毎日目標やゴールに向かって何かしらのアクションを起こし続けることはとても大切です。
でも、その行動や習慣は理にかなっていますか?
本当に目的と一致していますか?
今回のポッドキャストでは、「ルーティーンと頑固」の違いについて考えました。
ケガの予防のためにも「頑固」は避けて、柔軟性のある「ルーティーン」にしましょう。
聞きたい人はこちらから(読みたい人はスクロールしてね)
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
ダンサーズライフサポート、通称DLSは”生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを「当たり前」に。”を合言葉に、
元オーストラリアの政府認定バレエ学校専属セラピスト兼、セミプロフェッショナルレベルのダンサー向けエクササイズ、解剖学とケガ予防のクラスの講師を担当してきた佐藤愛が、
大好きなバレエを心ゆくまで続けたいダンサー、バレエの先生へ情報をお届けしています。
今日のポッドキャストは、ルーティーンと頑固は違うというテーマでお送りしたいと思います。
ルーティーンという言葉は聞きなれないかもしれませんが、決められた動き、日課、慣習という意味の言葉です。
舞台前のルーティーンというと、舞台前にそのダンサーが決まって行う行動をさします。
ダンサーそれぞれ、ちょっとした願掛けがあったり、時間の過ごし方があるでしょう?
メイクの前に髪をやる、とか逆の人もいるだろうし、いつもアップで行っているエクササイズがあったり、聞いている曲があったり。そういう感じ。
ルーティーンという言葉を使うには1度行う行動ではなく、決められた動き、日課、つまり継続されている必要があります。
なので、「今までもこうやってきたから」とか「うちのスタジオではこうしています」なんて言う感じで、先輩たち、先生たちから受け継いできたものも多く存在します。
発表会でがんばったら焼肉を食べに行く、みたいな決まりがあるスタジオもあるみたいですが、
食事をご褒美に使う考え方は、危険だということは皆さんはもうすでに知っていることでしょう。
自分の中でルールを作っている人もいますね。
毎日プランクをやる、とか寝る前にストレッチ、とか、レッスンがあった日は半身浴とか。
こういった、自分の中のこだわりというか、ルール、昔からやってきたルーティーンが頑固になってしまう落とし穴はどこにあるでしょうか?
「こうしなければいけない」という考え方に陥るとき、イノセントなルーティーンは頑固な態度に変わります。
実際に私が見てきた例を挙げますね。
親指がずっと痛かったダンサー。
レッスンを休んでみても、マッサージを続けても、やっぱりポワントで踊ると痛くなってしまう。
あまりにも、シューズの幅が狭いから、私が大きなシューズにしたら?と提案したところ
「絶対にシューズのサイズに問題ない。いつもこれだから、サイズが問題になるわけがない」と徹底否定。
ようやく新しいポワントに変更したら、マジックのように痛みが消えました。
こんなケースもあります。
クラスメイトに後れを取りたくないから、毎日ランニングを日課としていたダンサー。
雨の日も風の日も、体調不良の日も、一日休まず走ってきた、と胸を張る彼女。
でもこれって、ルーティーン?それともただの頑固?
私が考えるルーティーンと頑固の大きな違いは、健康を害するかどうか、そして誰かに意見されたときに、オープンに捉えられるか否か、です。
最初の例の子のルーティーンは同じメーカーの、同じサイズのポワント。これをシンデレラシューズと呼びましょう。
自分の中で、これだ!と思ったシューズがあったのですから。
でも、シンデレラシューズは実は、物語に出てくるいじわるお姉さんのように、サイズが小さすぎました。
今まで問題がなかった理由は、踊る量が違ったから、かもしれません。
レッスン内容が変わったから、かもしれません。
そしてバレエ学校の子たちの年齢では、体がまだ成長中。
ただシンプルに足が成長した可能性も十分考えられます。
ここで、はだしの足とシューズを見比べて、「見た目だけでも、このシューズがきついのがわかるよね。痛みが続いているのは事実だし、思い切ってちょっと大き目なシューズを試してみよう」と考えることができたら良かったですし、フィッティングだけは無料なわけ。
でも、かたくなに「私はこれです」と決めつけてしまうと「頑固」ですよね?
