バレエ解剖学とダンサーの為のエクササイズ、でお仕事をしている私ですが、
実は現役時代ピラティスが大嫌いでした。
嫌いだったのにどうして勉強したのか?
最終ゴールが見えなくても、興味があること、勉強したいことを1つずつクリアすると
その先に繋がっていくように感じます。
特に周りに、尊敬できる人達がいる場合、いい判断を下すことが楽になると思います。
聞きたい人はこちらから
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
ダンサーズライフサポート、通称DLSは
”生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを「当たり前」に。”
を合言葉に、元オーストラリアの政府認定バレエ学校専属セラピスト兼、セミプロフェッショナルレベルのダンサー向けエクササイズ、解剖学とケガ予防のクラスの講師を担当してきた佐藤愛が、
大好きなバレエを心ゆくまで続けたいダンサー、バレエの先生へ情報をお届けしています。
今日のポッドキャストでは、ピラティス嫌いだった私が、どうしてエクササイズの道を選んだのか?をお話しようと思います。
多分、このポッドキャストを聞いてくださっているほとんどの人は、
どうして私がバレエ解剖学、治療家の道へ進んだのかは知っていると思います。
バレエ学校に飛び級で入学早々のケガ、何が原因か分からないと言われ、痛みが良くなるまでは踊るな、と言われ、
最初の6か月は満足に踊ることが出来なかった1年目。
ケガから復帰した後も、どうして復帰できたのか理由が分からないので、
またいつ痛みが戻ってくるのかずっと不安でした。
とはいえ、ようやくリハーサルに出られる、しかもオーケストラと一緒のスワンレイク。
今までの遅れを取り戻すべく、いきなりレッスンに戻った私は、結果疲労骨折。
(留学中の話は「愛さんの留学記シリーズ」で赤裸々にお話しています)
一応舞台には立ったものの、摂食障害もひどく、体型によって何度も役を落とされ、
2年生に戻ってきた時にはバレエを続ける自信なんて残っていませんでした。
私なんかが踊れるはずがない、
こんな体型で、こんなケガばかりの私が役に立つわけがない。
バレエを辞めると決めてから、というか続ける意味が見えなくなってしまってから、
最初に考えたのが治療家への道でした。
治療家になりたいという気持ちより、ケガの理由が知りたいという気持ちが強かったです。
そして解剖学の授業が得意だったことも、
こっちの大学に行けば、日本に帰らなくてすむ、つまり日本のスタジオで可哀そうな愛ちゃん、だと思われずに済むという気持ちもありました。
そんなこんなで、理学マッサージを学び、最初は自分の学びのために、バレエ学校の生徒達を借りていいか、という話を校長にしたところ、
安くても、ちゃんとお金を取って仕事にしなさいと言ってもらえて、専属セラピストがスタートしました。
2,3年バレエ学校の生徒と向き合っている間は、急激に成長したと思います。
だって、毎日知らないことが多い、良くならない生徒がいる、逆によく分からないけど良くなる子達もいる…
そんな日々限界に挑戦みたいな生活をしていたからです。
数年たったあるパーティーで、校長先生にまた、相談しました。
この先、治療家としてもっと勉強をするか、エクササイズを勉強してリハビリなどに行くかで迷っていると。
そこで私じゃなくて、エクササイズを校長先生が選んだんですね。
校長のいう事は絶対だから、もちろんリサーチして、政府認定が出るピラティスコースを探し、参加しました。
でもね、ピラティス、大嫌いだったんですよ。
ケガしている間、バレエ学校に来ていたフィジオの人がピラティスの先生もしていて、
その人が勝手にスタジオスペースを使っていいよ、と言ってくれたんです。
だから、ちゃんとならったピラティスではありませんでした。
バレエ学校でも孤独なわけですよ、踊れないし、何のために通っているのか分からないし、学校の友達と話すのさえ辛かったし。
そのうえ、放課後も一人でピラティスのスタジオで、何をしているんだか分からない動きをする、というね。
エクササイズがどう、バレエに繋がるのか、
そもそもどうして強化しないといけないのかも分かりませんでした。
言われていなかったという方が正しいのかもしれません。
今まで、ストレッチが大切。
腹筋しておけば大丈夫、トレーニングしたら筋肉が太くなるからダメ、なんて言われてきたから。
エクササイズへの道は、自分で効果を感じたから選んだ勉強ではなく、
言われたからやっていたし、言われたから進んだという、他人本願な選択肢だったんですよ。
