ちょっと前に、「軸のひざが緩む子」というテーマでデヴァンの軸のひざが緩む子について説明してみました。
途中で飽きたんだけど笑 FBコメントで続きを!という声を戴いたので頑張りました!
そこでは、ただ、ひざ裏を伸ばしなさーい!じゃないところにヒントが隠されていて、
- 軸のハムストリングが硬い
- ひざ裏が硬い
- 軸足のヒップフレクサーが硬い
- 軸足の大腿四頭筋が硬い
- 軸足の大腿四頭筋が弱い
- 骨盤が引きあがっていない
- 骨盤がコントロールされていない
- 膝を伸ばす感覚が分かっていない
とこーんなに長いリストの原因があるかもしれないよーとお話しました。
今日はアラベスク(デリエールポジション)で同じ事を見ていきましょう。
デヴァンVSデリエール
なんでデリエールポジションは別に書かなければいけないか?というと骨盤の動きが全く違うからです。
デヴァンの時、骨盤は少し後傾、つまりタックちゃんになります。
デリエールの時、骨盤はかなーり前傾、つまりダックちゃんになります。
これはね、骨盤ってひざの動きにすごく影響を与えるンですよ。
まぁパート1と2に分けてこの前細かく説明したから大丈夫かなとは思うのですが、簡単に(解剖学抜きで!)説明すると
ひざかっくんをしてみよう!になります笑
ひざかっくんするとさ、骨盤後傾するでしょ?
つまり、ひざにつられて、坐骨が前に抜けて、お尻が後ろにさがるっていうのかな?
分かんなかったらひざかっくんしてみましょう笑
だからね、骨盤が後傾している時ってひざが曲がりやすいのね。
(アダージォのデヴァンでひざが曲がる子達がおおいのはここね)
ただし、ひざかっくんされる前にお尻をつきだして、つまりダックちゃんになってごらん?
強くひざを伸ばしていられるから。
これは、まー色々な原因があるのだけど(靭帯、股関節の形、重心etc)一般的にダックちゃんの時は膝が曲がりにくい。
よって過伸展の子は特にだけれど、大腿四頭筋のコントロールができていない子は膝が曲がってしまう問題よりも、軸に乗っかってしまう問題の方が多く見られるとだけ覚えておきましょう。
アラベスクの時のリスト
さっき説明した、骨盤の傾く方向が違うよーっていうのを考えつつ、前回使ったリストに修正を加えてみましょうか。
アラベスクに関しては、
- 軸のハムストリングが硬い・・・あり得ます。
- ひざ裏が硬い・・・あり得ます。
- 軸足のヒップフレクサーが硬い・・・関係なくなります。
- 軸足の大腿四頭筋が硬い・・・あり得ます。
- 軸足の大腿四頭筋が弱い・・・すっごくあり得ます。
- 骨盤が引きあがっていない・・・すっごくあり得ます。
- 骨盤がコントロールされていない・・・めちゃめちゃあり得ます。
- 膝を伸ばす感覚が分かっていない・・・めちゃめちゃあり得ます。
とこんな感じになります。
そこに追加して
- 背中(特に胸椎部分)が硬い
というのも入ってきます。
前回も言ったけれど、これ「だけ」じゃないですからね!
ダンサー一人一人、体や癖が違うんだから原因だって違いますが、例として挙げただけだよ。
軸のハムストリングの硬さが影響
アラベスクでは骨盤が前傾します。
ってことはASISが前に傾き、坐骨が後ろに持ちあがるって事です。
わかったかなー?
骨盤の説明は既に昔の記事でしてあるのでキーワードで「ASIS」とか「坐骨」とか入れてブログ内で検索してみてください。
ハムストリングは坐骨から始まり、膝の後ろを通って、脛についている筋肉です。
って事は、点と点原理で考えると、坐骨の点が引っ張られるポジションにくる=骨盤前傾 ではハムストリングが長くなければいけないポジションになるって事なんですよ。
なので、その部分が固い子はひざを緩めることでごまかしたりします。
ただね、ここで言う「ハムストリングの硬さ」って神経の硬さが一番影響するように私の経験からは感じるので、普通のストレッチでは逆効果だったりはしますが、
それは置いておいて。
背中(特に胸椎部分)が硬い
今回新しく足したポイントは胸椎の部分。
これも記事にしてありますよね、いきなりアラベスクを上げる秘密。
逆に、この部分が固いと、上手く脚が上がらない。ってことはどこかで力むのでひざも曲がりやすくなります。
また体が前に傾く(きれいなカーブを描いて背中を反れない)となると、重心が前に引っ張られますから、その分軸が安定しない、なんて問題も生まれます。
ガタガタするのでひざを伸ばしている余裕がないってやつね。
ほら、重い荷物を持つときって、みんなひじを曲げるでしょう?
体(軸)に近くなればなるほど、持ちやすいけど、同じ荷物を腕を伸ばして持ったら、すごく重く感じるじゃない?
それと同じで、重さが体(軸)から離れれば離れるほど、コントロールや筋力が必要になるって事ですから。
ひざが曲がる、だけでは足りない!
まぁ、難しいシリーズだったじゃないですか。
だからね、解剖学とか全然わからん!っていう人やそんなの勉強したくないよ、っていう子達は別にいいと思う。
ただこれだけは覚えておきましょう!
「膝が曲がる」だけでは先生からの注意の理解が足りないって事。
そして曲がっているから伸ばさなきゃ、でも注意の理解が足りないって事。
どのポジションで、どれ位、どんなステップで・・・まで分からないといけないし、
どうやって直すのか、まで分かっていないと直せません。
言われた事だけをやっているロボットダンサーでは上達できないのはここです。
また、今回みたいに頭で理解できていても、踊りで使えるレベルにトレーニングするってのはまた違う次元の話ではあります。
だからね、バレエの先生方には最低限解剖学を知っておいてほしいと私は思うのですよ。
だってその方が安全で、手っ取り早く生徒を直してあげられるから。
そうしたら、ケガも少ないし、みんな上達するし、win winでしょ?
Happy Dancing!