状態に保つ
すんげー簡単に説明してしまうと、レッスンの後に体がリカバリーするのを助けてくれる時間なのね。
そして、これは特にレッスンやリハーサルが続く状態や、
毎日レッスンがあるという人にはとても大事。
クールダウンでは何すればいい?
ウォームアップと同じく、難しいことはしなくても大丈夫です。
クラスの中にクールダウン用のエクササイズを取り入れている頭のいい先生方もいるので一概には言えませんが、
(例えば、グランアレグロの後にポーデブラとプリエをゆっくりな音楽に合わせて行う。またはジャズクラスのストレッチ兼フリームーブ。)
5-10分、簡単なエクササイズをクラスの後に行い、そのあとに必要なストレッチをすればよいだけです。
簡単なエクササイズとはどんなものを指すのかって?
レッスンの最初のプリエ、ウォームアップタンジュとかのイメージで、
- 体全体の筋肉を使う
- バランスをとったり、ホールドするのではなく体を動かし続ける
- 難易度が高いものではない
をヒントにしてください。
私の本シリーズ(立ち方、ターンアウト、プリエ)でお話すると、
- 立位のエクササイズ・立って行う系の後に
- 四つん這い系をやってみて。
バランスやホールドではなく手足をゆっくり、だけど大きく動く事に意識を向けながらやってみてください。
ストレッチはクールダウンではない!
さっき引用した文章にもあるように、静的ストレッチはクールダウンの「あと」です。
体を動かし、血流や循環を考えるべき。
レッスン終わりました、さよならーでもなければ、
レッスン終わりました、床でべとー(+ペチャクチャしゃべる)ではないのです。
私がストレッチがあまり好きでない事と関係なく、
ストレッチをやるんだったら、「正しいタイミングで」「正しいテクニックで」やってくださいませ。
クールダウンが出来る環境づくり
もしクールダウンをする場所がないのであれば、レッスンの中に取り入れるべきです。
だって1-2曲やればいいだけだもの。
コンクールに参加したときに、ウォームアップやクールダウンの場所を提供してくれないのであれば、
残念ながらその人達はダンサーのことを考えてくれていないのかも。
だって、バリエーションというインテンシティの高い、短い爆発的なエネルギーが必要な踊りを、
いつもと違う床で、ジャッジがいるという緊張感で行ったのしたら、怪我のリスクは普段の練習よりも高くなります。
そしてアドレナリンで痛みも感じないから、気づかない。
とはいえ、コンクールの目的はダンサーの怪我を予防する事ではない。
相手に怒るのもお門違いかもしれませんが、引率する先生には生徒を守る責任があるからね。
事前に調べたり、ホテルの場所やスペース、事前の保護者説明などはしておいてよ。
まとめ:クールダウンはしてください
クールダウンはウォームアップと同じく、そんなに時間はかかりません。
トレーナーでなくても出来ます。
広い場所がなくても、ジャンプ出来る床でなくてもいいし、お金もかかりません。
一生懸命踊ってくれた体にありがとう、というためにも次のクラスでしっかりと踊るためにも、このステップ忘れないでください。
ウォームアップやクールダウン、そして生徒の怪我を防ぐためにスタジオで出来ることを勉強したい先生方はSafe Dance Studioで一緒に勉強しましょう。
クールダウンのように、知っていればすぐに(無料で!)出来る知識が詰まっています。
(2020年9月分はすでに定員に達してしまいました。キャンセル待ちはメールでどうぞ)
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スタジオや先生がやってくれなくても、自分で出来ることはたくさんあります。
貴方の夢と体を守るために一緒に勉強しましょう。
Happy Dancing!