IADMSによるとポワントを安全にスタートできる年齢は12歳程度だそうです(出典)
でも精神年齢はどうだろうね?ポワントのリボンがレッスンしている途中で緩んでくる…という質問をもらったので一緒に考えてみましょう。
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みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
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ポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。
10月最後のポッドキャストでは、久しぶりに皆さんにいただいた質問にお答えしていきます。
今日はポワントのリボンが踊っている中で緩んでくるという質問について。
だけど、タイトルは「ポワントに必要な精神年齢」になっています。
どうしてか?っていう疑問を胸に置きつつ質問を読んでみますね。
リボンが、レッスンしているうちに緩んでくるのは何が原因でしょうか。
リボンを付ける位置をかえて、少しは改善したようですが。
バレエの先生からの質問、そしてポワント選びセミナー受講者の方からの質問でしたので、そのクラスでお話した事と一緒に見ていきたいと思います。
ご存じのように、ポワントを履く年齢というのは12歳くらいから。
理由は体の成長、特に骨の成長を考えてという事で、全体重をかけて体がデザインされていない部分、つまりつま先の先っぽに立つためには骨がある程度出来ていなければいけない、
というまー地球に重力があるならば絶対に避けて通れない問題によって。
それだけでなく、レッスン回数なども影響してきますよね。
普通のルルベが出来ている人しかポワントシューズは履いて踊る事が出来ません。
だってルルベを通過して、次のレベルに行く動きなんだものね。
ルルベよりも重心の位置は高くなるし、フットの部分の可動域は広くなる。
大きく動くという事は、それだけの強さも、体のコントロールも必要。
ま、このエリアはすでにブログや、IADMSのポワントを履く年齢という資料でも無料で、日本語で見られるので、
勉強熱心な先生であればその資料が手元にあるはずですし、ポワントを履く年齢の子たち、もしくはその前の人達に配っている事でしょう。
ケガしてたらポワントに進まないだろうし、
ポワントレッスンというレッスンをちゃんとやってくれるスタジオでないといくら年齢が12歳になったからといってもケガのリスクは減りません。
そういう部分をお話しているのが、レッスンプランの立て方セミナー、ダンサーの足、教師のためのポワント選びセミナーでございますので、すでにみんなは知っているよね。
そこじゃなくて精神年齢が今日のテーマ。
ポワント選びセミナーでもお話したんだけど、最近のポワントはリボンを縫い付けてくれるんだって?
私が勝手に思っている事で、リサーチにバックアップされているわけではありませんが、
ポワントにリボンをつけるお裁縫や自立、
そして今日の質問にあったように、ポワントのリボンをちゃんと結べるだけの自立や理解がないのであれば、その子はポワントを履いて踊るべきじゃないよ。
忙しくってポワントのリボンをつける時間がありません、だったらそれは成長とスポーツ障害などの面で危険だし、
ポワントのリボンって言うけれど、バレエシューズでも、デミポワントシューズでもリボンの結び方や早く履き替え、などは練習しているはずだもの。
確かにリボンをつける位置によって問題はあるし、リボンの種類によっても問題が出てくるけれど、
その部分なストレッチリボンの記事や、ダンサーの足セミナーでお話していうので今日は飛ばすよ。
なんでもかんでも、親やバレエの先生が
- やってしまう
- 先に手を出してしまう
- 彼女のためになると思って先回りしてやる
っていうのは彼女のためにはなりません。
ここでは、あえて彼女、という言い方をしていますが、女性ダンサーでポワントを履いて踊りたい子、という事ね。
でも同じ意見をボーイズダンサーでも言えるとは思うけどね。
リボンの縫い方、リボンの結び方、髪の毛やポーデブラや、スタジオに忘れ物をしないとかも含めてさ、そういうのが出来ていない人が、
最初に説明したように、
- クラシックバレエの中で重心の位置が一番床から遠くなり
- 関節可動域を大きく動かす強さ
- 体のコントロールも必要
なポワントレッスンが出来る気がしないのよ。
座ってリボンが結べるだけのハンドアイコントロールがなくて、踊っている時に、硬い靴の中に入っている足先をコントロールできるか?って話。
バレエの先生がやるべきこと、保護者の人が指導すべきこと、そして本人がやるべきこと。
その線引きが出来ていないと、14,5歳から海外に子供を送って、大人と同じ扱いされる世界に放り込むのは酷じゃない?
今回のポワントの結び方でいったら、バレエの先生がやるべきことは、どうやって結ぶかの説明や、リボンの紐が踊っている時に出てこないんだよ、という説明。
ただし、これらはポワントを履く年齢前に、発表会にバレエシューズで出ている時に説明しているはずで、
その時に舞台でリボンが出ないように縫い付けるんだよとか教えてあげている事でしょう。
くれぐれも、本番生徒の前に膝まづいてリボンを結んであげるなんてしないよね、何のための発表会なのさ。
保護者だったら、お家で縫物の基礎をカバーしないとね。いきなりポワントを縫うって出来ないから
波縫いとか、糸を針に通すとか家庭科の授業で小学校4年生くらいでやるでしょ?
それって10歳だもんね、そうしたらポワントの前にカバーしているはずだよね。
ここはバレエの先生の仕事ではないからね。
そしてダンサー本人は、教えてもらったことを練習する。
やってもらう事に慣れないで、失敗してもいいから練習する。
最初からポワントの縫い方や履き方を知っているわけがないですよ、だって初心者だもの。
だけど教えてもらったことは自分で出来るように練習しないと、いくら経っても自転車に補助輪がついたままになってしまう。
失敗するためにリハーサルやレッスンがあるんだから、それで紐が緩んできたら放っておかずに問題解決をする。
自分の問題を自分で解決できるように、周りの人に質問したり、声にだす。
これを書きながら悲しんだから、腹が立つんだか、こんなこと書く必要ないからみんなは
「愛さん相変わらずドラマチックね」って笑って聞いているのかななんて自嘲しておりますが、いかがでしょうか。
ということで、ポワントに必要な精神年齢はどれだけ自立しているか、自分の面倒が見られるか、という事で、10,11歳で身についている子もいれば、17歳になっても身についていない人もいる。
バレエの先生でも精神年齢に疑問が持つ行動をする人もたくさんいるし、私も時々驚くほど精神年齢が幼くなります。特におなかが減っている時笑
ただ、自分が良かれと思ってやっている事があってもそれがダンサーにとって一番いいオプションではないかもしれないという事。
ダンサーも、今の環境では気にしない点かもしれないけれど、自分の夢が早く海外でプロを目指すならば、周りの子たちと違う道を歩むならば、意識的に時間を作って考えなければいけないことなんじゃないかなって思います。
料理とか、買い物、お金の管理や、もちろんポワントの紐とお裁縫とかね。
ということで、今日のポッドキャストはここまで。
来週は冬のセミナースケジュール発表裏話というか、制作秘話をポッドキャストだけでお届けします。
お楽しみに、ハッピーダンシング佐藤愛でした。
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