「余裕がないけど、あるように見せたい」
こんなつぶやきをツイッターで見つけました。
おおっ!と思って飛びついちゃった!
だって、オーディションや発表会など人に見られる職業のダンサーは自信があるように見せるってすごく大事じゃない?
もちろん、いきなり代役で舞台に立たなければいけないって事態もあるかもしれませんよね。
この前、インスタでロイヤルのお友達ダンサーがアップしていたのを見ました。
ロイヤルのジゼルシーズン。
今日は舞台がないからって、お家に帰ってたのに電話がかかってきて、急なケガでジゼル2幕のアルブレヒトを踊るために劇場に戻った。
オシポバとはいつものパートナーではないようで、リハをしていたかどうか?は書いていなかったけど、舞台をやり遂げることができてほっとしている。
という趣向のアップでした。
ね、いくら自信がなくても1幕を見終わった観客があなたを、そして物語の続きを待っている可能性があるってこと。
そしてこれがプロの世界。
舞台は生ものですから、「今は余裕がないからむりー」「今日はついてなーい」なんて言ってられないのでございます。
これらのエリアは教師のためのバレエ解剖学講座モジュール3でお話しているんですが、かなりやる気と根気のある教師でないと参加すらできないDLSの裏メニューみたいなものなので、
今日はそこからいくつかご紹介しましょう。
ボディランゲージが人を作る
Amy Cuddyという社会心理学者がTedトークでお話していましたが(日本語訳もついていたのでリンクを貼っておきますね!見る価値がありますよ)割り箸を加えて笑顔の「ふり」をするだけで楽しくなれるんだそう。
そして研究では
1)力強いポーズVS無力のポーズ を2分間キープしてもらう
2)唾液のサンプル(ストレスホルモンのレベルを確認するため)とギャンブルをやってもらうなどの実験
とやってもらったら、結果として
- 支配性ホルモンであるテストストロンが 力強いポーズの人20%アップ、弱いポーズの人は10%ダウン。
- ストレスホルモンであるコルチゾールは 力強いポーズの人25%ダウン、弱いポーズは15%アップ
- だったそうです!
2分でだよ!?
そして彼女は、人間のボディランゲージは私たちの感情を表すもの、だけでなく私たちの感情を作るもの、そして体(ホルモン!)を変化させるものだと考えられると発表していました。
レッスンのメイク、髪の毛、身づくろい
メイクとオーディションとプライドと、という記事でも書いたけれどダンサーにとってオーディションで「できるダンサーだ!」と思わせるのはとっても大事です。
この前、ヨーロッパでバレエ学校のオーディションをしていた生徒達によると、あるバレエ学校ではバーレッスンはみんなで。
センターは4段階で落とされていき、最終的に残ったのは8人(そのうち2人がうちの学校笑)という状況だったそうです。
舞台で、衣装をつけたときだけ頑張る!
では足りないんです。
だけど、Amyの研究を使えば、そのように出来るダンサーの格好をするだけで、自分への自信がつき、ストレスを軽減できるようになるかもしれないってこと。
ただし、メイクや髪の毛をいつものレッスンで練習していなかった場合、朝の準備でストレスになるかもしれないし、慣れないメイクで自信が持てないかもしれないから要注意ですよね。
同じような系列でThe 見た目!という記事もあります。
この前、FBライブ(毎月最初の土曜日朝8時にDLSのFBページでライブしてます!)でもオーディションについて聞かれたけど、
DLSブログにオーディションシリーズや、このような見た目、そしてメールの書き方などを説明した記事がありますから、しっかりと読んで勉強してください。
余裕がなくても自信をつける方法がある!
最初のトピックに戻りますが、例え本番前に余裕がなくても、自信をつける方法があるって分かりましたよね。
それは、ボディランゲージ。
肩を広げ、頭を高く持ち上げ、しっかりと立つ。
あれ?
これってバレエのレッスンで一番最初に練習しません?
そう、バレエスタンス、立ち方。引き上げ。
バレエスタンスはテクニックの土台になりますが、感情の土台にもなるって事が分かりました。
練習しない手はないでしょ!
バレエスタンスワークショップは、今後も引き続き行っていきます。
事前予習と、当日ワークブックがあるんだけど、凄く内容の濃いものになっているので、参加できる人達は楽しみにしていてね!
受講できない人はバレエの立ち方できてますか?ブックでしっかりと勉強しておいてくださいね。
本のエクササイズをビデオと共に続けて、体が変わる感覚を覚えて下さい。
(本を購入しただけでは上達しませんからねー)
もうすでに持っている人は、続けた結果をアマゾンにレビューを残してくださいね!
レビューの数が増えると、この本をより多くの悩めるダンサーに届けることが出来ます。
正しい体の使い方の大事さをDLSと一緒に広めていきませんか?
バレエ教師が気を付けたいこと
余談として、先生方へモジュール3でお話することを書いておきます。
小さい時から難しいテクニックをやらせると、体、とくに上半身がこわばるダンサーが増えます。
何故なら・・・怖いから。難しいから。体のすべての力を使って頑張らないと出来ないから。
そして、大きくなった時、それが癖になってしまっています。
だから直せない。
- つっぱってしまう肘。
- 力が入る指先。
- ピルエットの前やバランスを取る時に引きつる首・・・
これらは勝手にそうなる、のではなく、レッスンの中で「間違って練習してきてしまった」部分です。
表現力にも影響しますし、テクニックやラインにも影響します。
どれだけ脚があがるか、ターンアウトができるか?
それよりも先に
- しっかりと立てるか?(今後のテクニックの土台、そして気持ちをつくるもの)
を優先してあげたら、よりよいダンサーを育てることが出来ます。
いうのは簡単だけど、やるのは難しいのが基礎。
だからDLSでは教師のためのバレエ解剖学講座モジュール1&2をリピートした人しかモジュール3や4にいけないように構成してあります。(教師講座の詳細はこちら)
だって、間違った解剖学知識はケガにつながりますからね。
結局、私たちが求めているのは、生徒達を安全に、効率よく上達させること。
そして心と体は繋がっているからこそ、そのような部分をしっかりと作り、
社会貢献できる大人(健康で、自信があり、努力を楽しめる子達)を作っていきたいですよね!
Happy Dancing!