卒業、進路、新たなスタート。
今まで真剣に向き合ってきたバレエから方向転換をする人や、他の道を考え始めた人達もいるこの時期に、
私が未だに後悔しているバレエ学校時代のエピソードと共に、
どんな方向に道を変えても、いつ進路を変えてもいいんだよというメッセージをお送りしました。
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スクリプト
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラス
ポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。
先週のポッドキャストでは卒業についてお話してきましたが、今週はその先、人生の次のチャプターについてお話していきたいと思います。
バレエが大好きで、毎日一生懸命練習し、憧れのバレエ留学をしたけれど、プロにならなかった人達。
私も含め、このような進路を歩いてきた人たちはたくさんいると思います。
バレエ留学は思ったより簡単なんですよね、スクールを選ばなかったら。
世界各国にバレエ学校はあり、世界的に有名でなくても、
私の母校であるバレエ学校のように政府認定専門学校として、ディプロマは取れるし、留学生もビザがでるなんて場所はたくさんあります。
だけどその先、プロダンサーになるという事は大変で、そしてプロダンサーをずーっと続けていくことも不可能です。
なので、ダンサーという職業というか、アーティストの世界を夢見ると絶対に、
どのレベルでもピボット、方向転換という時間がやってくるんですよね。
数多くのケガでバレエ学校を卒業するのがやっとだった、という私のようなケースもあれば
ちょうど一年前になる2021年の3月ティータイムゲスト、パクキョンスンさんのように
職業としてのダンサーに魅力を感じなくなり舞台を去る人もいます。
2020年11月のティータイムゲストの浅井優子さんのように、学生の時からプロダンサーではなく治療家の道を選んで進んできた人もいれば、
私のように、留学の後にピボットして結果治療家になった人もいます。
2021年最後のゲストだったオーストラリアバレエ団根本里菜さんのように、バレエダンサーのままでヨガの勉強をするとか、リターンゲストで来てもらったワガノワバレエ卒業の高野陽年君のように、能の舞台に立つとか、
このパンデミックを使って、ピボットをするときの準備というか、多方向に方向転換できる準備をしている人もいるでしょう。
方向転換は人生で絶対に出てくるものなんですよね。
私は昔、バレエが好きで踊っていて、留学して、プロになって、バレエの先生になる。
というのはワンセットだと思っていました。
お子様ランチみたいな感じで全部ついてくるっていうの?
でも、バレエ学校で何百人というダンサーが卒業し、ピボットしていった様子をみて
ダンサーとしての道から、ほかの方向に線路を変更したとしても
負け犬とか、あきらめが早いとか、そういったネガティブなものではなく、
人生の幅が広がるってことなんだなと感じます。
先週のポッドキャストトピックでもあった卒業もそうだけど、
ダンサーとしての人生だけでなく、21世紀に生きている一人の人間としての人生の中で、
- 少しでもバレエと向き合った時間があったこと、
- 真剣に心から、1つのことに打ち込んだ時間があったこと、
それがその後の人生を形作ったり、世の中を見る眼鏡になってくれるんだろうなと思うのね。
そして数えきれないほどの人間が同じ時間、同じ国、そして同じ街にいたとしても会話をすることなく終わる中で
彼らのダンス生活を応援出来た事は本当に先生の特権だなと感じます。
もちろん、1つのことを最後までやりきるというのは大切だと私は思っています。
人生の後悔というのがあるとしたならば、私の場合はバレエ学校卒業後1つもオーディションを受けなかった事は後悔です。
体型についても、長期のケガでもすごく自信がなくて、誰も私を選んでくれるはずがないと思い込んでいました。
結果として、誰も選んでくれなかったとしてもチャレンジしたことに意味があるはず、と気づいたのは卒業してから何年も経ってからでした。
挑戦しなかった事、というテーマで今でも覚えているのは、2つ。
1つは今お話した卒業する前にビデオを作っておいて、オーディションで送れば良かったという事。
誰からも返事が来なくても別に変わりないじゃない?