頑固とは「かたくなで意地を張ること。」「わからずやで、押しの強いこと。」だそうです。
日常とか、習慣、などの言葉を含む説明は全く出てきません。
2人目の彼女は、ケガをしていないから努力じゃないの?と思うかもしれません。
自分で決めたゴールに向けて頑張っているだけじゃないの?と感じる人もいるかもしれません。
誰からも、やめなさい、と言われていないのだから頑固でもないんじゃない?
彼女の問題は、そもそもランニングを行う理由がクラスメイトについていくため。
つまりレッスンで使える体力、体づくりでしたよね?
そうしたら、体調不良の日に走ることが最終ゴールであるレッスンで使える体を作ってくれるでしょうか?
雨の日に滑りやすい道、視界が悪い状態でランニングし、ケガしてしまうリスクはいかがでしょう?
しかも海外。雨の暗い日で、人手が少ないであろう時に、一人で走ることは安全なチョイスだったのでしょうか?
ここで、ルーティーンなのか頑固なのか?が見えてきます。
エクササイズを続けたい。だけど天気が悪い、だったら近くのジムを使うのはいかがでしょうか?
バレエ学校にジムが付いている場合もあれば、学生割引が使える可能性もあります。
そもそも、ランニングを選んだ理由がお金がかからないから、だとしたら、おうちで出来るエクササイズを選ぶのはいかがでしょう?
同じく、ランニングはストレス解消にもなるしやりたい。
だけど体調不良、という状態ならば、走りに行きたい気持ちは強いけど、明日のレッスンに備えて早めに寝るほうが大切なのではないか?と考えつきます。
そこまでのちょっとお疲れかな?だけど毎日バレエ学校の中に籠っていて、ストレスがたまるな、だったら
- ウォーキングに変える
- カフェの外の席に座る
- ミュージアムに行ってみる
など体調を考慮した形で、バレエ学校と寮生活からは離れる、というルーティーンは守ることができます。
特にホームシックで、自分の部屋で一人になると寂しいという子だったら、
そして体調不良がちょっと風邪気味、とかくらいのレベルであったら気持ちのためにもいいかもしれませんよね。
ランニングに執着する必要はないわけです。
ターンアウトのために開脚。
エクササイズは汗をかかないとやる意味がない。
発表会前にダイエットは普通。
衣装のためにも、一緒に舞台に立つ人たちのためにも痩せてなきゃ。
このように考えている人たちは、「私は頑固だからストレッチを続けるのよ」と思っていないでしょう。
これがルーティーンの難しいところ。
覚えています?ルーティーンという言葉の意味は、いつも行っていること、日課、習慣。
なので本人にとっては普通なので、
- 間違ったことをしている
- 危険なことをしている
という意識は全くないのです。
ほかの、より良い方法があるという事実にさえ、気づかないことも多い。
それを顕著に見せてくれるエピソードを最後にお話しますね。
生徒思いの、勉強熱心なバレエの先生。
ふとした会話から、夏休みはどれくらいスタジオをお休みにするのですか?という話をしました。
そうしたら、とっても少ない日数。
なんでもっとちゃんとお休みを作らないのか?と聞いたところ、
最初の答えは「できません。いつもこうしてきたから。」でした。
でも、大先生がいるわけでないし、その方がスケジュールを作っているわけじゃないですか。
だから出来ない、のかやらない、のか。
そんな話を彼女としました。
ここまでポッドキャストを聞いてみて、自分の中のルーティーン、実はただの頑固だったのかも?と思うような行動はありませんか?
もっといい方法、もしくはルーティーンをアップデートしたほうがいいかも、というエリアはありませんでしたか?
ぜひ、このポッドキャストの感想と共に、私に教えてくださいね。
hello@dancerslifesupport.comにメールを頂けるのを楽しみにしています。
メールで書くほど長くはないけど、一言感想を伝えたいな、と思ってくださったら、
DLSのインスタアカウント@dancerslifesupportにDMをくださいね。
インスタアカウントでは、レッスンのヒントや考え方にチャレンジする投稿、そして最新のセミナーやエクササイズクラス情報をご紹介しています。
最近続いている「ゆるトーク」というライブシリーズのアーカイブもありますので、DLSアカウントのフォローをお忘れなく!
ではまた、来週も似て非なるものシリーズをお楽しみに。
Happy Dancing!
!!ポッドキャストの購読方法!!
DLSのYoutubeチャンネルには過去のポッドキャストだけでなく、ビデオブログやインタビューなども発信しています。
チャンネル登録をお忘れなく!