ポーデブラ、足の1番と大人の責任。

Table of Contents

2020年の一発目は冬期バレエ講習会でした。

今年も20名のダンサーたちがお正月返上で模擬バレエ留学を体験しにきてくれました。

毎年ツッコミどころはたくさんありますので笑 それを赤裸々日記として記事にしているので今回も。

 

皆ね、頑張ってくれていましたよ!

DLSキッズや去年の冬期バレエを受講してくれた子達は初日から、前回のダメ出しを考えている姿が見えたし、

3日目から成長が見えた子、最終日に花咲いた子など、その子達それぞれのスピードで上達していくのが見えました。

 

冬期バレエは4日+発表会なのでアドレナリンでどうにかなる部分もありますが、

もしこれがサマースクールのように1か月とか行われていたら遅咲きの子達はもっと変化が見えるかもしれないし、

逆に体力、集中力、そして過去のケガが戻ってくるなど新たなチャレンジも見られるかもしれません。

 

でもさ、みんなが夢見ているバレエ留学って1か月以上だよね、っていうか1年ー3年…それ以上の子もいる。

そしてバレエ団に入ったら、リタイアするまで毎日踊る生活。

確かにプリンシパルになれば毎日は舞台に立ちませんけど、そこに行く前にコールドをやらなければいけないんだから、

それこそ毎日2,3種類別のリハをこなしつつ、夜はパフォーマンスの日々が続きます。

 

だから4,5日の4科目で疲れていたら、留学なんて夢のまた夢ですよ、ってこと。

それを知ってもらいたいからこの企画をしています。

 

 

腕の運びって知ってます?

毎回だけれど、今回も顕著に見えたのが、ポーデブラが出来ない

(ポールドブラと日本語で言われるかもしれないけど、Port de bras と書くので英語読みだとポート デ ブラ。トはTだからほとんど聞こえない)

 

特にブラバー、1番(アンナバン)を通れない子達の多い事!!

このような基本的な腕の運びは、ちゃんとしたバレエ教育では足の5番ポジションを練習する「前」、足を90度以上に上げる「前」に練習しているはずなんですよ。

 

つまり、バレエの順番でいったら、

  • 脚の5番ポジションは知らないけど、ブラバーは知っている

となるべきだし、

  • 120度に上げるグランバットマンの柔軟性は育っていなくても、ブラバーから1番を通り、2番へ腕を開く、は完全に出来ているはず。

 

メソッド、シラバス、なーんでもいいし、そういうのに乗っ取って指導していなかったとしても、

順番的には上に書いたようになるはず。

 

この記事がアップされる頃にはローザンヌ国際バレエコンクールが終わっているはず。

2020年2月4日にPrix De LausanneFBページにアップされたクラスの様子では―3:27:30の時点で先生が

「girls, it’s not 1st position, 1st position is here (といって見本を見せる). ok? No handbag」と注意しています。

No handbagという意味は、みんなの1番ポジションが広すぎて、ハンドバッグをぶら下げているかのように見える、という事。

 

私の個人的趣味でポーデブラの話をしているのでもなく、

妙な解剖学の意地でターンアウトやつま先を伸ばすっていう注意をしないから、上半身の注意しかしていない、のでもなく。

国際的なバレエコンクールで、国際的なバレエ学校で指導している先生もお話しているんだから、ちゃんと指導してよ!という話。

 

顔のつけ方も出来ていないのは毎年だし、それは昔記事にしたことがあるので割愛するけれども、

  • 顔のつけ方
  • 腕の運び
  • 目線の位置
  • 体の方向

これって、練習してケガしないからね。

何歳からじゃないと、やっちゃダメ、というのもないし、

逆にポワント履く前に、足を高くする前に知っていなければいけない事。

(さっきもお話したように、解剖学的にどーのではなく、ピュアにバレエ教育の順番だから)

足の1番ポジションも出来ていない

同じくして、足の1番ポジション。

 

さっき上げたローザンヌレッスンで、―3:30:30の時点で先生が

「Can you close your 1st position? I want two feet together」と言っています。

 

膝がしなった方がいいから、1番ポジションでかかとが離れてもしょうがないと思っている方々へ。

 

バレエの1番ポジションはかかとを閉じます

出来ません、じゃなくてやらないといけないのよ。

ポジションだから。

 

かかとを閉じる。

  • その動き、やっていますか?
  • 先生、注意していますか?

 

ー3:26:35辺りで

「some girls when you are going back to 1st position, you pass (と言って足が骨盤の下ではないところにいく)and then you close (といって1番ポジションを見せる)」

という注意もありました。

つまり、1番を通過しないといけないのに、へんなところを足が通過している、という注意も聞こえますし、

 

「and I like 1st position to have contact with two feet」

と先ほどと同く、1番ポジションへの注意が聞こえます。

 

腕の運びや正しい1番ポジションや、1番を通過すること。

これを基礎と言い、これを練習してもケガしないし、これが「骨格上」出来ない子もいない。

 

じゃ、なんでやらないのか?

周りの大人がそういう部分は、大事じゃないと思っているからかもね。

先生が指導していないからかもね。

 

大人の責任

バーの途中で、昨日と同じように、と先生が言ってアンシェヌマンを説明したところもあったし、

「rond de jambe should be better by the end of week」と言ってから再度注意を説明しています。

ロンデジャンプは今週末には良くなっているはずね、という事だけど、

これだけ注意を言っているから今週末までには良くしろよ、というバレエ教師の言葉ですよ。

 

  • 言われたことを次のレッスンまでにやる。
  • 先生も、生徒にやってきてほしいから言いすぎない。

この2つはとても大事だと思う。

たくさん注意しても「身につかなければ」、ただの雑音です。

 

 

 

 

どんなコンクールに行っても、どんなにいいバレエ学校に入っても、バーレッスンはやる。

ということはやっぱり基礎は大事なんです。

ここでいう基礎というのはターンアウトがどーの、とかつま先がどーの、でなくて

腕の通り道、足の通り道が理解されていて、無意識に出来る状態。

 

脚の高さ、回転数、難易度の高いバリエーションが大事だと大人が思ってしまうのはよく分かるけれど、(特にバレエのシロウトである、保護者は。だってそこが目に付くもんねー)。

ダンサーたちの将来を考えて、今必要な事を続けるという大切さや我慢強さはダンサーはもちろん、教師にとっても大事なんじゃないかしらと感じます。

(痛みを我慢する、という我慢強さでなくてね。)

 

Happy Dancing!

 

Share This Post

Facebook
Twitter
LinkedIn