6月に行われた中間試験で、すごく面白い現場に遭遇しました。
面白いって言ったら変かな。
interestingだったけど、funnyでもありました。
5人くらいいた試験官の中で、私の隣に座っていた先生がメモ用紙に大きく
(日本人生徒の名前)HAIR!!!!!!!!!!!
と書いてたの。
思わず吹き出しちゃって、試験中聞いちゃった。
そうしたらすっごく真剣な顔でウンウン、ひどいよねと。
試験後、その話が出てきたら、担任の先生が一言。
「今日は良かった方なんだよ、言い聞かせたから。(留学して)6か月の中で一番良かったんだけどね」
とポソ。
あれで良かったのか!?とみんなが突っ込んでいました。
「なんで日本人は前髪をおでこの上でピンで留めるのか?」
「顔の正面からみたら、ヘアピンのオンパレードなのはなぜか?」
という質問をされて、いい答えがあるわけでもないので
「うーん、前髪があると可愛い、とか顔が小さく見えると思っているのでは?」
なんて言っておきました。
私の場合、それが理由だったからね。
学校で前髪ある方が可愛かったから!!!!
(学校=中学校とかね)
でも、それがバレエダンサーを目指し、オーディションする人の考えか、といわれると否だね。
恥ずかしい過去を暴露しようか。
私ね、オーディションの時は髪の毛すっごく短かったんです。
だから、ちっちゃいポニーテールみたいにしか結べなくて。
後れ毛止めるためにピンはたくさん!!
その後、校長から、なに、あのSAMURAIみたいな頭は!って言われてたらしい。
こういうのをね、面と向かって言ってくれる人はいないんですよ。自分で気づくか、気づかないか。
もちろん、2年間学校にいる時はちゃんと伸ばしました笑
そういう恥ずかしいことをしないためにも、オーディション用の髪型を知っておきましょう。
オーディションだけでなく、コンクールでレッスンがある時だとか、プログラムの写真とかのためにもね。
バレエ界の王道髪型はお団子ですが、種類が3つくらいあります。
(あ、そうそう、髪型以外の外部ワークショップ参加注意点はこちら)
普通のお団子 High Bun
バレエお団子の王道ですね。
写真をみて分かるように、あご、みみ、の延長上線にお団子がくるようにします。
そして、しっかりと潰し、ドアノブみたいにならないように気を付けましょう。
ただし、アンイーブンにつぶし過ぎると、甘食パンみたいに、真ん中が出っ張ったへんなお団子になるから気を付けて。
写真みて気づくよね?
後れ毛、ないんですよ。
これは、プロポ―ションのためでもあります。
後れ毛がなければ、首がすっきり、長く見える。
自分がいつも美しく見えるように努力するのは舞台に立つ人のお約束です。
ピンでたっぷり留める!というのもあまりよくないです。
なんでだか、具体的な理由は分かりません。
ただ、バレエ界では、というかバレエ学校ではそう言われます。
低いお団子 Low Bun
低いお団子というのもかなり定番ですね。
どちらかといったら、年齢が上のお姉さんたちがこのような頭をします。
舞台レッスンがあるコンクールですと、このような頭でレッスンをやっている子達はだいたい、
ジゼルとかキトリなど、低い位置のお団子が必要な子達がやっています。
前から見ると、大体はセンターパート(真ん中分け)といわれる、分け方をしています。
ここでも、ヘアピンは使われず、お団子がつぶされ、後れ毛がない、っていうのは一緒です。
うちの生徒達はこれが一番好きなようですが、私はあまり好きじゃなかったです。
後頭部の形がいい子だと見た目がいいんだけど、平らな場合、高めお団子でその部分をきれいに見せたほうがいい気がします。
結局、見た目の問題ですよ。
フレンチロール French Roll
写真はロイヤルバレエ学校アッパースクールより。
髪型に気づきます?
夜会巻き、とか言われるこの頭をフレンチロールといいます。
難易度はかなり高いですが、ヨーロッパではよく見られるようです。
ロイヤルに留学した生徒は、「みんなこの頭じゃないといけないんだよー」って言いながら、毎日必至で練習していました。
綺麗に出来ると、それだけで上手な子、って感じになります。
アッパースクールの写真、って説明したように、これは年齢の上の子達がやる髪型です。
youtubeで検索すると、やり方ビデオなどが出てきますから、チャレンジしたい子はどうぞ。
バレエ髪型ルール
ということで、他にも前髪をツイストしてみたり、リボンを巻いてみたり、色々できますが、
この3つがベーシックだと覚えておきましょう。
どんな髪の毛をするのにもルールがあるので、しっかりと覚えておこう。
- 踊っている時に落ちてこない!
- 見えるヘアピンはできるだけ少なく!
- 自分に似合うもの、役に似合うものを知っておく!
後れ毛やボサボサ頭はそこまで意識がないんだなーって思われます。
そして、プロを目指しているんなら早めに自分で髪の毛できるようになったほうがいいですよ!
コンクール中に髪形を変える、1幕と2幕で変える、などは当たり前なんですから。
最後に。
絶対に!!!!聞かれるから先に書いておくよ。
「でもプロのダンサーはそんな髪の毛していないじゃないですか~」
あのね、貴方がオーディションで選ばれて、契約書にサインされて、職業としてダンサーをやり、それで税金を払っているンだったら、
何をやってもいいです。
そこに到達していない人。
その人達はプロを真似するのではなく、プロを目指している子(=有名バレエ学校生徒)を真似しなさい。
ワガノワだろうが、ロイヤルだろうが、オペラ座だろうが。
前髪ピンの子いますか?
ウォームアップギアつけたままでレッスンしている子いますか?
*こういうバレエの世界の「当たり前」を理解したい親御さん、先生はダンサーの卵セッション(通称卵の日)というセミナーに来てください。
なんでウォームアップギアがダメなのか、を始め、レッスン量やレベル、プロを目指す体作りや精神的なもの、そしてケガに至るまで広く話しています。
Happy Dancing!