どこから数字がきたのか分からない、エシャッペ1000回より
バレエ団の医療チームが推奨する25回スローなカフライズが悪になる意味が私には見えませんが
足が太くなるからカフライズしたくない、というダンサーもたくさん見てきました。
バレエ医学研究の専門家が推奨しているけど、鵜吞みにしない方がいいよ、なんていうトレーナーも知っています。
このポッドキャストでは、カフライズを正しく行う方法、10ポイントをシェアしました。
聞きたい人はこちらから
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
ダンサーズライフサポート、通称DLSは “生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを「当たり前」に。” を合言葉に、
元オーストラリアの政府認定バレエ学校専属セラピスト兼、セミプロフェッショナルレベルのダンサー向けエクササイズ、解剖学とケガ予防のクラスの講師を担当してきた佐藤愛が、
大好きなバレエを心ゆくまで続けたいダンサー、バレエの先生へ情報をお届けしています。
先週に引き続き今日のポッドキャストでは、DLS教師のためのライブラリより一部をご紹介したいと思います。
ライブラリについての説明は先週のエピソードでもお話しましたので、今日は割愛させて頂きますが、
二重関節なんて呼ばれることのある、ハイパーモビリティについてお話したクラスの一部の音声もお届けしているので、
興味がある人は、DLSポッドキャスト、エピソード447も聞いてくださいね。
今週のテーマはオーストラリアバレエ団が出している資料の、カフライズについて。
この内容は、ライブラリ内の「捻挫・足首不安定症」というクラスの一部でお話していますが、その他にもDLSの殆どのセミナーでカフライズの話が出てくるんじゃないか?というような基本の話です。
現に、来週行われる「教師が知っておきたいスタジオで出来るエクササイズ」のDay2でも、「ダンサーの足インテンシブセミナー」でもカフライズはカバーされます。
でも、カフライズって何?と思う人もいると思うので、音声に行く前にそこの説明をしますね。
カフライズとは、カフ、カーフと言われることもありますが、これはふくらはぎのことを指す英語です。ライズ、レイズと発音してもいいと思いますが、トゥディがトゥダイに聞こえるオーストラリア訛りで、私はライズと呼んでいます。
実際に、この研究や提案をしている場所がオーストラリアバレエ団なので、現地に沿って、とでもいうのでしょうか。
ふくらはぎのライズ。
ライズとは持ち上げる、引き上げる、という意味の言葉ですから、ふくらはぎの筋肉「で」持ち上げるという意味でとってもいいし、
ふくらはぎの筋肉「が」引きあがる、という意味でとっても大丈夫です。
どちらにせよ、バレエダンサーに動きを説明する場合、パラレルのルルベ、ライズという言葉になるので。
ルルベは絶対に必要でしょう?
ルルベでバランスの為だけでなく、オンポワントで踊る時はルルベを通るし、タンジュとルルベはほぼ同じ動きです。
なのでジャンプの時のつま先を強化したければルルベが必要になりますよね。
だけど、正しくルルベの練習をしていない人が多いという事実があるため、
様々なセミナーで正しいルルベの説明をするためにカフライズをお話しているわけでございます。
ということで、本文に行きましょう。
エクストラリソースとしてオーストラリアンバレエが出しているカフライズの指導用の資料があります。
ちょっとちっちゃいんですが、出典元って一番下に書いてあるところを見ていただくと、そこに記事のリンクが書いてあります。
ブルーの四角に入ってるのはエビデンスってやつです。でも、今日はエビデンスは飛ばして、この1から10のカフライズですごく大事なところを見ていきましょう。
カフライズは捻挫のリハビリもそうですし、ポワントの練習にもとても大事なので。
1. スピード。ゆっくり、1カウントアップ、1カウントダウン。
2. パラレル。ターンアウトではやりません。
3. 膝はニュートラル。膝を曲げるのでもなくて、膝をハイパーエクステンションするのでもありません。膝を過伸展しちゃう子は、過伸展させないでやってください。
4. 可動域。痛みがない中でコントロールしてやります。足首がグラグラしながら上がることを求めてはいません。
5. つま先。指はフラットに床についていて、長く保ちます。
6. 動きはスムーズです。ガタガタ上がりませんし、上がって止まるっていう動きが見たいのでもありません。
7. 垂直に上がること。よく起こるのが、お尻を後ろに引いてお尻を前に押すことでカフライズをしたり、骨盤を前に押し出したまま、つまりカフ=ふくらはぎに体重がたくさん乗ってないところで、楽にズルしている子達がいるんですが、「上に上がる動き」がルルベです、を忘れないでください。
8. 腓腹筋。腓腹筋を使うことがゴールです。ふくらはぎの筋肉を使うことがゴールです。
9. アライメント。すねの骨が第2中足骨に並んでるようにしてあげてください。
私たちはそれを「膝のお皿」って言ってますが、膝のお皿っていうのは、すねの上に付いてるんでっていうこと。
10. カフライズが終わったら、ふくらはぎストレッチするんじゃないよ。
なんでストレッチするんじゃないよって?筋肉使った後に、いきなりそれを伸ばさないの。筋肉使ったら、振ってもいいですよ。疲れたから休めてもいいですよ。
使った後反対に伸ばします、ってそんなひどいことしないであげてください。
その他に、ルルベに上がることが出来ないんだよっていう、特に大人の方々がレッスンにいたら、この記事を読んでいただければ、情報が書いてありますので、どうぞチェックしてください。
いかがでしたか?
