DLSポッドキャストepi436 自分を守るエクササイズ

股関節インピンジメント症候群の勉強をした回で月一勉強会参加者にはお話したんですが、

オーストラリアバレエ団の、股関節のケガデータ発表の時に、ダンサーに知識とエクササイズを処方したら、バレエ団内の股関節の痛みレポートをゼロにする事が出来たというところからも、

 

知識と強化、つまりインプットとアウトプットが

ダンサーをサポートするんだという事を常に感じています。

 

エクササイズを知るだけで、ダンサーが救えるかもしれないという話をしたポッドキャストです。

 

 

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聞きたい人はこちらから

 

みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?

DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョン

プラスポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。

 

先週のポッドキャスト、聞いていただけましたでしょうか?

今日のポッドキャストでは、先週に引き続き、2021年の調査報告書を見ていきたいと思っているので、

さて、今日見ていくナンバーは、資料31ページ、バレエ教育内容の実態と変化、Aの部分、レッスンの内容です。

 

質問内容は「通常のバレエクラスのほかにどんなクラスがありますか?期間限定のクラスや特別クラスとして開いているものも、全てお答えください」

だそうです。

ポワントクラスとか、バリエーションクラス、ボーイズクラスなんて言うのもそこに含まれていましたが、

私が気になったのは「ストレッチのクラス」39.1%のスタジオがやっているそうです。

 

「美容や健康のためのクラス」というなんだかよく分からないものは32.8%、そしてこのリストには、「エクササイズクラス」はありませんでした。

 

  • ストレッチはあって、美容はあるけど、エクササイズクラスはない。
  • ダンサー達が留学を夢見るバレエ学校には、エクササイズクラスがほぼ100%の確率である。

ここ。

これが、元バレエ学校専属セラピスト兼解剖学とエクササイズクラス講師の私にとっては痛かったです。

 

もしかしたら、人によってはストレッチはエクササイズでしょ?と思っている人も、先生も、スタジオもいるかもしれませんが、

このセクションは「先生たちが好きなようにクラスの定義をしていい」となっていました。

 

先週のポッドキャストでも凹んだ話をしたじゃない?

今週も凹んでいる私が見えますか?

DLSインストラクターコース卒業生、俗に小鬼と呼ばれる人たちは40人ちょっといます。

 

先週見たナンバーによると、日本にはバレエスタジオが4260個あるそうです。

小鬼たちじゃ、太刀打ちできないでしょう!

 

もちろん、この数字には、外からトレーナーさんを呼んでエクササイズクラスをしているかは分かりませんが、

先ほど見たようにストレッチクラスが3割、美容と健康のクラスが3割ですからね。

そんなに期待値は高くないですよね。

 

このギャップを縮めるためにDLSインストラクターコースは来年も戻ってきます。

1月末に説明会を開くので、興味がある人はhello@dancerslifesupport.comにメールしてください。

今日はその話がしたかったのではありません。

 

今日のポッドキャストの題名は自分を守るエクササイズ。

ダンサーの皆さんに知ってもらいたいことは、筋肉の強化はケガ予防、テクニック向上にダイレクトにつながり、

バレエ学校でもクラスがあるかもしれないし、万が一ケガしたときに、レッスンにフルで参加出来なくてもやる事が分かる。

つまり、自分を守ることが出来ます。

 

先生方に知ってもらいたいことは、ケガしたダンサーはスタジオに長く通ってはくれません。

痛い思い、辛い思いをしたダンサーは、大人になって、もう一度スタジオに戻ろっかなとは思ってくれません。

知識があれば、生徒を守ることも出来ますし、自分のビジネスを守ることも出来ます。

 

教師のためのライブラリを使っていただけたら、ダンサーに見られやすいケガの予防法をレッスンの振付や動きで説明していますが、

そこにはエクササイズの話が絶対に入ってきます。

 

ウォームアップで必要な事もありますし、

ケガしている子がジャンプが出来ない、ポワントが出来ないという時に、このエクササイズしなさいね、と出来たり、

ポワントを履く前のグループに、強化エクササイズや体のケアを教えてあげる事が出来ます。

 

股関節インピンジメント症候群の勉強をした回で月一勉強会参加者にはお話したんですが、

オーストラリアバレエ団の、股関節のケガデータ発表の時に、ダンサーに知識とエクササイズを処方したら、バレエ団内の股関節の痛みレポートをゼロにする事が出来たというところからも、

知識と強化、つまりインプットとアウトプットがダンサーをサポートするんだという事を常に感じています。

 

この事を私が踊っているときに知っていたら、と良く思うんですね。

腰が痛くて、腰椎のすべり症ですね、って言われて、

学校にはコルセットで通い、

レッスンは痛くないようにしてね、と言われて何をしたらいいのか分からず踊っていたという中学生時代に、

あなたは、デヴァンとアラセコンドは45度まで、デリエールはアテールで。

ジャンプは着地の衝撃があるからやらないけれど、

その間に脚力を落とさないようにこのエクササイズと、腰に負担をかけないこの動きをやりなさい、

と言われていたら、どれだけ心強かったか。

 