でもね、校長先生だけでなく、この時期、オーストラリアバレエ団に研修させてくれ、というお願いが通って、
シャドーイングと、ピラティスコースで必要だった見学時間の両方を一気に出来たとか、
周りにいた先輩、メンターとなる人達がとても素晴らしく、私を成長させてくれる方向に進ませてくれたんです。
インストラクターコース第二期生の最後の方にお話したことがあるんですが、
世の中って流れるプールのような感じ。
周りに同じ方向に向かっている人がいると、自分のパワーをたくさん使わずとも、いい方向に流してくれるんですよね。
でも、周りが向かっている方向と、自分が向かいたい方向がずれている時、ただ進むだけでなく、
周りに逆らう、流れと戦うという力も必要になります。
そして、毎日戦っているとやっぱり疲れちゃいますよね。
疲れちゃうと、一緒に流されちゃうわけです。
先週のポッドキャストでも、仲間の大切さをお話しましたが、
こうやって振り返ってみると、踊っていた時の私は、
周りにも文句を言ったり、体型に悩んでいる人達がたくさんいて、同じように腐っていったんだと思います。
だけど、仕事にしよう!という意識はゼロだったんだけど、自分の興味があることを追求したら、治療家、エクササイズ、
世界で一番のバレエ医学チームの研修、そこからダンサー達に指名してもらったり、シフトをカバーしたり、
メルボルンにくるほとんどのミュージカルをカバーするようなクリニックで働いたり、と今のDLSの方向に流れていったんです。
皆さんご存じのように、オーストラリアバレエ団で学びたい、だけどどうしたらいいか分からない…と悩んだ挙句、
お問合せページにメール送って、拾ってもらえたんだから
分からなくても行動を起こすって大切なんだよね、と常に感じます。
仕事にするために勉強する、資格を取るというのもとても大切ですよね。
でも私のケースのように、永住権が取れないコースだし、まさかオーストラリアに人生の半分以上の時間を過ごすなんて計画をしていなかったけれど、
自分が学びたかった事に、時間を費やしてみる。
ダメだとしても、まずは応募してみる。
ゴールまで見えなかったとしても、こういった積み重ねが次のドアを開けてくれるようです。
バレエを知らない、バレエにあまり興味がない人から学んだピラティスは大嫌いでした。
自分のこだわりが強くて、新しい研究やボディの意見を聞けない、ピラティスコースの先生のクラスはとってもつまらなかったです。
でも、バレエ団でお互いの意見を聞きながら、ダンサーにとって一番いい状態を日々研究している人達は、一日中見てられました。聞いてられました。
話の内容をメモして、オフィスに置いてある本を買いそろえて、
いつでもカバーに入れるように心も服装の準備もして、バレエ団に通っていました。
バレエ学校の時も、研修をしていた時も、根本にあった気持ちは「私は足りない」だったんです。
だけど、バレエ学校の時の「私は足りない」は、食事やリハビリのプロの意見ではなく、
バレエ雑誌やそういうエリアを勉強していないバレエの先生の言葉だけ聞いて、友達の真似をして、結果どんどん悪い方向に進んでいきました。
研修していた時の「私は足りない」は、尊敬する人達に囲まれて、その人達がやっている行動を研究して、
必要だったらちゃんと相談して、真似だけでなく自分でも勉強していったので、
結果がついてきたんだと思います。
来週月曜日、1月30日には、インストラクターコース第3期の説明会が行われます。
バレエが辛くて、エクササイズは嫌いで、海外で一人泣いていたところから、
解剖学、エビデンスベースのエクササイズの素晴らしさと効果の速さを目の当たりにしたところ。
そしてそのような知識を生徒に伝えていったことで、
バレエ学校でのケガを大幅に減らし、エクササイズクラスを増やして!とアンケートに書くような、
解剖学に興味があり、治療家、心理士など卒業後の道を選ぶような生徒達を育ててくることが出来たところまで。
私が今まで学んできたことを、日本のスタジオやどこかにいる「18歳の愛ちゃん」に届けるというHappy Dancingのミッションを共に歩いてくれる、
第三期生と一緒の時間を過ごせることを心より楽しみにしています。
詳細や、説明会の情報はこちらに登録してくださいね。
今日も最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。
Happy Dancing
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