ここでお話したオーストラリアバレエ団の出している資料、そして最後の方でお話した「ルルベに上がることが出来ない人への記事」のリンクは、DLSブログに書いてありますので、www.dancerslifesupport.comでエピソード448と調べてチェックしてくださいね。
スタジオで出来るエクササイズセミナーの2日目、そしてダンサーの足セミナーを受講される方は、資料にリンク先が載っていますのでそちらを見てもらってもOKです。
カフライズの話をすると、ふくらはぎ太くなっちゃうんじゃないの?と心配するダンサーの声も聞こえます。
そう思った人は、自分が好きなダンサーのバリエーションビデオをYouTubeなどビデオ速度を遅く出来る媒体で見てみてください。
そして、そのバリエーションで、何度ルルベが出てくるか数えてみてください。
プリエからジャンプアップするものでも、膝を伸ばしたままアップダウンでも、オンポワントのピケでも、ポワントホップでも。
これらは結局ルルベの時の筋肉を使う形でしょう?つま先立ちという意味ではね。
なので、これらを全て数えてみてください。
バリエーションを踊ったことないんだよね、という人は1回のレッスン内で何回ルルベが出てくるのかを数えてもOKです。
そして考えてみてください。
両手バーで、パラレル。
ターンアウトはしていなくて、トウシューズも履いていなくて、重心移動もなくて、疲れてもいなくて、
ルルベ以外の振付はまったくやっていない状態で、ルルベが出来なかったら、
踊っているときに出来ると思いますか?という質問に自分で答えてみてください。
先ほどお話したように、タンジュとルルベは同じような動きだというところから、本当はタンジュも数えてほしいけど、
そんなことをしたら大変だから、さっき挙げたように、つま先立ちだけで結構です。
太くなるどーの、という話のレベルではなく、安全に振付やレッスンをこなすために必要な強さが見えるんじゃないでしょうか?
ということで、今日のポッドキャストはここまで。
エピソード内でお話したセミナーに参加する方は、3年ぶりのセミナー会場でお会いできるのを楽しみにしております。
そして、こっそりと「ポッドキャスト、聞いてます」と教えてくださいね。
セミナーに参加出来ない人達もご心配なく。DLS教師のためのライブラリは誰でも、どこからでも、勉強したい内容を、自分のペースで勉強出来るオンラインプラットフォームです。
教師用という名前の通り、指導者が知っておきたい事や、指導時の着目点をお話していますが、自主練をする人であれば全員自分がダンサーであり、指導者になるでしょうし、
ケガしている人であれば、バレエの視点からケガについて知っておきたいことがいっぱいあるはず。
ちなみに、ライブラリ内のほぼすべてのクラスで、ケガ予防についてお話していますが、ケガ予防って、ケガの再発予防や悪化予防も含まれるんですよ。
なので、ケガしている皆さんは諦めないで!いくらでもケガは悪くなるし、良くもなります。
ライブラリの詳細を知りたい方は、www.dancerslifesupport.comでライブラリ、と検索すると詳細ページが出てきます。
ということで、今週のポッドキャストはここまで。最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。
また来週金曜日に、DLSポッドキャストにてお話しましょう。
Happy Dancing!
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