バレエ上達の鍵は「スクエア」にあります。
スクエアを改善することでバレエの動きが向上し、難しい振付にも対応できるようになります。
ただ、スクエアの改善には、自分のスクエアの理解度に応じて、
エクササイズが必要な場合とレッスンが必要な場合があります。
4段階の学びの階段を元にあなたはどちらのタイプか確認してみてくださいね。
Transcript
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
ダンサーズライフサポート、通称DLSは”生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを「当たり前」に。”を合言葉に、
元オーストラリアの政府認定バレエ学校専属セラピスト兼、セミプロフェッショナルレベルのダンサー向けエクササイズ、解剖学とケガ予防のクラスの講師を担当してきた佐藤愛が、
大好きなバレエを心ゆくまで続けたいダンサー、バレエの先生へ情報をお届けしています。
今日のポッドキャストでは、バレエ上達のカギはやっぱりスクエアなんだよねという話をしたいと思います。
DLSポッドキャスト エピソード356で詳しくスクエアについては説明したじゃないですか。
でも100エピソード以上前の話だから、ちゃんと覚えているか復習してみましょう。
まずスクエアというのは肩肩、腰腰の4点を結んだ長方形のことで、
そのエリアに含まれる、骨盤、肋骨、肩の高さや肩関節の場所、ウエストの位置、背骨など
すべてをひっくるめて一気に注意することが出来るマジックワードでしたね。
いくら正しいアームスの形が出来ても、スクエアが出来ていなかったら腕が生えている場所がずれていることになります。
なので正しいポーデブラを!と言われ続けて、頑張って「腕の運び」を気を付けていても、
一向に上達しないという問題にぶつかるわけですよね。
同じく股関節。
正しくターンアウトするには、股関節の外旋が必要です。
股関節というのは骨盤と大腿骨でできた関節。
だからいくら足を回そう、と思っても、関節を作るもう1つの骨、骨盤が正しいところになければ、
一生ターンアウトは出来るようになりません。
体の軸となる背骨、呼吸に必要な肋骨、表現力に必要なアッパーバックや肩。
そりゃ、バレエ上達のカギはスクエアになるわけだ、って納得しますでしょ?
2024年、バレエ上達したかったらスクエアに気を付ければいいのね!!と思ったところで質問。
- レッスン中、スクエアに対する注意はされているわけでしょ?
- そしていつも気を付けようとしているんだよね?
- 骨盤の方向や、肩の高さを鏡でチェックしたり、背骨の引き上げや腹筋を意識してみたり、お尻を使ってみたりしてるんだよね?
じゃ、なんで出来ないのでしょうか?
「才能がないから!?」
そんなことはありませんよ。
新しいスキルを身につけるときに考える4つの階段を思い出してみましょう。
昔ポッドキャストでもお話したことがあるかもしれないし、
私のセミナーやボディコンサークルなどで聞いたことがあるかもしれないけど、
新年1発目の復習をしてみましょう。
新しいスキルを身につける、つまり学びの階段は4段階あるといわれます。
- 知らないから、できない
- 知ってるけど、できない
- 知っているし、気を付けたら出来る
- 気を付けなくても無意識に出来るようになる
4つ目の階段になると、言葉通りスキルが身につくとなるんですね。
今日のテーマであるスクエアを当てはめてみましょう。
- スクエアについて知らないからできない
- スクエアについて知っているけど出来ない
- スクエアに注意すれば出来るけど、難しいアンシェヌマンになってくると忘れてしまう
- スクエアが完全に身についていて、演技に没頭していても、難しいバリエーションを踊っていても出来る。
もちろんダンサーのゴールは4つ目です。
ですが、普段のレッスンだったら3番目の階段でもいいかもね。
もし皆さんがすでに3つ目の階段、もしくは4つ目の階段にいたらおめでとうございます!
でも、そうじゃない人たち。
- スクエアについてなんとなく知っている程度
- スクエアという言葉は聞いたことがあるけど、自分の体ではよくわからない
という人は、1つ目の階段である「知らないからできない」になります。
先生もそう。
知らないことは指導できません。
ですから、スクエアについてなんとなく知ってる程度だったら、
なんとなくしか指導できないため、生徒が出来なくて当たり前。
でも、たとえ知識としてスクエアを知っていたとしても、
レッスンで使えなかったら意味がないですね。
多分、DLSを長年フォローしてくれている人たちはこの段階じゃないかしら?
