お世話をする人が増えれば増えるほど、自分のために時間を使うのは贅沢だと感じる人が多いようです。
家族の為、生徒の為、だったら夜遅くまで続けるのに、自分のため、だと躊躇しちゃう。
でも、酸素マスクは自分から。
そうでないと、大好きな人達を長くサポートし続けることは出来ません。
特に体を使って表現するダンサーや、動けなくなったらお仕事がなくなってしまうバレエの先生には考えてもらいたい「贅沢」について考えてみたポッドキャストです。
聞きたい人はこちらから
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
ダンサーズライフサポート、通称DLSは“生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを「当たり前」に。”を合言葉に、
元オーストラリアの政府認定バレエ学校専属セラピスト兼、セミプロフェッショナルレベルのダンサー向けエクササイズ、解剖学とケガ予防のクラスの講師を担当してきた佐藤愛が、
大好きなバレエを心ゆくまで続けたいダンサー、バレエの先生へ情報をお届けしています。
今日のポッドキャストでは、「贅沢」について考えていきたいと思います。
なんだそれ?と思いますよね。これは毎週日曜日に行っているボディコンサークル参加者さんが書いてくれたフィードバックシートを読んで考えたことなんですが、
来日セミナーも終わったし、ボディコンサークルも戻ってくるしというタイミングで皆さんにシェアしたいなと思いました。
まずバックグラウンドをお話しますね。
去年の終わり、ボディコンサークルで「全身調整」というテーマでクラスを行っていたときに、複数の参加者が同じ単語を使ってクラスの感想をくれました。
その時のクラスは、エクササイズ!トレーニング!という感じではなくリリース、ストレッチ、セルフマッサージを行いつつ、全身を調整する方法をお話していました。
12月だったこともあり、体の大掃除という別名で、頭蓋骨からつま先まで、さまざまな体のセクションをケアするクラスでした。
忙しい師走ですから、多くの人たちが「自分の体にこんなにも集中したことはなかった」とか
「じっくり時間をかけて、すべてのパーツをケアすることなんて一人じゃできなかった」という声をくれたのですが、その表現が「贅沢な時間でした」だったんです。
いい意味の言葉ですよね。
だけど私は違和感がありました。
贅沢という言葉を辞書でみてみると、
”必要な程度をこえて、物事に金銭や物などを使うこと。金銭や物などを惜しまないこと。限度やふさわしい程度を超えること、また、そのさま”
と出てきます。
贅沢な時間でした!というポジティブなフィードバックだったんですよ。ネガティブな意味では受け取っていませんし、そう感じていただけて、クラス主催者としてとても嬉しいです。
でもこれって、このような自分の体をケアする時間は「必要ではなく、ふさわしい程度を超えている」と思っているダンサーや先生たちがたくさんいるという表れなのではないかと感じます。
そして、これは私のように、ダンサーのけが予防や安全なレッスンを伝えている人にとって危険な現状だとも感じます。
今月からDLS公認スタンスインストラクターコース3期生もスタートしましたよね。
3期生無料説明会でお話した内容なのですが、「感情が行動を作る」ということ。
どういう意味かというと、寒いと思うから手をポケットに入れる。暑いと思うから上着を脱ぐ。
痛いと思うから避けようとする、もしくは歯を食いしばるなどの例で分かるように、
人間の行動は感情が作っていると私は思います。
この続きもあって、「感情は行動を作り、行動は習慣を作り、習慣は人を作る」となるのですが、それはまた今度お話しましょう。
感情が行動を起こすと考えると、セルフケアの時間、勉強、自分のためのエクササイズが「贅沢」と感じる人は、定期的に行いません。
特別な日のために取っておくでしょう。
誕生日のプレゼントとしてセミナーを受けました。
大切な舞台の前にケアします。
頑張ったから、ゆっくり体と向き合います。
ブランドもののバッグとか、高めの入浴剤だったら問題ないんですが、
ダンサーのセルフケアはけが予防のために行っています。
踊り続けるために、指導し続けるために、体を使い続けるために必要不可欠なケアということ。
それを贅沢だと感じてしまう場合、マインドセットのシフトが必要です。
ケガ予防のため、行動を変えるため、土台となっている考え方を変えるということね。
もし、勉強すること、エクササイズクラスに参加すること、自分の体と向き合う時間を作ることが「贅沢」だと感じるなら、どうしてそう感じるのかな?と考えてみてください。
家族に「贅沢だ」と言われたから?
昔、親に講習会を受けたいといったら、贅沢といわれたから?
子供の面倒、生徒のお世話をすることが自分の役割だと思っているから、自分の面倒を見ると罪悪感を感じるから?
それとも、ただ単純にそういう時間を取らないから特別な感じがするだけ?
そして、そのあとにどうして勉強、エクササイズ、自分と向き合う時間が必要なのか?を考えてみましょう。
必要ではないけど、ほしい、だったら贅沢のエリアになる可能性はあります。
さっき出した、ブランドもののバッグを例にとると
ほかにもバッグはある、だけど最新のデザインが欲しい、だったら確かに贅沢っていう人もいるかもね。
ただ値段とは価値観じゃないですか。
高いけど、ローカルアーティストがデザインし、フェアトレードで、会社が環境問題にしっかりと向き合っていて、梱包などは紙などコンポストできる素材を使っていて、プラスチックを出来る限り使っていない。
売れ残りが無駄にならないように、数を少なく製造しているから、今買わないと手に入らない、だったら私個人はいい投資だと思います。
そう、投資。
贅沢じゃなく、投資と考えるのもいいかもしれませんよね。
自分の仕事、生徒のために投資する。
自分の将来に投資する。
そのための勉強、エクササイズ、自分の時間。
自分の中にないものは、生徒に与えることはできません。
知識や経験はもちろんそうですが、
自分の体を大切にすること。自分の健康を最優先させること。長期的な目線で将来を考えること。
このような理解が、先生にないと生徒に伝えられません。親になければ子供に伝えられません。
伝えられない、というより伝わらない、のほうが正しい表現かもしれませんね。
ほら、大人が口だけで言っていることって、子供たちは簡単に見抜いちゃうじゃない?そんな感じ。
もし、私のインスタを見ながら、いいなぁセミナー行きたかったなと思ったり、ボディコンの参加者の声を読んで、いいなぁ、でも私には贅沢だよね、と思った方がいたら
今日のポッドキャストでお話した2つの質問を考えてみてください。
- どうして、贅沢だと思うのか?
- どうして、必要なのか?
もちろん、治療費がかさんで、とかコロナで収入が減ってという人達がいるのは十分理解しています。
だからこそDLSでは2020年からセミナーの度に、そしてすべてのボディコンサークルにて、スカラシップを準備しています。
英語をしゃべる国で育ったら英語が喋れるようになるように、
日本語をしゃべる国で育ったら、日本語が喋れるようになるように。
セルフケア、自分のための勉強が当たり前の環境で育ったら、贅沢と感じず、
唯一無二の自分の体、心、脳みそを育てる事が当たり前になる子達が育ってくれるのではないでしょうか?
皆さんはどう思いますか?ポッドキャストの感想はhello@dancerslifesupport.comにて教えてくださいね。
ということで今週のポッドキャストはここまで。
最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。
ではまた、来週のポッドキャストでお話しましょう。
Happy Dancing!
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