ビデオなんだから、1回撮影すれば、後はカバーレター書いて送るだけだったのにね。
1つは校長先生に個別レッスンを頼んで、彼女に振付を作ってもらった事がありました。
本当だったら、みんなと一緒に現地のコンクールに出る予定だったのだけど、ケガで思ったように踊れない、バレエダンサーとしてあり得ない体型だと言われ続けてきたことから、
挑戦する前に無理だと諦めていました。
練習は、自分のためにやっていたんだけどね。
コンクール予選の次の日。
ウォームアップをしているスタジオに校長先生が入ってきて、みんなに結果を聞いていた時に、愛はどうだった?と聞かれ
私は、出なかったと言いました。
その時の彼女の表情を覚えているわけではないんだけど、
その時の自分の気持ちは、なんだって!と驚いたのを覚えています。
私なんかで出てよかったの!?出場する権利があったの?という感じ。
ご存じのように、DLSはアンチダイエット、アンチ無理やりストレッチです。
シッカリと解剖学や生理学を知っていれば、これらが意味のない行動だけでなく、危険が大きすぎるものだと分かります。
でも、そういったエビデンスやサイエンスがなかったとしても、
この先方向転換するときに、必要なのは自信だというの私は自分の体験から知っています。
知識、コネ、タイミング。
もちろんそういったものも大切だと思いますが、自分に自信を持つこと。
これが出来なければ、次に選ぶ道は、自分が出来る最大限の可能性ではなく、
自分にとってリスクの少ない最小限になります。
自信というのは、私が一番上手なのよ!という自信ではなく、
- 何があっても乗り越えられるという自信。
- これだけ今までもやってきたのだから、次も出来るという自信。
- 1つのことで結果が出なかったとしても、人間として価値がないのではなく、悲しい経験から立ち上がることが出来るという自信。
それがなければ、バレエ学校時代の私のように比較的全ていい形で転がっていった今までの人生の中で
ずっと後悔する事になると思うのです。
今人生の方向に迷っている人、新しい道に進みたいと思っているけど勇気が出ない人達。
すぐに決定する必要はないと思いますよ。
今やらないと絶対に無理というものももちろん存在します。
義務教育とか、バレエ学校とか、年齢制限があるもの。
だけど、多くのものは後からでもどうにか出来ます。
柔軟性は成長期が終ったほうが大きくなります。
なんとなく毎日レッスンしなくても、本気になった2年間の方が成長しますし、下手な癖を直すより時間もかかりません。
幼い時からポワントを履いても、オーディションでは関係ないし、カンパニーのプロモーションに全くもって影響しません。
何歳になっても学び続ける事は可能で、何年スタジオを経営していてもスタジオ方針を180度変更する事は可能です。
DLSインストラクターコースは今2期生が小鬼になるべく勉強しています。
その中の人達でも既に、スタジオで発する言葉が変わったり、保護者への説明が変わったりしています。
1期生になったら古い先生から別れ、安全で生徒のためになるスタジオの独立をし、
コロナ期間中でも問題なく発表会を終わらせた人もいます。
いつ、どこでも、方向は変える事が出来る。
結果がすぐに出てこないとしても、努力のベクトルは変える事が出来る。
そして、そのためには心も体も健康である必要があると私は強く思います。
病気、ケガ、心が疲れているという状態で、自分が様々な問題を乗り越えられる自信があるわけないじゃない?
心身共に健康というのは、人間の必要最低限、ベースラインの状態なんだよという事をぜひ覚えておいてくださいね。
迷ったら、どのオプションが一番健康か?と判断するのはとても賢い事だと思います。
あなたが決めたら、この便利な世の中では、なんでもできますから。
バレエなんて習ったことがない両親と、
高校卒業式にも出ず、海外に留学し、バレエ学校1年目ではケガでほとんど踊れず、摂食障害の果て結果踊ることを諦めた私でも、
バレエ学校講師を10年以上英語でこなし、
クリニックで治療を辞めた今でも、プロダンサーやカンパニーから予約を入れたいという電話をもらい断らなければいけない日もあります。
留学当時は、分厚いノートパソコンに、電話回線を抜いてネットにつなぐしか方法がなかったのに、
今ではオンラインセミナーを毎年行い、バレエショップに並ぶ本の著者になりました。
こいつでも出来たんだったら、私にも出来るんじゃない?と思っていただけたら幸いです。
ということで、今日のポッドキャストはここまで。
3月15日のメルマガで春のセミナーのスケジュール発表が行われます。
方向転換を考えている人だけでなく、方向転換のオプションを知りたい人や、
健康に踊るっていったい何を指すのか?
安全を先にとったら、本当に上達できるのか?
と疑問に思っている人は是非チェックしてくださいね。
DLSが提供している勉強内容が、ダンサーとして、そして指導者としての視野を広げるチャンスになりますように。
チャレンジしてみるだけでも、「”あの”鬼の愛のクラスも受けたんだもの、他も大丈夫!」という自信につながるかもしれませんよ。
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こちらでやっておきます。
ではまた来週ポッドキャストでお話しましょう。
Happy Dancing!
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