本も読んだし、インスタライブもみた。
だからスクエアについての知識はある。
だけど、レッスンでは出来ない。
この問題を解決するには、
「レッスン中に意識しよう!」では足りません。
意識していても出来ないから、問題なんだものね。
では何が必要か?
エクササイズが必要です。
レッスンではなくて。
レッスン中にスクエア「だけ」考えるのは不可能でしょう。
- アンシェヌマンを覚えなければいけない
- カウントも気を付けなければいけない
- つま先の伸ばさなきゃいけないし
- ポーデブラも、エポールマンも使わなきゃいけない
- 移動の方向や、周りの人たちとの距離も気をつけなければいけない
このような状況ではスクエアだけに集中できませんよね。
もちろん、ちっちゃい子たちのレッスンでは、この部分だけやっていると思いますよ。
例えば幼稚園から小学生低学年のクラスだったら、両手バーでアテール、シンプルな振付でしょうから。
でもそれ以上のレベルだったら、
もしくはそれでは踊った気がしないであろう大人クラスや、
小さいときにそのようなレッスンを受けてこなかったので、身についていない人たちは
サプリメントとしてのエクササイズが必要となります。
スクエア「だけ」を考えられる環境で、
スクエアを保つ筋力と運動神経を育てるってこと。
そうすれば、より複雑になったレッスンでも
何に気を付けたらいいのかわかるし
どのようになっているのが正しいかの理解や感覚も出来ている。
だから3つ目の階段である
「気を付けていれば出来る」に進めるわけ。
3つ目の階段から4つ目の階段に行くためには、
エクササイズではなくてレッスンが必要です。
だって、エクササイズの中では出来る人たちが、
レッスンの中で出来なくなっちゃうんだものね。
練習とは、できない部分を出来るようにするための行動ですよね。
当たり前じゃない!と言われそうなんだけど、
エクササイズやレッスンが出来ないと
- 「才能がないんだ」
- 「バレエ向きじゃないんだ」
- 「年だから出来ないんだ」
とすぐにあきらめる人たちがいるから、お伝えしておきます。
出来ることを繰り返すことは、練習ではなくリハーサルです。
出来ないことをやるのが、練習。
ちょっと話がずれましたけど、大切だと思ったのでカットせずに残しますね。
さ、話をスクエアに戻しましょう。
スクエアの大切さは、もうわかってくれましたよね。
そして、自分がどの階段にいるかもわかりましたか?
そうしたら、今の自分に必要な練習が分かったでしょう。
レッスンなのか、エクササイズなのか。
エクササイズだった人は、3月1日金曜日、13:00ー14:30に
東京の恵比寿駅と広尾駅の間にあたるスタジオで行われる
解剖学エクサクラスへどうぞ。
スクエアの復習はもちろん、
お家に帰って自分で出来るエクササイズをお伝えします。
スクエアが出来ない人が来るセミナーです。
- ついていけなかったらどうしよう
- 最近運動していないけど大丈夫かな
と思わないでください。
先週のポッドキャストも成長する考え方についてお話していますので
参考にしてくださいね。
このクラスは中学生以上のダンサーが参加出来るんですが、この日は平日じゃないですか。
だから学生さんは難しいかもしれないですよね。
だけど、先生たちにはチャンスなはず!
バレエだけでなく、ダンスの指導は肉体労働です。
現役の時のように回ったり、飛んだりはしないとは思いますが、
ある程度デモンストレーションが出来ないと指導できないクラスが多いでしょう。
セミプロ、プロレベルの子たちを指導する場合、
海外のバレエ学校を見てわかるように、先生は座っているだけのことが多いんですけど。
スクエアの指導のために自分の体で感じておきたいひとはもちろん、
レッスン前にウォームアップとしてやっておけるエクササイズ
長く指導が出来る体づくりのためにも
ぜひご参加くださいね。
そうそう、現在ケガしていて思うように動けないダンサーも
このクラスはおススメです。
アレグロをお休みしているときに何をしたらいいかが分かるはず。
クラスの詳細やお申込みは、www.dancerslifesupport.comへ
3月にお会いできるのを楽しみにしております。
ということで、久しぶりにスクエアを復習してみたポッドキャストはここまで。
来週は、「軸をとる」ってどういうことかを考えていきたいと思います。
Happy Dancing!