腰椎の脊柱に異常があるのに、ここに針をしておきましょーね、

腹筋鍛えましょう、で背中を丸める腹筋運動をし、

今日は痛くならないといいなと思いながらレッスンはやって、

学校では汗をかきながらコルセットする…なんてしなければ、

早く治ったかも、だけでなく、確実に強くなってレッスンに復帰する事が出来たのに。

 

 

2021年から続けてきた月一勉強会のフィードバックを見ると、今の私がお話したようなストーリーがたくさん載っています。

私が踊っていた時に知っていれば、というやつ。

 

そうは言っても、インストラクターコースでガッツリエクササイズを勉強したくはない、という人もいるでしょうから、

スタジオで知っておきたいエクササイズを学べるセミナーを来年の3月に行う予定ではいます。

そして、上半身本もはじめ、様々なところでエクササイズをご紹介しています。

 

でも、やっぱり、バレエレッスンの本を読んで、数日の講習会で学んだから、バレエの先生になります、スタジオ開きます、が出来ないように、

そして中途半端な知識で、生徒をケガさせないためにも、エクササイズの指導を希望するならしっかりと学ばないといけないんじゃないかなとは思うですね。

 

皆さんの先生も、皆さんをケガさせようとしてレッスンは指導していなかったと思うんです。

だけど、知識に穴があって、自分が言われてきたことをただ生徒に伝えていて、

結果が皆さんがケガした、苦しんだ、だったとしたら、

先生の気持ちが問題なんじゃないですよね、知識不足が問題なんですよね。

 

インストラクターコースを修了した方々の全員が、トレーナーとなって全国津々浦々でエクササイズクラスをやっているわけではありません。

もちろんそういう人もいますよ!

だけど中には、スタジオでウォームアップをするときに使うだけ、という人や、

ケガした子にこれやって、と言えるようにしているという人もいます。

知識として持っておいて、生徒に相談されたら使うけど、90%以上はバレエの指導をしていますという人もいます。

アレグロなどを始め、お手本を見せながら指導するのが難しくなってきたから、エクササイズクラスの指導に移行しているという人もいるし、

フリーランスだから、様々なクラスが持てた方が、仕事が増えるという人もいます。

代講で入りやすいとかね。

 

きっと、バレエを習った全員が、同じように今現在バレエと向き合っていないのと同じように、

エクササイズを勉強しても、様々な進路があるんでしょうね。

 

でもどんな進路があっても、エクササイズは私たち先生を守ってくれると思うんです。

私が、バレエを辞めてもバレエダンサーと仕事をしていられるのも、

大きなバレエ団でプリンシパルだった人達と一緒にバレエ学校で仕事が出来たのも、

治療家としての知識と、エクササイズの知識があったからです。

 

いくら勉強したとしても、バレエじゃ太刀打ちできないじゃない?

相手は、今は亡きエリザベス女王の前で、眠り全幕の主役を務めたレベルですから。

だけど、オーストラリアバレエ団のプリンシパル、ABTやイングリッシュナショナルのバレエミストレスに意見しながら、自分のクラスを10年以上持てたのも、

多くの有名な元プロダンサーがレッスンの本を出している中で、5冊も出版出来たのも、

きっと、エクササイズと解剖学の知識があったからなんだよね、と勝手に思っています。

 

誰かが決めてくれた進路、選んでくれた役だけでは足りない時期があると思うんです。

だって、選ばれなかったらそれまで、になってしまうじゃない?

オーディションも、プリンシパルに抜擢されるとかも。

 

でも、自分で勉強する事、自分のカップに水をためておく作業は、主語が自分なんですよね。

自分に投資して、無駄になることは絶対にないというのも、ここを指しているのでしょう。

 

ちょっと話がまとまっていないポッドキャストになってしまった感じがしますが、

何が言いたかったというと、

もうちょっと、バレエスタジオでもエクササイズが一般化してほしいなという希望。

理由は、エクササイズがダンサーを守ってくれるから。

 

でも形だけを真似するエクササイズでは意味がないですから、

体の構造を理解し、理論的にエビデンスに沿ってエクササイズをすること。

 

この部分も、美容とか健康、ストレッチと同じように、30%は超えてほしいなと願いながら、

教師のためのライブラリや、インストラクターコースを2023年にご提供していきたいと思っています。

今日も最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。

 

教師のためのライブラリ、明日クリスマスイブからお申込み可能です。

詳細はDLSのサイト、見つからなかったら、もしくは探すのが面倒だったら、@dancerslifesupportにDMしてくださったり、hello@dancerslifesupport.comにメールくださいね。

小鬼に興味がある方も同じようにご連絡くださいませ。

 

では、来週の今年最後のポッドキャストでお話出来るのを楽しみにしております。

 

 

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